ルーキー対談(3)兄に憧れ背中を追った2人の二世 大嶋元気×松尾衛

2015.07.08
 新たな歴史をつくる。創部93年の歴史を誇る明大ホッケー部はインカレ優勝12回の実績を持つ古豪である。1987年以降全国大会での優勝から遠ざかっているが、今春22季ぶりの関東制覇を果たし古豪復活の兆しを見せた。次なる目標は1つ。創部初の王座優勝だ。本特集は挑戦を続けるホッケー部の活動に迫っていく。

 今年も才能豊かなルーキーたちが加入した。すでに多くの選手たちが出場機会をつかみ、チームに貢献し始めている。今回は全3回に渡り、ルーキー対談をお届けする。第3回は兄の背中を追って明大に入学した2人。現主将である大嶋雄飛(文4=今市)を兄に持つ大嶋元気(法1=今市)とU21代表歴を持つ松尾賢治(平25政経卒)の弟・松尾衛(法1=岐阜総合学園)の対談です。

――ホッケーを始めたきっかけを教えてください
松尾
「お兄ちゃんがホッケーやってたからです」
大嶋元「僕もです。小学校4年生のときです。小学校のクラブチームでやりました。お兄ちゃんが全国優勝したっていうのが一番大きかった」
松尾「僕は高校入学してからです。地元が高校からしかなくて。お兄ちゃんのプレーがなんもホッケー知らなかったときから見ていてすごいなというか、ホッケーおもしろいなと思ったからです」

――お兄さんとの仲はどうですか
大嶋元
「仲はそんな悪くないと思います。弟よりは。普通の家族よりは仲いいと思いますよ」
松尾「めっちゃ仲いいっす!兄弟愛が」
大嶋元「半端ないな」
松尾「デキてるんで」
大嶋元「普通にご飯食べに行ってるもんな」
松尾「今日も誘われたんですけど今日は用事があっていけなかったです。ホッケーのこととか話します。可愛がってもらってるって感じですね。兄弟の割には」
大嶋元「僕は高校のときは代かぶらなかったので今年初めてかぶってどういう立場で接すればいいのかというのは最初悩みました。とりあえず先輩は先輩だというところで区切りをつけましたけど」
松尾「僕は結構歳が離れているのでアドバイスくれたりだとかお父さん的な感じでプレーのアドバイスしてくれたりします。代がかぶらなくて良かったですね。大学でかぶらなかったからこそやさしく接してくれます」
大嶋元「高校のとき3年間いなかったので来た当初は高校の話してました。自分、思ったことは言っちゃうタイプで、こっち来てからは例えば練習思ったこととかもこういう練習した方がいいとかこういう動きを取り入れたほうがいいんじゃないかみたいな話はしますね。キャプテンだからこそ絡んでいけてます」

――今年の新入生はU18代表が多いですが大学入学前に意識してやったことはありますか
松尾
「体重を増やしたんですけど、こっちきてからトレーニングしたら痩せました。またちょっと増やしてます。肉体改造中です。まず体をつくるところからやろうと、大学生みんな体大きいので。小さいと負けるかなと思って。今65kgです」
大嶋元「ガリガリやな」
松尾「高校が60kgで入るときには68kgになりました」
大嶋元「それただでぶっただけでしょ」
松尾「ウエイトプラス食った、まじで」
大嶋元「僕は地元のリーベ(LIEBE栃木)っていう日本リーグ出てるチームでずっと練習参加させてもらっていて他のみんながやってないときも僕はやってたのでブランクはないです。今はブランク完璧空いちゃったんですけど」(大嶋は現在負傷中)

――明大を選んだ理由を教えてください
松尾
「お兄ちゃんしかないです。ホッケー終わってから明治大学卒業っていうのはかなり大きいことだし、勉強もスポーツも両方頑張りたいなという気持ちもあったけど」
大嶋元「僕は最初2年生のときに早稲田の監督さんからうち来てみないかって言われたんですけどもともと明治に来る気満々で、そこで見てもらえてるなっていうのはわかったのでその次の3年生の選別で声掛けてもらいました。お兄ちゃんが大学に来てからは僕が部活休みの時とかは松尾さんの時とか明治の試合を見に行っててプレースタイル的にもFWの使われ方にしてもすごい印象深いというかこういうチームでプレーしたら楽しいだろうなとか自分のプレースタイルに合ってるんじゃないかなと思いました。高校の時ほんと松尾さんに憧れてて松尾さんのドリブルのやり方を参考にしながらとかやってました。お前じゃないからな」
松尾「わかってるよ(笑)」

――明大はどういうチームですか
松尾
「パスで崩すホッケーですね。高校は人に頼りっぱなしのホッケーでした。大学ホッケーはパスが多いですね。ドリブルで仕掛けるっていうのが僕の高校では多かったんですけど、大学入ってから違うなっていうのは気付きました」
大嶋元「僕は観てたので変わらないなというか、こういうホッケーのスタイル好きだなと思いました。高校の時にそういうホッケーに憧れてたので練習にプラスしたりしてました。でも高校より大学の方が自分で持って上がるっていうのが少ないと思うので、ボールを動かしてっていうホッケーはおもしろいですね」

――今のポジションを選んだ理由はなんですか
松尾
「高校時代ずっとFWで、MFもちょっとやったんですけどFWの方が向いてるかなって。サイドをえぐるようなプレーが高校時代すごい得意で。大学に入ってまだちょっとできてないですけど、今後は自分の長所を出していきたいです」
大嶋元「小学校からほぼFW。まあ小学校のときは6人制だったので真ん中のポジションをやってたときはあったんですけどディフェンシブなプレーよりはアタッキングなプレーが好きっていうのはありますね」

――松尾選手のプレースタイル、武器は
大嶋
「松尾はたっぱがあるのでそのぶんリーチが大きい。それをうまく使えてないというのが今の現状だと思います」
松尾「最近ずっと伸び悩んでますね。使い方が間違ってる」

――大嶋選手のプレースタイルは
松尾
「最初のちょっとしか見てないからわかんない」
大嶋元「ケガしたのは3月ですね。それなりに点取ってましたよ。それなりに。自分自身ではサークルの中で仕事できるFWっていうのを目指してやってます。シュート決めるのももちろんですけどアシストも重要。アシストして点が入ればチームとしてプラスになる。自分がプラスになるよりはチームがプラスになって最終的にチームが勝てれば自分が得点決めた試合じゃなくてもアシストであれ自分がプレス行ったから決められたとか。勝てればそれでいいです」

――大学生活はどうですか
松尾
「楽しいです。僕は楽しいです。人それぞれみたいですけど僕は楽しいです。友達とかできるとめっちゃ楽しいじゃないですか。オフの日、誰かと遊ぶ約束したりだとか、寮で過ごすこともありますけどその日の気分ですね」
大嶋元「普通?でも高校の方が楽しかった感はありますね。やっぱり高校の方がクラス単位での活動が多いと思うんですけど大学に入ると体育会ってこともあってクラスでっていうのがあまりなくて。いろんな人と関われるのはすごいいいですけどもっとつながりが深い方が楽しいのかなと思います。でも大学自体はすごい楽しいです」

――お互いの印象は
大嶋元
「しゃべらなければイケメン、静止画イケメンですね」
松尾「全部出席する真面目男」
大嶋元「自分ほんとに真面目だと思います。大学入って真面目になった」
松尾「大事なことですよね、授業出るのは」
大嶋元「これでなー、できればいいんだけどな。真面目に出席したのにできないとかマジ笑えない」

――同期はどうですか
松尾
「仲いいっすよ。みんなで寮食食べたりとかしてますし」
大嶋元「寮は全員違う部屋ですけど監督室で映画見たりとかしますね」
松尾「あと授業終わって時間あったら自主練しにグラウンド行ったりとか筋トレするやつはするし、みんな向上心があって僕はうれしいですね。高校の時はそういう仲間がいなかったので。一緒に練習しようとか、みんな意識高いんだなって大学入って思いますね」

――将来の夢はなんですか
松尾
「そりゃ東京オリンピックに出場することです」
大嶋元「お前ふざけてるだろ」
松尾「2020年東京オリンピックに出場することです。ホッケー出れるかわからないですけど。18外れたときはすごい悔しかったですね」
大嶋元「そっかお前16を受けてないからな。18の選考会では同じチームだったな」
松尾「18初めて受けてめっちゃ悔しかったので。今後21を受けます。頑張って」
大嶋元「僕は地元に帰って地元で就職してリーベでやりたいです。オリンピック出たいは出たいですけど自分の今の実力では厳しいのはわかっているので」

――地元の環境はどうですか
大嶋元
「老若男女できるっていうのはすごいいい環境が整ってるしリーベでも小中学校の指導があったりしていろんな人がかかわれる環境でした」
松尾「岐阜はですね。岐阜に帰ってホッケーやらないやつは裏切り者って感じです。岐阜で就職した場合は岐阜にあるクラブチームに入れられると思うんですけどまだ考えてないですね」

――憧れや目標とする人はいますか
松尾
「お兄ちゃんはやっぱり勉強になりますね。見てるとやっぱ見習うべきところがあります。単純に一対一の強さとか決定力高いとかキープだとかFWとして必要なスキルを見習っていきたいです」
大嶋元「別にいないです。自分で精いっぱいです。目標とかそういうのはつくらない。目標をつくっても自分のプレースタイルとかと全部合っているわけではないから」

――趣味を教えてください
大嶋元
「最近読書にはまってて、今まで読んだことなかったのに読書楽しいなって思ってきました。小説とか新書とかいろんなの読みます。この前読んででおもしろかったのは又吉の『火花』ですね。この前買って読んだんですけどすごいおもしろかったです。月3、4とか読みます。今まで1冊も読んでなかったのに。おもしろいですよ本当に」
松尾「趣味、なんだろうな」
大嶋元「旅?」
松尾「旅?旅なんていかないよ俺。なんだろうな、友達と会ってしゃべったりすることですかね」
大嶋元「それ趣味なの?」
松尾「うーん、でもしゃべってるときが一番楽しいですかね。体育会の友達とかはスポーツは違ってても話が合うので。ラグビー部とかハンドボールとか、寮で会って仲良くなった子もいますしその友達の友達とか」

――ホッケー以外にやっていたスポーツはありますか
大嶋元
「アイスホッケーはやってましたね。小学校6年間と高校3年生の時にやってました。僕はたっぱがないので、アイスホッケーってフィジカルスポーツじゃないですか、やっぱそうなると厳しいのかなって。スケート自体は3歳からやってたので好きですけどね」
松尾「僕は野球を小学校のときにやってて中学校でバレーボールです。あ、空手もやってました。ホッケーが一番楽しいですね。もちろん。サッカーも好きなんですけど」
大嶋元「サッカーは俺の方が好きだな」
松尾「いや俺の方が好きかもしれない。ホッケーはなによりもスピード感がありますね。はやい速度で長く走る。走るのは好きじゃないけど僕はサッカーよりも見てて面白いと思いますね。アイスホッケーは縁がなかったですね」
大嶋元「アイスホッケーくそはええよ。春の早明戦は見に行きました。最後おもしろかったですね。小学校の時に一緒にやってた友達とかが東洋とかいろんな大学に行ってたりして、日大の友達とはよく遊びに行ったりもしてます。そういうやつらの試合観たりするのはおもしろいです」

――大学での目標を教えてください
松尾
「なんでもできるFWになりたいです。パス、ドリブル、一対一、ディフェンスも含めてスキがないプレーヤーになりたいですね」
大嶋元「近い目標は、治るのが1か月後だと仮定して秋には爆発する予定です。秋にFWの中で一番点取る意識はあります。アシストもできるFWがいいです。アシストもかっこいいと思います」

――最後にここを見てほしいというところを教えてください
松尾
「僕は肉体改造をするので見た目から変わるところとプレーの力強さとかフィジカル的要素をみてほしいです。当たり負けしないボールもらったら叩かれても押されても取られないプレーヤーに1年生のうちになれるように頑張りたいです」
大嶋元「僕は秋は爆発します、本当に。今までの分を晴らすかのようなプレーをしたいと思います。秋は僕に注目してください」

――活躍を期待しています。ありがとうございました。

◆大嶋元気(おおしま・げんき) 法1 今市高 167㎝・55kg 
3人兄弟の真ん中 ポジションはFW 背番号は21
◆松尾衛(まつお・まもる) 法1 岐阜総合学園高 177㎝・63kg
 3人兄弟の末っ子 ポジションはFW 背番号は22