中大に黒星喫す 男子はベスト4/東日本大学対抗競技大会

2015.06.30
 またしても強豪の壁を崩すことはできなかった。東日本のナンバーワンを決定する大学対抗競技大会が2日間にわたって行われ、準々決勝まで順調に駒を進めてきた明大は準決勝で強豪・中大と対峙した。先に3勝したチームの勝利となるせんめつ戦形式である今大会、1番手の立木雅也(農1=中京)・川平祐也(農3=那覇西)ペアが勝利するも、後続の寺下洸平主将(農4=小松市立)・伊藤健人(商3=東北)ペアが敗れてしまい、続く3番手も相手の流れを止めることができず試合を落とす。ゲームカウントは1-2になり、負けられない展開で立木・川平ペアが再び登場するも敗戦。1-3で中大の前に力負けとなった。

 一度掴んだはずの流れを逃がすと、取り戻すことはできなかった。ベスト4が出そろった中で迎えた大会2日目は、強豪校の一つである中大との準決勝。1番手の立木・川平ペアが5-2で初戦を取り、勢いそのままといきたいところだったが、続く2番手の寺下・伊藤ペアが3-5で敗戦。ジュースにもつれ込むも「相手に向かっていこうとは思っていたが、思った以上に体が動かなかった」(寺下)と粘り負けを喫した。大将を3番手に置いている中大相手に1、2番手の勝利は必須であったが、ここで予想外の敗戦となってしまう。続く3番手の丸岡俊介(政経1=尽誠学園)・平井裕之(国際2・高崎健康福祉大附)は手も足を出ずに0-5でストレート負け。ここでゲームカウントは1-2となり、後がない場面で再び立木・川平ペアが挑んだ。0-3とリードされてから2-3と粘り強さを発揮するも「雰囲気にのまれる部分もあった」(川平)と最後は2-5で敗戦。2試合目から中大ペースとなってしまった試合展開を動かすことはできず、東日本インカレ団体戦の幕は閉じた。

 レベルの差を痛感した。中大の戦法であるカットサーブの前に苦戦を強いられた。「明治にはあれだけいいカットサーブを打てる人はなかなかいないので対策が進まない」(伊藤)、「予想以上に相手のカットの精度が上がっていた」(立木)とチーム全体でレシーブでのミスが多く目立った。最後までカットサーブに対応できず、後衛の打ち合いであるラリーへと持ち込める展開が少なかったことも敗因の一つだった。そして、最も大きな敗因は精神面に表れた。試合後、北本コーチは「ノープレッシャーの中でいくらいいボールが入っても意味がない。本番で使える技術、試合で出せるものを磨いていかないといけない」と渋い表情で振り返る。選手たちも「向かっていく気持ち、緊張感が足りなかった」、「気の緩みがあった」と口をそろえた。チーム全体で1本を取りにいく姿勢が形となれば、選手一人一人が自分のプレーをできるはずだ。技術面では及第点。気持ちの持ちようが勝利へのカギになることは間違いない。

 「自分たちは低い分伸びしろもある」(寺下)。試合後、早大と中大の決勝戦を観戦した選手たちの目に映ったもの、そして感じたものを胸に、インカレに向けての決意は大きく固まった。「とにかくやってきたことを試合で出す。これが目標。そうすれば間違いなく上位を狙える」(北本コーチ)。一人一人が課題を明確にできた今大会、このままで終わることはできない。インカレまでに残された時間の中で、思いの丈をラケットに込めていく。

[土屋あいり]

試合後のコメント
北本コーチ

 「試合自体が良くなかった。修行不足という感じ。練習でできていることが試合でできない。自分の気持ちのコントロール力が全然足りない。相手が変わってしまうと自分のいい状態が保てない。本当は相手が強いと向かって行きやすい、気持ちがつくりやすいはずなのにそういう風になれないのが残念。戦う強い気持ちがなかなか前に出ない。必ずうまくいく方法というのはないと思うが、それぞれが高い目標を持ってこの日のために練習に取り組むというそういう気持ちが足りないかな。チーム全体でいえること。(立木・川平ペアの1勝目は)いい働きをしていたと思うが、次(寺下・伊藤ペアの敗戦)話にならない。サーブゲームがずっと取れなくて、レシーブゲームは取れてという展開になって。相手のいいサーブが入るようになって苦しくなった。本来はサービスキープでいければ、ゲーム後半も落ち着いてできると思う。主導権が握れるはずのサーブゲームが取れなかったというのが一番大きい。(何度もジュースになって取りきれない)ファーストサーブの確率も悪かったし、取るチャンスも何回もあったはずだった。相手のミスでチャンスもくるんですけど、そこさえも生かせなかった。レベル的にはもう一つ。(中大戦試合後のミーティング)いかに練習でやったことを試合に出すか。それぞれが工夫しないと。ノープレッシャーの中でいくらいいボールが入っても意味がない。そこをつなげる練習、取り組みをやろうという話をした。本番で使える技術、試合で出せるものを磨く。そういう心がけをもっと持つしかない。1年生二人は日本代表クラスだと思うので、その力はうまく伸ばせるように。そういう取り組みになっていけばまわりももちろん伸びるはず。(次はインカレ)残念ながら、作戦や、こういうふうにやっていこうだとか、こういうところを強化しようというところまで試合はいかなかった。なのでどうしていけばいいかは見えてこないまま終わったなと。目標は優勝、ベスト4といえる位置にもなかなかいっていないと思うので、とにかくやってきたことを試合で出す。これが目標。そうすれば間違いなくこういった順位を狙える」

寺下主将
 「中大戦は1試合は勝ったけど、自分たちの試合で流れが変わってチームで向かっていくということができなくなって、応援も含めて盛り上がりに欠けてしまった。自分は入りがすごく悪くて、向かっていこうとは思ったが思った以上に体が動かなかった。あとは精神的な面で結構だめなところがあったと反省。ペアでの連携は自分が結構悪かったので、打つテンポとかボールの長さとかが短くなったりしてしまった。それでミスが出たりして、伊藤もプレーに絡めなかったというのはあった。しょうがないし、基本は自分が悪かった。カットサーブは自分たちの中ではあまりいないので練習もしない。カットサーブを返すよりも重要な練習はあると思うのでそれをやりたい。自分の課題でいえばメンタルだ。早大と中大の決勝を見てレベルの差を感じたし、自分たちは低いぶん伸びしろもあると思っている。自分はあと1ヵ月しかないので少しでもレベルを上げていく。早大、中大もそうだし、次はインカレなので同志社大や関西の強い大学もあるのでそこにしっかり戦えるように頑張っていく」

伊藤
 「大将として勝たないといけない試合で負けてしまって悔しかったが、本番はインカレ。それに向けて頑張らないといけない。敗因は、簡単なミスが多かったこと。そこを減らしていく。リードしてから余裕を持ってしまって、気が緩んでしまって簡単なミスが多くなって追い付かれるのが多かった。やっぱり試合の入りから気を引き締めていかないといけない。入りはいいけど、ちょっと緩んで、リードしたけど追い付かれてしまう。流れをつかみ切れていない。リーグでも同じようなことがあったのでそこは課題。練習から試合を考えて、緊張感持って1本1本、ここを入れなければインカレでは勝てないという気持ちを入れていかないと。正直、今回はインカレにつながるとは言い難い。チーム的にも気が緩んでしまって、応援も気が抜けていた。チームで一つの目標に向かっていくのが大事だと思う。戦術的には問題ないのでレシーブ力をつけたいし、インカレにも行ったらいると思うので、カットサーブのレシーブ力を対策しないといけないと思う。明治にはあれだけいいカットサーブを打てる人はなかなかいないので対策が進まないのもあります。インカレでは自分が入学してからベスト8止まりなので、その壁を超えることを目標に取り組んでいく。やっぱり他の大学はサーブレシーブ力が高いと思ったし、そこが足りない。後衛がダメな時に、前衛としてもっと積極的にカバーできるような前衛になりたい。今日も流れでどんどん行ってしまったので、そこを変えられるようなプレーをしたいと思う。気負ってしまうのはダメなパターンで、その気持ちはいいけど、体が硬くなってしまったら負け試合になってしまっていた。そういう時でも、体はリラックスできるように。ペアのどっちも固くなってしまうので、片方でもそういうのをなくしていけば。粘っているうちに、もう片方も戻って来るから大事にしていく」

川平
 「自分はベスト4をひとつの目標にしていたので、達成したところで気が緩んでしまって、試合でももっと上にいけたはずなのに、気の緩みから自分本来の力が出せなかったのが敗因。ベスト4にいくまでは絶対勝たなきゃいけないというプレッシャーもある中で、チーム全体で戦ってなんとか勝ち上がっていった。相手が下でもどんどん向かっていく気持ちというのを監督から言われていたので、その気持ちでプレーをしたので大丈夫。(準決勝中大戦)中大と戦うということになって、リーグ戦でも中大に勝てないとベスト4以上は絶対に上がれないと監督からも何度も言われていました。この1試合に懸ける気持ちで試合に入ったが相手は強いし、雰囲気にのまれる部分もあったので、そこを何とかしたい。(最後の試合)前半戦は特にのまれていたが、試合をやっていくうちにどんどん慣れていって後半あげていけた。最初のつまずきが響いてゲームが終わってしまった。中大は3番に大将を置いているので、1、2番が絶対に勝って3番に向かっていくというのが一番理想だったが(明大の)2番が予想外にも負けてしまった。自分たちが勝つというのは当たり前だったし、2番が勝つのも当たり前な感じでチーム的には考えていた。負けはチームにはかなり痛かったし、予想外だったというのもある。自分たちは1試合目の入りが悪かったので、入りに関しては2試合目の方が良くなっていた。でも実力差というのが結構出て、ベスト4となると相手のレベルも上がってくるのでもう少しメンタルとプレーの部分で向上していけたらなと。ペアとの話し合いというのが結構あって、2人で1本取る形というのがあったり、練習していたレシーブから攻めるところもできたので、そこは良かった。(早大と中大の決勝戦が行われたが)レベルが本当に違うので、日々の練習をもっと積み重ねて試合経験をもっと多くしていかないといけないと感じた。自分は緊張すると結構動けなくなる方だが、そういう緊張状態でどういうプレーができていたか、できていなかったかを確認できたので、それをインカレまでに調整してつなげていきたい。この負けがインカレにつながっていく上で自分の足りないところが分かったので、大きい。(次は個人戦)前回のシングルスは運もあってベスト4に入れた。基本的には前を越すように4以上は目指したいが、ベスト8は確実に入れるよう頑張りたい」

立木
 「勝ちたいと思って1試合目は気持ちよく入れたが、次の試合は自分が勝たないとチームも勝てないということに気を置きすぎていたので、自分のプレーができなくて固まってしまって自滅という形で終わってしまった。自分の悪いところは力が入ってしまうところで、それは昨日も良くなかったので、今日の1試合目は力を抜いてあとは元気を出していくということを意識した。2、3ゲームあたりから段々と調子が上がってきたので1試合目は良かった。川平さんとは相手の調子の悪いところをどんどん攻めていこうと話し合っていた。2試合目はやはり勝たなきゃいけないという気持ちが優先あって、自分のプレーをするというのができなくなって。うまくいかなくて悪循環になってしまったことが敗因。相手のカットサーブについては春のリーグでは練習していたが、今回は時間がなくて、あとは予想以上に相手のカットの精度が上がっていたので、これからインカレに向けてカットサーブの対策はやろうと思った。ラリーに持っていく前にミスってしまったり、ラリーに持ち込んでいっても力が入ったり、前衛を気にしたりしてしまった。中大はとても明るいチームで結構ほぐれている感じでやっているので、そのようなところはまだ明治が足りないと思うからみんなで盛り上げて試合をしていきたい。全体振り返って自分をコントロールするというところが足りなかったし、せんめつ戦は自分は初めてでそのイメージがどうしても掴めていなかったので、イメージが掴めたということは一種の収穫だった。相手と対戦する前の時点で自分のコントロールができずに負けてしまったというのが今回の明治であったと思うので、日々の練習から緊張感を持って練習することで課題をしろと監督、コーチの方から言われた。インカレに向けて、日々の練習が大事だと思うので今以上に練習量を増やして、緊張感を持ってやれば優勝できると思うので、そこだけを徹底してやっていく」

丸岡
 「調子は良くはなかった。相手の方が実力は上なので、そこをみんなで倒さないといけない、向かっていきたいとは思っていた。ペアでは自分が打って浮いたボールを叩いてもらうというイメージでやっていたり、平井さんとは試合中では先に仕掛けていこうと話し合っていたが、上手くいかなった。試合後に監督、コーチの方々には次に当たるときに向けてのレシーブなどの課題について言われた。中大のカットを使ったサーブが相手のやり方だったので、それに対応していけるようなプレーができるようにならなければいけないと思った。具体的にはレシーブが浮かないように練習していくことが大事。昨日は1回目は全然ダメな試合をしたいたが、すぐに切り替えて次の試合はいいプレーができるようになった。春のリーグ戦よりは気の切り替えができるようになった。インカレでは1年生らしく向かっていくようなプレーができたらいいと思う」