シングルス、ダブルスともにベスト16の成績を残す/東日本学生選手権

2015.07.03
 確かな成長を感じた。大学対抗戦後、3日間にわたって行われたシングルス、ダブルスの個人戦。上位進出を目指していた明大からは、シングルスで坪井雄太(商2=熊本工)がベスト16、土田章代主将(4=昭和学院)がベスト32とチーム最高成績を残した。男子のダブルスでは立木雅也(農1=中京)・川平祐也(農3=那覇西)が準々決勝をファイナルで落とし惜しくもベスト16に留まるも、他4ペアがベスト32に食い込むなど、関東大会とは違った戦いぶりを見せた。

<シングルス>

 「昔よりはうまくなったかな」。坪井は試合後笑顔で語った。試合では「攻めのボールを厳しくいくことはかなり意識していた」と相手の足を止めるほどの鋭いコースをつく強烈なフォアが次々に繰り出されると、順調にベスト16へ駒を進めた。ベスト8を懸けた試合では日体大の吉沢と対戦。「しっかり振り切ろう」と1ゲーム目のサーブから厳しい攻めの姿勢を崩さなかった。完璧なコースを打ち抜くサービスエースを含んだ4連続ポイントでゲーム先取。格上相手に1ポイントも与えない、上々な滑り出しを見せる。しかし2ゲーム目以降は相手の粘りを前に苦しい戦いが続く。得意だというレシーブゲームでもラインいっぱいのショットを見せたが、相手が一枚上手だった。結果、2─4で敗れベスト8進出とはならなかった。

 明大入部から2年。「大学の試合はみんなレベルが高いので、その中で試合をしていくうちにやり方を覚えていった」と自身も成長を感じている。シングルスでも同じ大学の舞台で戦う今田(日体大)や名取(早大)のプレーを参考にした。攻める技術は一級品だが課題は「相手より先に一つのプレーの集中力が切れてしまう」こと。最後まで最大限の力を出せるように体力面の強化を目指す。団体戦メンバーの後衛に寺下洸平主将(農4=小松市立)、立木、丸岡俊介(政経1=尽誠学園)ら強力なメンバーがそろう中で、虎視眈々と機を狙っていく。 

★ついに実現 土田姉妹対決★

 最初で最後の姉妹対決となった。東日本シングルス選手権の3回戦、土田章代主将(商4=昭和学院)と妹の土田彩加(昭和女短大)が対戦。同じ昭和学院でともに戦った仲間でもある妹と公式戦で対戦したのはこれが「初めて」(土田章)だという。普段は「仲が良い」(土田章)2人だが、試合になると和やかな雰囲気は一変。セットを奪い合う激しい攻防が続き試合はファイナルゲームへ。サーブの調子が悪く2ポイントを落とすも「自分がレシーブの時は絶対取れる自信はあった」(土田章)とチャンスをつかみ最終的に7―4でゲームを制し、会場に来ていた母親も見守る中で姉の意地を見せることができた。試合終了後にはどちらともなく抱擁を交わし「楽しかった」と声を掛けあった。

<ダブルス>
 立木・川平ペアが唯一2日目に残るも、ベスト16に終わった。1日目、ヤマ場となった順天大との対戦では「チャレンジャーの気持ちで乗り切った」(立木)と強気で挑み快勝。7ペアが出場した明大勢の中で2日目にまで残ったのはこのペアのみ。さらに上位に食い込むことが期待されたが中大のルーキーペア相手にファイナルで敗れた。
 先にマッチポイントを握ったのは明大だった。中大のスーパールーキー、掛川・阿部ペアとのベスト8を掛けた戦いで迎えたファイナルゲーム。この日は悪天候で「できるだけラリー戦にもっていかないように、レシーブで何かして次に1本で決める攻撃スタイル」(川平)が要求された中で、川平がレシーブで相手を前後に振りその後ボレーで取る。場面が目立った。しかし、6―5の大事な場面そこでは「びびってしまって簡単なボールを返した」と甘いレシーブをしたことで相手から打ち込まれ立木がたまらずショットをアウト。立木もそのまま「ボール1個の部分で不安があった」と思い切った球を打てずに最後は再び立木のアウトで6―8となり試合は終了。あと一歩のところで上位入賞を逃した。

 それでも、春の関東選手権から一つ順位を伸ばした。立木が入学してから組んだペアではあるが、数か月経ってペアリングは上々。さらに立木は6月後半にチャイナカップの日本代表として選出され、日本の優勝に一役買った。海外のプロの選手と対戦することで「1ポイントの重みを感じた」と今後の躍進に役立つ経験を得た。立木・川平ペアはインカレへの出場権も手にしている。次こそ優勝を狙っていきたい。

[三浦亜優美・川合茉実]

<試合後のコメント>
川平
「(順天堂戦については)相手は相当強いんだろうなと思って入って立木が後ろからガンガン攻めてくれていたので、自分は甘いボールの処理とかをしっかりやってそれがきっちりできたことが勝因につながった。基本ベスト16を目標にしていて、ちょっと目標が低すぎてもうちょっと上を目標に置けば上に行けたのかなと思う。16で満足してしまった部分もある。雨の中なので結構ボールがふいてしまうのでなかなか攻めきれずに逆に相手に攻められてっていう形が多かった。雨の中のレシーブが今日はちょっと課題だったかなと思う。雨はそんなに得意じゃない。雨が降っているのでできるだけラリー戦にもっていかないようにして自分ができるだけレシーブで何かして次に1本で決めるっていう攻撃スタイルをしていこうかなと。(ファイナルは)お互い取って取られて接戦だった。その中でちょっと自分のミスが目立ったことが敗因につながったかなと思う。マッチポイント取って自分のレシーブを後衛前ロブにびびってしまって簡単なボールを返したのがもったいなかった。その時もうちょっと攻める場所があれば勝てたかなと思う。基本は立木がガンガン後ろから強いボールで攻めてくれるのでそのボールで後衛が苦しくなって逃げてきたボールを自分が抑えるというパターンが一番今はいいかなと思う。最初の方は全然噛みあってなかったが最近はかみ合ってきた。だんだん良くなっているのでこれをインカレにつなげたい。立木とは別々の部屋なのでそんな会うことはないが練習では顔を合わせている。(全体としては)もうちょっと残れるペアもいたかなと思う。またそれぞれ課題が見つかったのでまた練習内容が濃くなっていくかなと思うので特には気にしていない。これからみんなで盛り上げていく。インカレでは団体ベスト4以上を目指して、個人戦ではシングルスもダブルスもあるので、シングルスは初めて出るのでまず1回戦目から集中して勝っていきたい。ダブルスも過去の最高成績がベスト32なので16の壁を越えれるように頑張りたい」

坪井
「昔よりはうまくなったかなと。シングルスでこういう風に上位に進めたのは初めて。相手より先にミスをしない。チャンスボールがあったらしっかり攻めたいと思っていた。周りの人のプレーを参考にしたりしていた。日体大の今田さんとか名取さん(早大)とか。全然あんな風にうまくはないから。緩急をつけたり、コース打ち分けたり、サーブレシーブの精度だったりの部分。最後の試合は自分から先にミスが出てしまった。それまでの試合は場所が良かったというのもありますけど、なんとか相手より先にミスはしなかった。ファーストサーブを意識的していこうと思っていた。相手のバック側に集めたり、しっかり振り切ろうと思っていた。サーブよりレシーブの方が得意なので、セカンドサーブからは結構攻めていけたと思う。(サーブゲーム)ファーストの確率と、相手のレシーブに対しての次のボールの打ち分けが課題。体力面で負けていたかなという部分もある。後半足が動かなくなったりしたので、足腰の強化をしたいなと。相手より先に一つのプレーの集中力が切れてしまうので、もっと体力面でしっかりしたい。(入部して2年)ミスが少なくなったり、小細工だとか色々できるようになった。特に何かしたわけではないですけど、大学の試合はみんなレベルが高いので、その中で試合をしていくうちにやり方を覚えていったかなと。(やっていきたいこと)足腰の強化。チームとは別に、個人的に夜走りにいったりだとか、筋トレしたりだとか。あとは攻めるボールのコースをもっと厳しくしていきたい。今回も攻めのボールを厳しく行くことはかなり意識していた。前よりは意識したのでできた。相手の粘りは見習いたい」

立木
「1日目のヤマ場は順天堂の大将のペア。自分の大将でも団体戦で苦戦していたので自分が勝てるか不安だったがそこはチャレンジャーの気持ちで乗り切った。自分でミスしてもいいからと割り切れた時に力が抜けていたのと、サーブレシーブが安定してそこから崩れることがなかった。そこが良かった。(中大との試合は)相手がカットサーブで来ると思っていてそしたら一瞬で上からのファーストサーブになって、こういう風の中でやったのが久しぶりで雨も降っていたのでそこが不安要素になって攻めることができなかった。サーブはこういう天気の時は速いサーブが入らないがそれをカバーするくらい確率が良かった。(マッチポイントの時は)割り切って最後打っていこうと思っていたがボール1個がネットにかかってしまうとか細かいとこが気持ち的にどこか不安があったから決めきれなった。(相手もルーキーだったが)お互い団体戦の最初とかに起用されるものなのでこれからたくさんやるだろうしお互いやりずらかったと言う話もした。(川平とペアを組んで)2、3か月。話し合うところは分かってきたしそれでやることはやっているがまだ2人とも気持ちにブレがある。そこをどう2人でカバーするかが今後の課題。(東日本が終わって)自分が中国に行って試合をしていて疲れとか少し体に出てしまって自分の体調管理ってものがあんまりできてなかったのと、今回の大会に向けての切り替えができていなくて始めはそこで調子を落として迷惑をかけてしまった。これが今回の反省。チャイナカップっていう大会で団体で優勝した。年齢制限とかはなくて1人社会人で日本は学生中心だった。やっぱり日本と違うプレースタイルが多くて、そこで状況変化に対応していかないといけないなと思った。プロの方は1ポイントのこだわりがすごくて、あと1ポイントが取り切れなかった。そういうポイントの重みとかは感じることができた。自分は団体戦とダブルスと混合ダブルスとシングルス全部出た。シングルスがベスト4に入っただけ。選ばれたことが嬉しくてそこで満足してしまった部分はある。来年も出れるように頑張りたい」

土田
「妹とあたるって分かったときは、自分はシングルスも最後だしやりたいなと思っていた。向こうも短大なので最後。そこまでは頑張ろうとしていた。実習で実家に帰っていたのでずっと一緒にいて、あたるねって話はしていた。結構仲がいいので、妹が本気でやんないで遊びでやってくるかなと思っていたし周りもそんな感じだったが、いざ試合が始まったら向こうも本気なのが分かったのでこっちも本気でやろうと思った。お母さんも来てた。試合の前は頑張ってって感じで、試合中もセット取られたりしたら頑張れと言ってくれた。サーブが入らなくてずっとサーブゲームを取られていたが自分がレシーブの時は絶対取れる自信はあった。マッチポイントを取られてもそこは冷静にできた。中高ずっと同じだったので、私が流しが好きで向こうが引っ張りが好きでっていうのは分かっていた。ファイナル入ってからは半分意地。最後も負けたくなくてサーブは最初からカットサーブにしてこっちが先に攻められるようにした。(勝った後のハグの際には)向こうが頑張れ、楽しかったというのを言ってくれた。本気の勝負だからこそだった。公式戦であたったのは初めて。とりあえず妹とあたるまでは負けられないと思っていた。その前の2試合はファーストも入っていたし自分の好きなようにできた。妹との次の試合が早稲田で、やっぱり向こうは全然ミスもしないしこっちがいいボール打って決まったと思っても何とか帰ってくる。そこで体力勝負というか粘れなくてチャンスボールもミスしてたしファーストが入らなくて、でも向こうは良いサーブを入れてきて。最後の試合に関しては歯が立たなかった。(全体としては)東に向けてのシングルスの練習はしていなかったがその割には1年生も勝ってたし、練習してないのに強いと思った。でもみんなサーブが入ってなかったのでサービスゲームが課題」