2人が表彰台へ 悔しさ残る団体戦5位/東日本大学対抗選手権
◆7・4~5 第43回東日本大学対抗選手権(埼玉県上尾市スポーツ総合センター)
▼56kg級
5位 佐藤彰
記録なし 後藤
▼62kg級
3位 中野景
4位 美島
▼69kg級
5位 小川
▼94kg級
2位 西岡
▼105級
5位 山本
▼+105級
4位 上野
▼団体
5位 明大
同じく56㎏級に出場した佐藤彰はスナッチ93㎏、ジャーク115㎏のトータル208㎏で5位となった。スナッチでは出だしの1本目から「キャッチの時に尻が落ちてしまった」と支えきれず失敗。2本目を成功させたが、記録は93㎏にとどまった。続くジャークでも2本目、3本目で挑んだ119㎏ではどちらもクリーンで立つことができず「パワー不足」を課題に挙げた。練習から中田健太郎(平26政経卒)に見てもらい、試合前にはスクワット中心の練習を行ったが成果はまだ見られなかった。今年度に入り好調を保っていた佐藤彰だったが、今回はスナッチ、ジャークともに成功したのは1本と、前半の締めくくりとしては苦い結果に落胆の表情を見せた。それでも全日本インカレへ向け「成功率を重視したい」と再スタートを切る。
62㎏級には美島亮(政経3=名城大附)、中野景が出場した。美島、中野景ともにスナッチ105㎏、ジャーク125㎏を挙げトータル230㎏。体重差により中野景が3位、美島が4位という結果となった。部内での激しい競争を示すように2人で表彰台を争う展開となったが、どちらにも悔いが残った。
中野景は初の団体戦出場で表彰台に上がる好成績を残した。「初めてメンバーに選ばれて得点を取れたことはうれしい」と笑顔を見せるも自信のあるスナッチで1本目を失敗したことを悔やむ。スタート重量の104㎏は練習で取れていたものの「緊張が抜けていなかった」ことで予想外の展開となった。あえなく得意のスナッチでベストより6㎏下という結果に。この2週間ほど調子もまずまずだっただけに、減量してからジャークの記録が落ちる中でのスナッチの出遅れが響いた。成功率も6本中3本と目標としていた5本以上には届かなかった。3位につけたが「今の実力通りだと早大のライバルである2人に次勝てない」と今大会で感じた中野景。「ジャーク130㎏は楽に立てるように」と苦手なジャークの記録を伸ばし「トータル240㎏を取れるようにして食らいついていきたい」と次戦に向けて意気込んだ。
最後のジャーク3本目、132㎏を落とした美島は頭を抱えてプラット上で悔しさをあらわにした。これを挙げ切っていればトータル237㎏で表彰台に上がれていただけに「最後だけだったから本当に悔しい」と試合後もしきりに「悔しい」を繰り返した。5月の全日本個人選手権ではジャークの調子が良く133㎏、大会までの練習では135㎏まで刺しかけていたため「132㎏が刺せないのは予想外だった」と試合後は1人でぼうぜん。今大会ではスナッチ新となる105㎏を挙げたこともあり、悔しすぎるジャークの失敗となった。「まだ東でよかったのかなと思う。インカレでは絶対に取る」と気持ちは今年度の集大成となる全日本インカレに向いた。永原祐志(法3=熊本西)、美島、中野景の3人で団体戦のメンバーを争う62㎏級は部内一の競争率と言っても過言ではない。それでも「競争は激しいけど絶対に負けません」とニヤリ。「また出直し」と語る美島の成長が楽しみだ。
69㎏級には小川翔太(政経4=能代工)が出場。「調子は悪いが最低でも260」と目標に置き試技に臨みスナッチ115㎏、クリーン&ジャーク145㎏のトータル260㎏と、自身が定めた最低目標に達した。試技の前にはシャドーを繰り返し、制限時間の直前までフォームを確認するなど「調子が悪いぶん普段より集中したかった」と工夫を見せた。しかし結果はあくまでも最低ライン。「まだまだ練習から甘い」と表情は険しい。小川が課題として掲げるのは「調整」。体重や筋肉量、ケガなどウエイトリフティングには調整が重要だが、「大事な時に万全の調子を持っていけていない」という。「全日本インカレで力を発揮できるように」と課題の克服を誓う小川にインカレ好成績の期待が懸かる。
ライバルは射程圏内だ。94㎏級で圧倒的な強さを見せる赤松(法大)。4月の選抜大会では30㎏もの差をつけられていた。それでも今大会はスナッチ終了時点で2㎏差、トータルでは9㎏にまで詰め寄った。「前はどう考えても届かないと思っていたけど、今は見えてきた」と自信ありげに語る西岡。インカレこそ表彰台の中央を狙う。
105㎏級に出場したのは山本琢人(政経3=熊本西)。前大会まで94㎏級に出場していた山本は今大会に向け、1日4食で朝は魚、昼と夜は肉中心の食事で増量を成し遂げたという。初めての105㎏級ではスナッチは124㎏、クリーン&ジャークは3本ともに成功し160㎏と5位。「結果を残せたとはいえないが、調子は良かった」と振り返る。クリーン&ジャークを3本とも難なく成功させたところに「西岡先輩との練習で足腰を鍛えた」成果が少しずつ表れているようだ。今回の試技を80点とした一方、反省点と課題も明確にしている。「スピードがない」。スピードは高校時代から弱点としているが、体重を増やした影響もあり、克服には時間を要する。「明日からまた練習あるのみ」と意気込む山本の目には次なる目標、国体が映る。「インカレに焦点を合わせているが、まず国体が大事な通過点。いつまでもかっこ悪いところを見せられない」と、3年生として責任感も強くなってきている。今後の活躍に注目だ。
最後の階級の+105㎏級では上野祐脩(政経2=東京学園)が出場。スナッチ130㎏、クリーン&ジャーク170㎏をクリアして4位に。「団体戦として最低限の仕事はできたが、内容は最悪」と重い口調で振り返った。クリーン&ジャークでの成功は1本目のみ。クリーンまでは安定感を見せるも、ジャークで上半身の筋力の弱さを嘆いた。今後に残す課題は多い。苦手とするスナッチのフォーム修正、上半身の筋力アップなど「バランスよく取り組む必要がある」と上野。インカレに出場して点数を取れる選手になること、国体に出場することの二つを目標にしている上野は「今年中にジャークで190㎏」と具体的な数字を語った。ここのところ不調が続いていたが「やっと復調の兆しが見えた」。依然として本調子には戻らないが、目標と課題をはっきりさせることができた今大会の収穫は大きいといえる。全日本インカレに向け次なる成長を誓った。
今大会、表彰台に上がった選手は2人。団体では4位の日体大の103点にあと1点と迫る102点を獲得し、5位につけた明大。1本目を落とすことで苦しい展開になるなど、成功率の悪さが目立った。西岡は「意識からつくり直さないと」と納得がいかない表情を見せる。ケガや体重の増減量に苦しむ選手も多いが、下をばかり向いていられない。「最終的な目標は全日本インカレ」とする明大勢。今大会で浮き彫りになった課題を克服し、大きく成長した明大勢のさらなる好成績に期待したい。
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