PK戦の末国士大に敗れ、天皇杯出場権逃す/東京都トーナメント

2015.07.19
PK戦の末国士大に敗れ、天皇杯出場権逃す/東京都トーナメント

 8月から始まる天皇杯に出場できるかを決める東京都トーナメントの1回戦が行われた。相手は前期リーグ戦で首位の国士大。前半は徐々に明大がペースをつかみ32分に小谷光毅(政経4=ガンバ大阪ユース)が先制点を獲得した。しかし後半開始直後に同点に追い付かれてしまう。国士大が優勢になるが、延長戦でも得点は変わらずPK戦へ。結果は3-4で惜敗。2年連続での天皇杯出場を逃すことになった。

 つかめなかったあと1点。天皇杯出場と今大会優勝によるタイトル獲得のために負けられない試合だった。敗因は決定力不足だ。延長戦までもつれ込んだが、総得点数は1点。何度も決定機を作りチームもうまく連動し内容は良かった。後半では和泉竜司主将(政経4=市立船橋)を投入、3バックにするなど攻撃面を強化し、失点後もうまく立て直したがゴールはできず。対する国士大は1本のボールをきっちり決める力があった。一度は防いだものの、こぼれ球にDFが見合ってしまいスキが生まれ、走り込んできた選手に決められてしまった。PKによる敗退ではあるが「力のなさを感じる」(和泉)「差があった」(服部一輝・法3=札幌大谷)とチーム全体が力不足を実感。天皇杯出場権を逃し、アミノバイタルカップ以来負けなしの明大にとってこの敗退は重く選手に突き刺さった。

 内容は決して悪くなかった。前半は雨が降っておりピッチがスリッピーだったが、明大はそれをうまく利用しボールをスピーディーに動かしていた。そして前半32分、小谷と道渕諒平(農3=ベガルタ仙台ユース)がペナルティーエリア付近で粘り、道渕がDFを引き付けたことで生まれたスキに、小谷の豪快なシュートがゴール右上を貫く。鮮やかな先制点を挙げた小谷は「感覚で打った」と語り抜群のセンスを見せた。
また守備では明大は高い位置からのプレスが持ち味だが、国士大が前に早く展開したため、うまく働かなかった。しかしそれに応じてしっかり下がって相手をペナルティーエリアに入れさせないようにするなど高い守備力と戦術の共通理解を有していたDF陣。持ち前の堅守を見せつけた。

 運命のPK戦の末、東京都トーナメントは初戦敗退となる。だが幸いにも次の大会である総理大臣杯まで約1カ月ある。この期間はかねてからの課題であった決定力を高めることがカギとなる。また「悔しさをぶつけて、優勝したい」(藤本佳希・文4=済美)といかにこの悔しさを忘れずに総理大臣杯に挑めるかも重要になってくる。今の4年生は日本一の経験がなく、残すチャンスは総理大臣杯とインカレのみ。次こそは日本一の夢をつかみ取る。

[渡邊弘基]

試合後のコメント
和泉
「本当自分たちがユニバーシアードで抜けていてからの一発目で、本当にみんな気持ちのこもったプレーだったりがあったけど、自分だったりが何も出来なかった。僕のせいかなという試合ですね。あと1点というのを求められて、多少は痛みが自分にあっても出されたと思うし、僕自身もそこだけをこだわって自分ができる最善のことをしようと考えたけど結果的に出せなかった。本当に悔しい思いもあるし、みんなに申し訳ないと思う。失点よりも1点取れなかったことの方が悔しいし、負けたのはそこかなと思う。みんなまとまっていたし、内容としてもよかった。あとは自分たちがもっと違いを見せたり、結果を出せ
ていれば勝てたと思うので申し訳ない。痛いところは正直あるけど、言い訳にすることにはできないので。結果的に自分が1点取れば勝っていたし。何も出来なかったところに力のなさを感じる」

藤本
「久しぶりの公式戦というのもあって、ユニバ組が帰ってきた直後でもあったけど、自分たちのやることははっきりできて良いゲームできていた。やっぱり90分プラス20分で1-1というのは攻撃陣の責任でもあると思うし、そこで勝ち切れなくてそれが全てかなと思う。守備は前々頑張っていて、1点はやらてたけど、自分自身に決めるチャンスがあったので全体としてゴールに対する意識や前に出ていく力が必要だったと思う。1点じゃこういうこともあり得ちゃうので、2点3点取れるチームにしないといけないのかなと思う。チャンスはつくれていたし、決して悪くないけど、トーナメントなので勝つか負けるか。別にPKでも勝てば良かったけど、自分が外して負けたのが事実なので。アミノから継続して積み上げてやってきて、すごくいいゲームだったけど、‘だった’で終わってしまうので。結果が全てなのかなと思う。負けたので内容の話はしてもしょうがないし、下を向いていても仕方がないと分かっているので総理大臣杯には出れるわけなので、そこにこの悔しさをぶつけて、優勝したい」

小谷
「(今大会へはどういった意気込みで臨んだか)取れるタイトルは全部取ろうと言っていた中で今日勝てなかったということは力が足りなかったということ。もう一回そこを見つめ直して、大臣杯優勝できるように準備していきたいと思う。4年生で特にこれっていう話はしていない。常々試合に向けては週に1回話し合っているので。(ユニバーシアードで抜けているメンバーもいたが)ユニバ組が抜けても、そして帰ってきても同じサッカーができるように練習をしている。そこに関しては誰がいても、誰がいなくてもみんなの意識は一緒だと思う。(今日のゲームは)雨でピッチが多少スリッピーだったが、ボールが動いた方が自分たちのつなぎも出せる。前半1-0で勝っている中で、後半の戦い方。早い時間帯で同点にされてしまったら相手も勢い付いてしまうし、追加点を取れなかったところが良くなかったと思う。(ゴールシーンは)諒平(道渕)からボールを受けて、諒平がうまく回って敵を引き付けてくれたので、その瞬間は逃さずに前を向いて。打った瞬間は見えていなかったが感覚で打ったら入ってくれたので良かった。(大臣杯に向けては)大まかには変わらないし、今まで積み重ねてきたことの質や連携、ゴール前での厳しさを高めれば大臣杯は取れると思う」

小出
「(今日のゲームは)ユニバ組が抜けている中であまりチームで合わせる時間がなかったので、うまくいかなくても割り切ってやろうという話はしていた。守備陣ではルーズボールに足だけでなくしっかりと体でいこうという決まりごとを設けていて、ボールに足だけでいって後ろに反らすという場面はなかったので、その部分はよくできていたと思う。PK戦にもつれ込むのは自分たちとしては想定内で、失点後はとにかく0で抑えるという意識を持っていた。でもPKまでいっても勝たないといけないゲームだった。(失点シーンは)一度シュートブロックをしたが、その後のこぼれ球に寄せ切ることができなかった。その後の立て直しという部分では悪くなかったと思う」

服部
「(試合を振り返って)ボールを持っている中で相手の守備をうまくかわしていっていたけど、それをしっかり決め切れなかったのと、守備の部分では相手の1本のシュートで1失点したのが今日負けた原因だと思う。(失点後はどのような守備を)1失点したとしてもブレないでやろうというのが皆の共通理解だったから、(気持ちが)落ちないように周りにしっかり促してやってきたしっかりやろうって意思を合わせました。(前期リーグ1位通過の国士大との試合はどうだったか)明大が勝つ流れではあったのだけど、やっぱり相手のFWはしっかり1本で決めてくるので差があったのだと思う。(アミノからはスパンが空いたがその間はどのように取り組んできたか)夏に向けて決定力を上げることと守備でもしっかり下がらず前からプレスに行って、ハマらなかったとしてもしっかり下がってペナルティーエリアに入れさせなくして、またシュートを打たせないようにすることをこだわってやっていた。しかし1本を決められてしまうなど甘さがあったので改善していきたい。(ユニバ帰りの選手と試合をすることになって)3年間ずっと一緒にやってきているので、特に戸惑うことはなくうまくやれた」