
亜大に敗れ決勝トーナメント1回戦敗退/東日本大学選手権
堅くリードを守り続けた。第1セット、與崎風人(政経4=鹿児島商)の時間差攻撃でスタートすると、相手のサーブやスパイクにも落ち着いて対応し、自陣の攻撃パターンに持ち込んだ。ライトからは加藤寛樹(政経2=創造学園)、レフトは川村悠希(政経2=雄物川)が角度あるアタックを決め切りテンポ良く得点を重ねる。12―10の場面からは加藤がノータッチ・サービスエースを決めると、その後もサーブで相手を崩し4連続得点。最後までリードを保ち25―20で先取した。
勝機は見えたかに思われた。第2セット「自信を持って送り出した」(瀧野頼太主将・政経4=創造学園)と予選の好戦から、Bチームが決勝トーナメントでも抜てき。点差が大きく開くことはなかったが、頼金大夢(法2=東福岡)の跳躍力を生かしたレフトからの攻撃を中心とし、着実に得点を重ねていった。しかし試合終盤に入ると、それまで安定していたキャッチが乱れ始める。アタッカーに十分なボールを上げることができず、逆にカウンターを決められる展開が増えていった。24―23で一度はマッチポイントを握ったが、再びキャッチの乱れからアタックを3枚ブロックで止められ、2連続得点を許し24―25。勝俣輝一(営2=荏田)のライトバックアタックで同点に追い付くも、最後は粘られアタックを決められず25―27。1―1と痛い失セットとなった。
相手の勢いに圧倒された。第3セットは再びAチームにメンバーを戻したが、亜大の調子は上がる一方だった。序盤こそかろうじて前をいくも、高野(亜大)のレフトのクロスを打ち抜くスパイクに苦しめられ、中盤に追い付かれる。苦しい中、加藤の打数は増え、きっちりと得点を重ねたが「競っている場面で一本上がらないということを今日改めて思い知った」(瀧野)とスパイクレシーブが影を潜め、相手にテンポ良く得点を与えた。18―18から3連続得点で相手に先に20点に突入されると、明大はたまらずタイムアウト。「負けたら、情けない」とプレーに気迫は増し、加藤のスパイクや與崎の強烈なサービスエースが決まるも、手遅れだった。最後は23―25で試合終了。亜大の喜びの声が無情にもコートで爆発した。
「言葉が出てこない」。誰もが予想しえなかった結果に、瀧野主将を始め呆然とする選手たちの姿があった。「勝つという面で明治は甘い」(瀧野)と課題はまたしても気持ちの面だ。春季リーグ戦後半から調子を落としていたが「相手に合わせて自分たちのバレーができていない」(小林凌・商3=桐生市立商)と追い上げられると強気で攻めることができない。さらにケガ人が続出しているチーム状況も響いた。セッターの政井拓歩(営3=市立尼崎)や原潤一(文4=習志野)を始め、昨季から主力、ベンチ入りしチームを支えていた選手らがケガなどで次々と戦線を離脱。この東日本インカレから正セッターを任された笹山佑太(法4=福岡大大濠)はわずか1カ月という短い期間で調整を重ねていた。笹山は丁寧なトスさばきを見せたが「個人として、4年生として何もできなかった」。他にもそれぞれ個々の課題も浮き彫りになった。練習や試合の雰囲気づくりから、劣勢の時チームを支えるムードメーカーの存在など、今のままでは足りないものが多い。A、Bチーム全員が味わった悔しさ。これを糧にチームの大きな変革が迫られている。
[川合茉実]
瀧野
「言葉が出てこない。やっぱり自分たちの弱さがこういう結果に出たと思う。1セット目は勝てたし、(2セット目の)Bチームも昨日良かったのでいけると思った。でも2セット目から流れが悪くなってしまった。僕の決断に問題があったということなので、もっとしっかりしとけばこういう結果にならなかったかなと思う。Bチームも雰囲気つくれば勝てると思っていたし、自信を持って送り出した。(3セット目)出だしは悪くなかった。一人一人のここで負けたら終わりという気持ちが焦りとなって出てしまったので、サイドアウトで一点ずつ落ち着いて取れなかった。リズムに乗り切れなかったというのがすべて。展開で楽しむ気持ちがある方が勝つという面で明治は甘い。解決策を考えてやっていかないといけない。(シーズン前半を振り返って)春と東日本で攻撃型のチームになっている。守備でおろそかになっていることがたくさんある。競っている場面で一本上がらないということを今日改めて思い知った。秋に向けては最低条件で気持ちが熱い人間を起用したいと思っているし、攻撃ができなくても守備でリズムがつくれる選手も必要だと感じた。この結果は誰もが想像しない結果だった。春から何も変わっていないと言うのが現状。考えて夏を迎えたい。追い込んで自分に妥協しないメンタルを鍛えていかないといけない。自分自身もそのことを強く感じている」
笹山
「自分たちのバレーができなかった。練習のときから雰囲気が悪かったりして、それを打破するのは4年生のはずだった。でも個人として4年生として何もできなかったのが正直なところ。僕自身は誰かが抜けたという風には考えていなかったが、いかにチームで戦うかというのが必要だなと改めて思った。今のままじゃ先がもうない。僕自身も春は出てはいたんですけど、合わせるのは1カ月しかなくて。合わせれば合わせるほどかみ合わない部分は出てきた。それを試合の中でカバーできず、立て直せなかったので、練習不足だったなと感じた。今回も気持ちの面でダメだった。勢いに僕たちが負けたというのもあったし、2セット目取られてたが、3セット目の僕らがその空気のままいってしまったというのがあった。相手のチームに合わせるという明治の悪いところであり、個人個人の悪いところ。プレーがうまくいかなかった時にばたばたして、それを引きずってしまった。この試合どうこうというより、次の試合にいったとしても同じ状況になっていたと感じる。(ライトからの攻撃)昨日のミーティングの時にライト線のブロックのつき方が甘いという話があったが、正直個人的には、頼れるところがライトの加藤しかなかった。いかに頼ってないところで勝負していけるかというのが勝っていくためには必要なことだと思うので、セッターとして今後の課題。(與崎の)キャッチで崩れてその流れで與崎に上げてしまうと、流れが悪いままになってしまうので。キャッチが今、チームで安定していないという部分はある。自分としてもそうなので、3本目どうこうというより1、2本目の質が悪かった。だかれこういう結果になってしまった。(相手に合わせてしまう)練習中にそういうのは常に意識高く持っていかないと。練習が試合に出てしまう 。僕らは日本一という目標を掲げてやっているので、一人一人の甘さが出れば日本一なんて無理。でもその甘さが4年生の中で出てしまった。負けて悔しい。この結果をなんとかいい方向に持って行きたい」
小林凌
「1セット目はいいリズムだったので2セット目に勢いを持っていかれてしまったのが残念。相手は2セット目を取ったことで3セット目も勢いがあった。緊張感がなく、取られたら負けるという感じもあまりなかった。昨日も相手に合わせて自分たちのバレーができていなかったのでそれを今日も引きずっていた。春からずっとチームは良くなくて、受け身になっている。一人一人自分に甘いのでそこを直すためにも夏が大事になってくる」
加藤
「足元をすくわれた。(相手に対し)気持ちの緩みみたいなのもあったのかなと。Aチームに余裕がない中でBチーム出して負けて。3セット目は大丈夫かな、というのはあったが案の定だった。正直いっぱいいっぱいになったという感じ。自信不足と、もっと練習が必要。課題はレシーブ。(トーナメント)次のことを考えてしまうので、目先のことをもっとしっかり考えるようにしたい。サーブ、ブロックレシーブが武器なのでそこを磨いていく。負けたら、情けないと力んだ部分もあったんですけど、手遅れだったのか、力不足だったのか。相手の動きに対応できなかった」
川村
「2セット目で流れが変わってしまった。粘り負けというよりは自分たちの出ちゃいけないミスが多く出てしまった。(この大会に向けての準備は)できていなかった。モチベーションも上がっていないし、目の前の試合に集中できていなかった。一人一人持ち味が違う中でアタッカーが打ちきってあげられなかった。最後自分がミスしてしまったが、終盤トスが上がってくるのはわかっているので、そこは余裕持っていけるようにしたい。技術的なことより気持ちの面が問題。夏にレシーブとかを中心にやって、秋には成長した明治を見せられたらいい」
関連記事
RELATED ENTRIES