
女子シングルスカル大堀ほか3艇が優勝/東日本選手権
実力を出し切り優勝をつかんだ。軽量級選手権に引き続きシングルスカルでの出場を果たした大堀玲奈(政経4=盛岡三)は予選、準決勝を1位で順調に勝ち上がると、決勝の舞台でも2位に4秒もの差をつけゴール。「今できることはやり切れた」とほっとした表情を見せた。
ラストイヤーに懸ける思いは強かった。昨年のインカレは舵手なしペアに出場。今大会でも1週間前までは同種目でエントリーする予定だった。しかし最後のインカレを視野に入れたときに考えが変わった。「シングルスカルで学内の選考に挑戦したい」。2年次から乗り続けてきたペア種目ではなく、シングルスカルでの自分の可能性に懸けることに意志を固めた。持ち味である強靭なスタミナを武器に、後半でもばてないようにレートを工夫。臨んだ準決勝では、見事にそのレースプランがはまった。続く決勝でも危なげない試合運びを見せ、自身にとっては昨年の全日本選手権女子エイト種目以来となる金メダルを獲得。着実に実力を伸ばしながらも「技術が他の人よりも低くて体力任せ。もっとテクニックを磨きたい」と冷静に分析した。今後も選考は続くが、最大の目標であるインカレに向けシングルスカルで勝負に挑む準備は万端だ。
今、男子部が変わってきている。今大会連覇を果たした男子舵手なしクォドルプルは大会1週間前のクルー変更もものともせず、圧巻の優勝。男子部全体の底上げが目に見える形となって表れてきた。「みんなレベルが上がってきて、下にいるメンバーもどんどん上を脅かす存在になってきている」(小林剛大・商4=岡谷南)。優勝を目指して勝ちに行くという姿勢が全体に浸透し、練習量の変化につながった。各クルーに一任されている練習メニューは、大会ごとの課題を踏まえて改善され、昨年に比べこぐ量を自主的に4~6㎞増やすようになった。「勝ちたいから自分たちからこぐ」(小林)。今大会では舵手なしクォドルプル以外の種目で納得の結果を残すことはできなかったものの、各艇の弱点が明らかになった。インカレに向け、日々の練習から不安要素を取り除く。
インカレまで残すところ2か月弱。それぞれが今大会で見つかった課題を克服し、悲願のインカレ男女総合優勝を勝ち取るべく、チーム一丸となって日々の練習に励んでいく。
[箭内桃子]
試合後のコメント
男子舵手付きペアクルーリーダー・小林
「逆風がとても強かった。逆風の中での練習をして来なかったので、自分たちの理想のこぎができないでタイムも悲惨だった。反省しか残らないレースだったいうのが大きい。相手もいなかったので、自分たちが今どれだけ戦えるのかというのが分からずに終わってしまったので悔いが残った。あんまりすっきりしないレースだった。今日の9分35秒というタイムは人生で一番長いレースだった。波も風もすごくて、ちょっとしたことでばしゃんとなったりオールも擦ってしまう。タイムは7分45秒を目標にしていて、インカレで優勝するには7分40秒を切ることが必要だと思っている。今までのベストタイムは7分48秒だったので、まずは45秒を切ることを目標にしていたが今日はタイムが出なかった。今回悔しい思いをしたので、インカレでもう一度付きペアで頑張ろうと思う。このままでは終われない。(男子部全体を振り返って)今年からこの大会が2000mになり、出てくるチームも強くなり大会のレベルが上がった。それにしても今回は成績が振るわなかった。もっとメダルや優勝をしたかった。ちゃんと優勝できたのはクォドだけだった。逆風が吹いた中で結果を出せていないので、このままではインカレも勝てない。時間は少ないが、こういう大会一つ一つで課題を見つけられれば成長できる。何か変えないといけないというのは分かっていて、メニューも改善している。練習量も増えている。それでも勝てないというのは何かが足りない。いい方向には向かっていて、みんな優勝を目指して勝ちにいくという面では気持ちも盛り上がっている。だけどもまだ勝つための何かが足りない。明治は自分たちで自主的にメニューを考えていて、各クルーに任せている。その中で、例えば去年毎朝12kmこいでいたところを、今年はみんな自主的に16~18kmこいでいる。こぐ量は増えているからそれはいいことだと思う。勝ちたいから自分たちからこぐというのはいい雰囲気だと思っている。個人的な意見としては、男子部が昨年から底上げ底上げと言っていて、トップのレベルだけではなく下からトップを脅かす練習をしている。今の男子部はみんなレベルが上がってきて、下にいるメンバーもどんどん上を脅かす存在になってきている。油断すれば取られてしまうので練習して差を開かせるし、下の人ももっと練習して食らいつこうとする気持ちがあるから、練習量が増えていると思う。インカレで結果が出てみなければ分からないが、いい方向には向かっている」
男子舵手なしクォドルプルクルーリーダー・櫻井克茂(法3=岐阜県立加茂)
「貴重な2000mをこげる機会で、1年生に経験を積ませるのが目的で楽しくこげればいいと思っていた。今日に限って天候が悪くて、ばたばたして自分たちのこぎができなかった。それでも2000mの勝つイメージというのを1年生に植え付けることができたのは収穫だと思う。インカレも荒れないとは限らないので、こういうコンディションの中でも最後までこぎ切れたというのがこれからの自信につながる。1週間前にクルーが急に変わったので、ばたばたして見苦しいこぎになってしまったが、インカレまでは1ヶ月以上あるのでどのクルーになっても精一杯頑張りたい。インカレのメンバーはまだ分からないが、ベストメンバーで挑んで2連覇したい。課題はみんな気分屋なので、その日の気分に左右されてしまうこ と。一回ダレたらなかなか上り調子にならない。一度崩れたら自分のこぎに精一杯で周りが見えていないので、もっと気を配ってみんなで盛り上げていければいいなと思う。課題だらけなのでどこをつぶしていこうかなという感じだが、すぐ変われるところは気持ちの面。楽しくこいだ分速く進むし、きついこぎをしたらどれだけ力を入れても進まないスポーツなので、みんなで楽しく締めるところは締めていけば伸びると思う」
大堀
「準決勝のレースで相手との差が詰まって焦ってしまうことがあった。これまでのレースは焦るとこぎが進まないことが多かったが、今回は詰まったところでしっかり一本一本飛ばそうと冷静になれたのが良かった。1000~1500mの間で少し近付かれた。スタートで少し出て、500m過ぎたあたりから伸ばしてちょっと離せた。今大会の中でレースプランも試せたので、いい経験になった。スタートで出れなくても中盤で伸ばそうと考えていたが、特に考えずに出れるところまで出ようという感じだった。準決勝までもばてないようなレートの見立てをして、どんな配分でいけばベストなのかというのを試した。決勝が出し切れたが、プランがうまくいったのは準決勝の方だと思う。ペアの練習を1週間やって、またスカルに戻った。今回も最初はペアにエントリーしていたが、途中で変更した。自分の中で、最後の年なので何でインカレを目指したいかと思ったときに、シングルスカルで学内の選考に挑戦したいと思った。ペアにも2年生の頃から乗っていたので思い入れはあるが、軽量級からシングルスカルでやっていて、大学の中でどこで出られるかと考えたときに貢献できるのはペアではないなというのと、シングルスカルで自分の伸びる可能性を感じたので挑戦してみたいと思った。今できることはやり切ったという感じはある。前から課題としていることは、技術が他の人よりも低くくて、体力任せなところがある。もっとテクニックを磨いていきたい。体力には自信があるので、そこを伸ばしつつ高めていきたい」
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