(3)住吉茉莉、細田梨乃
昨年、日本代表に4人を送り込んだ水泳部。今年は世界選手権の代表こそ0に終わったが、ユニバーシアード代表には史上最多の8人が選出された。ここでは全3回にわたって、出場する選手の中から7名を紹介する。
住吉茉莉(情コミ4=成田)は自由形短距離で2大会連続の代表入り。今大会は50m自由形と400mリレーに出場する。
――現在の調子はいかがですか
自分が出るのは50mと100mのリレーだけなんですけど、スピードを上げるというよりは、今はなぜか持久力の強化をしています。
――どうして持久力の強化をしているのですか
多分インカレに合わせているのかなと思います。それでインカレに向けて重要となってくるのが、この時期の泳ぎ込みや持久力強化になってきます。でもスピードを出そうと思えば出せると思うので、50mだったら何とかなるんじゃないかと思います。
――どちらかと言うと、インカレを見据えながらということですね
もちろんユニバも調整はありますが、今の状況だとインカレを見据えながらのトレーニングになっています。
――二度目のユニバになります
前回は水泳人生の中で一番調子が良くて、100mは泳ぐたびにベストが出ていて楽しい試合でした。ユニバに出ている人たちの中で、一番レースをこなしたと思います。それでも疲れている中でしっかり力を発揮できたので、普段やっていることがしっかり出せて頑張っていて良かったなと思いました。
――ロシアのカザンで行われましたが、どういう舞台でしたか
前回の会場が今年の世界水泳の会場になるということで、再来年へのシュミレーションとなったり、今後へのモチベーションになりました。もう一度みんなでこのプールで泳ごうという雰囲気がありました。今回の韓国も2年後の世界水泳の会場になるらしいです。
――国際舞台の雰囲気はいかがですか
何もかもが違いました。周りから聞こえてくる声は英語で、みんな速そうでした。日本とは違い、ペースも乱されました。2年前は久しぶりの国際大会だったので戸惑った部分もありましたが、その中でベストを出すことができました。それは普段のトレーニングができていたということなので、普段からやっていればなれない舞台でも力を発揮することができると思っています。
――今大会の目標は
個人種目は50mだけなので、とりあえずベストを更新したいと思います。決勝ラインは私がベストを出しても全然残れないレベルなので、その中でどれだけ自分が食らいつけるか。ベストを出した上でどこまで戦えるかを確かめたいです。
――4月の日本選手権で2年ぶりにベストを更新されました
日本選手権に向けてスピード強化をしていて、それが身に付いた結果なのかなと思います。逆にスピードスピードとなってしまって、今度は100mが持たなくなったので、何とかしなきゃなという感じです。
――もともとは200mも泳いでいました
200m泳げなくなってしまって(笑)。今は大嫌いです(笑)。200は上手に泳げるときはすごく速いのですが、そうでないときは本当に遅いんですよ。ベストから2~3秒も遅くて。安定しない時の方が多かったので、だんだんトラウマになってきてレース前も嫌な気分になっていました。そういうのが積み重なって自分の気持ちが萎んでいったんだと思います。2年生ぐらいまでは上手に泳げていたんですけど。でもインカレで8継があるので、嫌とは言ってられないので頑張ります。
――短距離の方が向いているという実感はありますか
前と比べて全体的にスピードを出せるようになってきたという実感はあります。持久力はなくなったんですけど(笑)。50m、100mをメインにしていて、もともとは100mの方が得意だったんですけど、最近の日本の女子の自由形のレベルからすると、戦えるのは50mの方かなと今は思っています。
――競技人生も残り少ないです
インカレが終わって1週間後に国体があるので、そこで終わりかなと思っています。
――最後のインカレに懸ける思いは
明治の水泳部ができて、自分たちの代で初めてインカレのシードを獲ったり8継で優勝できたりと、4年間で濃いものが得られたと思っています。後輩にはちゃんとシードを残して、笑顔で引退したいです。
◆住吉茉莉(すみよし・まり) 情コミ4 成田高出 柏洋スイマーズ所属 自己ベストは25秒66(50m自由形)
100mバタフライを専門とする細田梨乃(情コミ2=湘南工大附)。4月の日本選手権では2位ながら、目標のタイムに届かず悔しい思いをした。ユニバーシアードで、5年ぶりのベストタイム更新なるか。
――今、ユニバーシアードのために練習していることはありますか
最近泳ぎに左右差が出てきたので、体幹の強化と、左右差を無くすことを中心に、陸のトレーニングを変えました。キックしていて傾いてるなとか、泳いでいてまっすぐ進まないなと感じるときが多くて。他の人よりも気付きやすいみたいで、そんなに曲がってなくても大きく曲がっていると感じてしまうみたいなのですが。
――海外での大会になりますが、印象などはいかがですか
普段日本でやっている大会は周りがどんなレースで来るか分かっているんですけど、海外の大会はみんながどんなレースパターンか分からないので、逆に自分のレースがやりやすいかなと思います。
――日本選手権では2位の成績を残しました
5年ベストが出ていないというのはありますが、おととしより去年、去年より今年とタイムは上がってきていて、表彰台には2年上がれているので、それは良かったかなと思っています。でも、やっぱりインターナショナルのタイムを2年連続0秒2もないくらいで切れていなかったりもするので、詰めが甘いところがあると感じています。
――自分の武器・持ち味はどこだと感じていますか
自分の武器は、フラットな泳ぎっていうのと、他の人より特徴的ではないと言われるところですかね。上に上がる人は、肩が上がる人もいれば、腕が強いっていう人もいますけど、私はあまり特徴がなくて、逆にそれがいいところだと思います。
――今感じている課題はありますか
スタートから15mは置いていかれはしないし、少し速いくらいじゃないかと思っているのですが、50mとかになると、結局タッチで1秒ないくらいですけど差をつけられてしまっているので、飛び込んだ勢いをそのまま泳ぎにつなげられるようにすることが今後の課題かなと思っています。
――理想のレース展開を教えてください
今まで強化してきた前半のスピードはだいぶできてきていると思うので、これまでの後半もちゃんと復活させて、後半に追い上げていくというか、後半もしっかり持つレースがしたいです。
――ユニバーシアードへの意気込みをお願いします
まずベストを更新することが、来年のリオ(五輪)を考えるのであれば一番大事なことになります。少しでも自信がつけられるレースをすることが目標です。
◆細田梨乃(ほそだ・りの) 情コミ2 湘南工大附高出 コナミ所属 自己ベストは58秒45(100mバタフライ)
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