
団体インカレベスト4 グランドスラム夢と散る/全日本大学総合選手権・団体の部
連覇を目指す明大にとって準決勝敗退はまさかの結果だった。1番手を任されたのは丹羽。今大会大事な試合を任されたものの、丹羽にしては主導権を握ることのできない試合が見られていた。相手の大島とは同じ世界卓球選手権代表で、これまでにも何度も対戦したことのある相手。「ナショナルチームの選手はほぼ五分五分なので勝敗は調子に左右される」と丹羽。左右に振る攻撃を中心に仕掛けるも調子の悪さからか思う通りのところに入らず、最後は大島の正確なプレーに押し切られた。「僕が勝たなきゃいけない状況だった」とチーム戦で大切な1番手で出ばなをくじかれ、そのまま勝敗につながってしまったことを悔やんだ。
2番手は前日1番手の丹羽が敗戦した後に勝利し流れを変えた有延だ。「僕が負けたら0―2になってしまうので絶対に負けられない」と執念を見せた。「決め球をフォアで行こうと考えた」と力強いフォアハンドが試合の要所でさえ、試合を振り出しに戻した。
ダブルスは森薗・渡辺組。前日から丹羽・町組に代わって出場したが、立ち上がり連携がうまくいかずスキを見せた。勝てば決勝進出に王手がかかる試合だったが、序盤の勢いそのままに攻められて試合を落とした。
ダブルスで敗れた森薗だったが、もう一つも落とせない試合となったシングルスで真価を見せる。コートの端から端まで使う抜群のコントロールで相手を寄せ付けず、決勝戦への切符を町に託した。
最後を託された町は壮絶なゲームを繰り広げた。1ゲーム目を6-11で落とし迎えた2ゲーム目は実に6度ジュースになる大接戦。途中までリードするなど勝機はあったが決め切れず落とし、3ゲーム目もジュースが続き1度はゲームポイントを握るもこれを生かすことができず痛いストレート負けとなった。決勝への道が途切れた瞬間、町は悔しさをにじませた。
「インカレは一番勝ちづらい」と髙山幸信監督は振り返る。主軸として考えられていた丹羽、町2人の不調について髙山監督は「丹羽、町とダブルスで勝負できるところを落とした」と誤算を口にした。ユニバーシアードでの連戦明けということもあり疲労がたまっていた町。町に限らず明大は国際大会に出場する選手が多い分、調整やチームでの練習に参加することが難しい。その選手たちが今後どうやって立ち直るかが今後の課題となる。
[木村亮]
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