女子ダブルス 吉村・齊藤ペアがベスト8!男子はベスト16/全日本学生選手権

2015.08.12
 最後までラケットを振り抜いた。大学対抗戦後、個人戦となるダブルスが3日間にわたって行われた。団体戦での悔しさをぶつけるべく、上位進出を懸けて男女ともに奮闘。男子は丸岡俊介(政経1=尽誠学園)・平井裕之(国際2=高崎健康福祉大附)ペアがベスト16、女子は齊藤香純(政経2=昭和学院)・吉村寛子(国際4=昭和学院)ペアがベスト8の最高成績を残した。この結果、斎藤・吉村ペアは全日本選手権(皇后杯)への切符を獲得した。

<男子ダブルス>

 若い力を存分に発揮した。男子は丸岡・平井ペアがベスト16入りを果たした。唯一3日目に残り、ベスト8の枠を懸けた戦いも対峙した相手は昨年の大会王者である船水雄・九島ペア(早大)。雰囲気に呑まれることなく、重要な最初の1ゲームを取ることができたが、その後は持ち味である粘りの試合展開に持ち込めず、ゲームカウント1-5で力負けとなった。

 向かっていく気持ちが白球を通して伝わった。初対戦ではあるが、相手の戦いぶりはコートの外で幾度も見てきていた。「1本目の攻撃とかがわかっていたのでそこは頭に入れてやっていた」(平井)と2ポイントを平井のボレーで奪い、1ゲーム目をしっかりと掴み取った。しかし、その後は相手のサーブ、レシーブの球の質や前衛の決定力の差を痛感。「後衛の球が深くてなかなか自分から攻めることができず、先手取られてしまった」(丸岡)と2ゲーム目以降は1ポイント目を一度も奪えなかった。それでも、ペアの代名詞である「粘り強さ」を見せる。相手前衛のスマッシュに対応した場面、丸岡がコースを丹念についてそこからミスを誘う場面が際立った。「後衛は粘るところ、前衛はフォローの確率を上げていくことでそういう試合展開にできる」(平井)。1、2年での若いペアから発せられたその言葉は、力強くたくましい。試合後、明確な収穫と課題を得たことを振り返り、今後に期するものはさらに大きくなった。新チームは9月からの全体練習で始動開始。今回の経験を糧に、ペアとしての潜在能力を限りなく高めていく。

<女子ダブルス>

 おそろいの黄色いシューズがコートを駆けた。女子ダブルスでの最高成績は齊藤・吉村ペアのベスト8。団体戦では2年間、不動の1番手としてチームを支えたペアが結果を残した。
 勝てばベスト4となる運命の一戦に勝ち切れなかった。相手は、過去に2度敗戦歴があり「3度目の正直」(吉村)と挑んだ永井・小泉ペア(早大)。激しいラリーの末に8ゲーム目にマッチポイントを先に握るも、決め手を欠く。そのままファイナルゲームにもつれ込み4―7で敗戦となった。あまりの接戦に「気持ちも上がっていてしんどくて手も震えた」と吉村。最後は、吉村のボレーミスで試合終了となり「悔しい」と2人は応援席に向かって気持ちをぶつけた。それでも「悔しいけど、やり切った」(齊藤)と試合後には晴れ晴れとした表情で試合を振り返った。

 「信頼し合って2人でテニスをしていこう」(齊藤)。春はどんどん調子を上げていた2人も、東日本学生選手権の期間には「1人でテニスをしてしまっていた」(齊藤)とプレーがかみ合わない壁にぶつかった。それでも「齊藤とテニスがしたいから誰にも言えないようなことも言った」(吉村)。全日本選手権に向けて、互いの本音をぶつけ合い、それぞれペアを見直した。吉村が「信頼関係も深まった」と言うように全日本選手権では団体戦から2人の息の合ったプレーが徐々に増えいつもの攻め急がず確実にポイントを重ねる2人に戻っていった。
 ベスト8を決める木村・安保(早大)ペアとの対決で真価を見せた。齊藤が相手のアウトを誘い1ポイント目を先取すると吉村の鋭いファーストサーブも決まり1ゲーム目を獲得。2ゲーム目は相手前衛のボレーに苦戦するも、3ゲーム目には齊藤の長いラリーの末に吉村が2連続でスマッシュを打ち込み流れを変えた。「私が何本も何本もつなげていったときに吉村さんが決めてくれるとすごく嬉しい」(齊藤)。その後も2人の理想の形で試合を進め5―3でベスト8進出を決めた。

 齊藤・吉村はダブルス日本一を決める全日本選手権(皇后杯)への出場が決定。関東選手権でも堂々のベスト4入りを果たした実力を考えると、上位に食い込む可能性も大いにある。「もう1回2人で頑張ります」。齊藤が笑顔で語ったように、この大会をもって最前線を引退という形になる吉村に花を添える最後の舞台がまだある。2人のストーリーはまだここでは終らない。

[三浦亜優美・土屋あいり]

試合後のコメント
平井

「今日は相手がすごい強いので向かっていく気持ちでやった。相手のペアは今までに試合を見る機会が多かったので、1本目の攻撃とかがわかっていたのでそこは頭に入れてやっていた。今日まで振り返ってポジションの遅れが多かったので、そこだけは間に合うようにした。戦ってみてサーブレシーブが違うのと、前衛の決定力が違う。攻められてつなぎきれずに、自分たちの粘りの展開に持っていけなかった。後衛は粘るところ、前衛はフォローの確率を上げていくことでそういう試合展開にできる。相手に1ゲーム目を取れたのは収穫。それから攻め続けられなくて、その後のゲームを取れなかったというのがこれからの課題。個人的にはレシーブリードしたときに攻めきれなかったのと、肝心な場面でのボレーの決定力が具体的な課題になる。インカレ全体を振り返って、練習してきたことはあまり出せなかったし、事前合宿よりも悪いプレーだったというのがあった。これからは練習通りのプレーが出せるように生活からしっかり見直していかないといけない。次の練習が始まってからは来年のインカレ優勝を目標にして、練習していきたい」

丸岡
「相手は去年優勝していて第一シードだったので向かっていこうと。後衛の球が深くてなかなか自分から攻めることができず、先手取られてしまったのがダメだった。やはり先を攻めたほうが強いので先手を取らないといけない。厳しいボールを後衛の前に返していて昨日までは勝てていたが、今日の相手はミスも無く攻めてこられるので、そういうところはもっと切り返しができるようにならないと。昨日の中京戦では気持ちの切り替えができて勝ちきることができたので、そこが今回の収穫。やはり格上の選手と試合をして違いというのは感じて、レシーブの攻めとボールの質は全く違ったので追いつけるように練習していきたい。差を埋めるためには練習しかない。あらためて初めてのインカレだったが、団体は1勝2敗でチームに貢献できずに終わってしまった。団体を勝ちたくてずっとやってきたので迷惑をかけて終わってしまったので、来年は今年の経験を生かして頑張りたい。まずこれから新チームになって、秋リーグは上位に入りたい。試合にどれだけ近づける練習をできるかどうかに懸かっているので、緊張感を持ってしっかりやっていく」

吉村
「今までテニスをしてきた中で、1番やりやすかったし、信頼できたので、これが最後というのはすごい寂しい気持ちがあったので頑張ろうと思った。個人戦の2日目もマッチを取られた場面もあったが今まで組んでた試合の中で1番良かったんじゃないかなという試合もあって2人で声をかけあって緊張感もなくできた。(東日本の後は)またより信頼関係も深まったというかお互いのことを再確認できたし2人でやっていこうという絆みたいなのが深まった。団体戦だと緊張しちゃうので、みんなにとっては団体戦でその力を出してくれよと言われそうだが、個人戦はのびのびできた。(サーブは)1人で練習とかもしていてファーストから入れて試合に入れたのは良かった。木村・安保ペアは特徴とかも分かっていたのでやってきたことをしっかりやれば大丈夫というのがあった。最後の相手とやるのは3回目で、3度目の正直で勝ってやろうと思ってた。マッチを取ったときは勝った気になってしまって、取りたい取りたいと言う感じになってしまった。長いラリーもあって気持ちも上がっててしんどくて手も震えて、齊藤が必死に大丈夫落ち着いて、と言ってくれたけど自分が何を打とうとしてるのかとかが分からなくなってしまった。そういうところで、大きい大会で勝ち上がってきた経験が少なくて甘い部分だったなって感じていた。長い試合だったけど最後まで2人で気持ちを切らさずにできたことがよかった。入りはしっかりいこうといっていた。落としても大丈夫とは思っていた。9ゲームは長いので。でも1ゲーム目を取るといつもより余裕は持てたかなと思う。(齊藤に向けて)本当に苦しめて辛い思いもさせたこともあるが、齊藤とテニスがしたいから誰にも言えないようなことも言った。私がいなくなっても香純らしくやってくれればいいなと思う。テニス部を辞めたいと思ったこともあったが、土田、井本や可愛い後輩たちや最高の仲間とやってこれて今は明治で良かったなと思う」

齊藤
「インドアに出れるというのは決まっていて、今回で皇后杯にも出れることが決まった。すごいトーナメントの場所も良くて、感謝しなきゃいけないねって2人で言っていた。3日目まできたら後は自分たちで思い切ってやっていこうという話をした。高校時に(吉村とは)インターハイの時に1回だけ組んだことがある。2日目から厳しい試合が続いていて、やっぱり最後だし、最後まで諦めないでどんどん笑顔でやっていこうと思っていた。最後の試合は悔しいけど、やり切ったというか最後までできたかなと思う。(東日本から)帰ってから1回吉村さんと話し合ってこれからインカレが始まるのに向けてもっとこうしていかないといけないって、そこから少しずつ良くなった。お互いを信頼し合えてなくて、そこの気持ちのズレとかで勝手に1人でテニスしてしまったりということがあった。そこを、信頼し合って2人でテニスをしていこうという話をした。(調子が上がったのは)個人戦が後からあったというのもあるし、2人でしっかりもう1回やっていこうと気持ちを引き締めてやったのでそこらへんで良い成績が残せたのかなと。1ゲーム目を取れたことによって勢いもついたし、やっぱり1ゲーム目を取ることはすごい大事だなって今日も試合していて思った。1ゲーム目からしっかり入っていこうって言ってたのがつながった。(ラリーは)いつもより我慢して長くテニスができたが、相手の方が我慢してボールの質もいいし先にやられてしまった。私が何本も何本もつなげていったときに吉村さんが決めてくれるとすごく嬉しい。(吉村が)決めることによってどんどん2人で乗っていけたので、それで助けてもらって流れを変えたりもしたのでとても良かった。やったことない相手ではなかったので分かっていたが、相手の方が負けてる時にこういうパターンをしてポイントを取ろうというのがしっかり見えていて、私たちにはそういうのがなかったかなと思う。9ゲームだし、3個取られてもまだまだ追いつけるって2人で言っていた。吉村さんはすごい私の事を思ってくれる。まだ2人で出る試合はあるので、もう1回2人で頑張ります。来年は個人でペアも変わるけど、自分のテニスを忘れずに今回よりもさらに上を目指して頑張りたい」