明大勢まさかの予選突破ならず 全学へ課題/全日本ジュニア馬場大会2015

2015.08.09
 全国の若手騎手たちが集結する全日本ジュニア馬場大会に明大から5名が出場した。明大の選手は全日本インカレ(以下、全学)の調整として今大会に参戦。1日目の演技を終えた時点で上位10名が2日目の本戦に出場できるが、まさかの全員が予選敗退。全学に向けて不安の残る結果となった。

 まさかの予選敗退だ。昨年の本戦では7位に入賞した中村幸喜(農2=福岡第一)だったが「ミスが多かった」と思うような馬場を見せることはできなかった。中村の相棒は明紫。中村と明紫は関東学生三大大会の馬場馬術で個人3位と実績は確かだ。今大会は「環境変わったときにどうなるか」という練習の舞台。環境の変化への対応は全学に向けての大きな課題として残った。
 明大トップの11位をマークしたものの本戦出場にあと1歩届かなかった小林奈央(農3=日大二)。大きな失敗はなかったという小林だが「規定の演技をするだけでなく、見せ場をつくらなきゃいけない」と反省。全国の大学、クラブチームが参加する今大会のレベルの高さを実感した。馬場ではレギュラーで活躍している小林だけに馬場に懸ける思いは熱い。「上級生の意地を見せて引っ張っていきたい」と小林。頼もしい姿を全学では見せる。
 早稲田和歌子主将(政経3=あずさ一)は14位に終わり「自分の技術が足りないこととメンタルが弱いこと」を課題とした。騎手の弱気なメンタルは馬にも伝わる。このことは人馬一体となって演技を行う馬場馬術の障害となってしまった。また早稲田とコンビを組む明千は今年で引退する。今度の全学は明千にとって引退試合だ。「明千の良いところ全部を引き出したい」と早稲田。長年明大馬術部に貢献してきた明千に花を持たせるためにも、早稲田は新たな決意を胸に全学へ挑む。

 大会のレベルの高さに圧倒された。全学の調整という位置付けではあったが、昨年は明大から2人が本戦に出場していただけに、全員の予選敗退は予想外な結果だ。しかし「本番は全学」(中村)と言うようにここで落ち込んではいられない。今大会で得た収穫を生かし、全学で5年ぶりの優勝を目指す。

[田中愛]

試合後のコメント
早稲田

「馬の良い部分を引き出せなかったのが本当に悔しい。明千はもう24歳で今年で引退する馬。明千の身体のことを気をつけながら最後に花を咲かせたいと思ってやってきた。明千は年寄りだけど今日もすごく元気で頑張ってくれた。自分の技術が足りないこととメンタルが弱いことが今日の結果に響いた。今日は駄目だなと思ったら弱気になってしまうことが課題。やるぞというときと駄目かもと思うときでは演技は違ってくるし、自分が弱気になっていると馬にも伝わってしまう。今回は規模が全日本ということで関東学生よりも馬も選手もレベルが高い大会だった。この中でやっていけるのかなという学生戦とは違うプレッシャーがあった。11月のインカレは明千にとって本当に最後の試合なので明千の良いところ全部を引き出したい」

小林
「演技を終えた時は、今まであまり本番で馬を動かしていなかった割にはできたと感じた。しかし細かいところができていなくて雑になってしまっていた。結果を聞いて良い点数が取れなかったことがわかって今回の課題が見えた。OBの方々にもアドバイスをいただいたので11月の全日本に向けて調整していきたい。馬の状態は良いけど、自分の力不足で良い演技ができなかった。馬自身は元気なので自分の技量不足としか言えない。馬とはコンビを組んで1年くらい。いつもかわいがっている。相手は生き物なので日頃からコミュニケーションをとって信頼関係を深めていけたら良いと思う。自分はまだまだ。演技の難易度は高かったと感じた。ノーミスの演技をしようと思っていて、大きな失敗もしなかったけど大して見せ場も無かった。規定の演技をするだけでなく、見せ場をつくらなきゃいけないと思った。全体的なバランスを重視して、キレの良い演技をするなど馬の得意なところを伸ばしたい。チームの雰囲気は良いと思う。上級生を中心にメリハリをつくってやっていけている。馬不足や選手不足はあるが、今できる中で最善を尽くしたい。自分は障害競技などは後輩に任せきりだが、馬場馬術ではレギュラーで出させていただいているので、上級生の意地を見せて引っ張っていきたい。せめて馬場馬術では部に貢献したい」

中村
「手ごたえ的にはもっと点数低いと思った。ミスが多かったので。審判の点数見たら学生のジャッジをしてる人たちはいつもより点数ついてなくて、初めて見た人たちは点数ついてて、普段見てる人たちは今回はダメって分かったからそうなった。逆に今回初めて見た人はこれがベースって思ったから点数がついた。普段見てる人が点数をつけてくれるような演技をしなければいけなかった。本番は全学なので、そこを取るためにどんな審判なのか、とか考えることも大事だと思った。全日本でしたけど、これにかけてやっていたわけではないので。全学の10月末までに、環境変わったときにどうなるかっていう練習の舞台だと思っていた。欲を言えばミスがなければあと数パー変わったと思うので、そこは臨機応変にできなかった。(ミスとは)難しいから言葉にはできない。本番って100%練習の成果を出すことはできない。だから本番前に120%にしてあげなきゃいけない。それができてあげられなかった」