
強敵に力負けも3位入賞 1年生3人がそろって表彰台へ/東日本学生春季新人戦
大学レベルでの戦いを身をもって体感する試合となった。この日最初にマットに上がったのは平嶋。「格上相手だったので緊張はなかった」(平嶋)ものの自身が課題に挙げるスロースターターぶりが露呈してしまい、うまく波に乗れなかった。最終カウントは2―13。それでも第1ピリオドで2点を奪い意地を見せた。直後にそれぞれ別マットに上がったのが奥田、永井。奥田は「試合運びがうまくて相手のペースにされてしまった」(奥田)と自分の攻めをすることができず、カウント0―5で無念の時間切れ。体格で勝っていた永井は技術で上回る相手に対し「組み手でやられた」(永井)と自身の持ち味であるタックルを出すことができずにカウント0―10とテクニカルフォールで敗れた。いずれも実力者相手に1ポイントも奪えず完敗を喫したが「大学生との戦い方を身に付けないといけない」(奥田)と、新たな課題を見つけるなど収穫のある大会となった。
大会最終日はグレコローマンスタイルの3回戦から決勝までが行われる。明治からは天野瑠紀(政経2=秋田商)、奥田、平嶋、永井の4選手が登場。不慣れなスタイルではあるが、表彰台を目指し最後まで力を出し切る。
[小田切健太郎]
試合後のコメント
多賀副部長
「(1年生3人が入賞)今の実力はあのくらいだと思うよ。奥田にしても永井にしても。平嶋はよく頑張ったと思う。準決勝は良くなかったけどな。少し動きが悪かったな。もう少しピリッとした試合にならないと軽量級は難しい。(入学してから成長した部分は)少し粘りが出てきたな。レスリングはキレと粘りが無いと勝てないから。(どのような練習を)上級生にやられる中で耐えるような練習をしていれば(粘りは)出てくるんじゃないかな。(永井は同じ階級に大山がいるが)練習とかも一緒にやってるけど、大山の方がものはだいぶいいよね。永井の場合は前後しか動けないんだよ。少し左右に動けるようになると随分違ってくるんだけど。少し横に出てから斜めから入るとかね。真っ直ぐ下がるんじゃなくて曲がりながら下がるとか。攻撃は1年生の中ではただ前に入ってくるだけだと思ってるのもいるけど、そうじゃなくて入る前にどうやって相手を崩していくか、相手にプレッシャーをかけながら、あるいは物理的に動かしながらもあるだろうし。いろんなもの使ってどうやって崩していくか。で、崩れたときに技掛けられるなら技掛ける。あとはしっかり守っていく。それがレスリングなんだけど、そこがうまくいかないやつは勝てない。永井はそんなにうまいわけじゃないんだけど、力があるんだな。新人戦に出てる中では力とか体力があるから勝てるんだけど、もっと上にいこうと思ったらもう少し洗練したものにしないと難しいね。でもみんなポテンシャルは高いよ。(逆に良かった点は)平嶋にしろ奥田にしろ、タックル入られたときにつぶしにかかったっていうのは良かった。切りにいったていうのがね。すぐにクラッチしたりひっくり返ろうとするとそれで墓穴を掘るパターンが多いんだけど、それは絶対だめ。まずとにかくつぶしにいけと言っている。それが少しずつ浸透してきたかなと。奥田は試合運びがうまい感じがするな。勝つコツを分かってるっていうかね。力があって動きもいいんだけど勝てないやつっていうのはそこらへんが分かんないんだよ。流れを作るのがレスリングだからね。(永井は大山と比べて)永井はタックルしかない。大山は逆にタックルはあんまりうまくなくてもつれていくようなタイプ。最近はタックルも良くなってきたけど。(タックルの質は)質っていうとどうか分からないけど、まあ永井の方がいいかな。大山はうまくない。時々いいタックルするときあるんだけど。(今後は)1、2年生は基本的なことをしっかり教えていきたい。例えば奥田にしたって組み手が良くないんだよ。永井にしたって。そこを直さないといけない。あと組み手からの戦い方だな。崩し方。(多賀副部長が目指すレスリングは)やっぱり世界に目を向けてるから、日本人が世界で勝ってるパターンはタックルなんだよ。タックルが下手な奴は勝てない。その点でタックルを磨いてほしい。正面タックル、片足タックル、手取りタックルといろいろあるけど、タックルの攻めと防御。それをまずは優先したい。それとがぶりっていう技があるんだけど、これも試合の中で出てくるから。プラス投げを一つ完成させたらそれで九十数パーセント完成だと思ってるから。(最終日)うちはグレコを専門的にやってるわけじゃないから苦しいとは思うけど、とにかく前に出てほしい。それだけを期待してます」
奥田
「(3位入賞)やっぱり相手が誰であれ決勝に行きたいっていう気持ちはあったんですけど、去年のチャンピオンていうのもあって試合運びがうまくて相手のペースにされちゃったなというのはあります。昨日は順調に体も動いて問題なかったんですけど。(入学してから成長した部分は)まだ高校の貯金で戦ってる部分があるので、大学生との戦い方をもっと身に付けなきゃいけないかなと。(貯金というのは)飛び込みタックルとか、力技とかの部分は弱い相手にはかかるんですけど、どうしてもレベルが上がるともっといろんな技を身に付けないと。(重点的に取り組んだ部分は)組み手とか弱いので、それは先輩から教えてもらったりして重点的にやりました。(同じ階級には寺田がいるが)やっぱり格上だなと感じます。組み手がうまくて、技をいっぱい知っているのでそういった部分で動かされてしまったりとかしますね。(今後は)今回の試合で技が足りないと感じたので、また技を増やして今度はまた違ったレスリングができるようになりたいです。(具体的には)透かしタックル。まあ、片足タックルですね。そこからの処理をもっとうまくやっていけるようになりたいなと思います」
永井
「(3位という結果について)1位は目指してはいたので悔しいです。JOCも3番だったので、そんな簡単には簡単には成長はしないと思うんですけど、準決勝で戦った相手はすごい軽い相手だったので負けたのが悔しいです。組み手がうまい選手で、そこでやられました。(入学してからの成長は)相手の首を落とす崩しに関しては成長したとは思います。先輩とか多賀先生にも崩しができてないと言われて。崩しの部分だけは少し成長したかなと思います。(同じ階級には大山がいるが)敵わないです。守りが堅いです。で取る時にはとられるし。(逆に勝てると感じる部分は)飛び込むタイミングとかは勝てるかなと思います。小さいころからやっているので。タックルの入るタイミングには自信があります。(レスリングはいつから)幼稚園の年長から。体を鍛えるために何か武術をやらせたいって親が言って、近くにレスリングクラブがあったので。兄もそうですね。」
平嶋
「昨日もそうだったんですけど、1試合目がいつも動けなくて今日も初めでいい動きができなかったと思います。相手は自分より格上だったのでいつもよりは緊張はしていなかったです。今日の試合で自分の課題がいっぱい見えました。高校のときからずっとスロースターターと言われていて、自分はエンジンがかかるのが遅いので最初からもっとがつがついけるようにするのと、タックルの精度をもっと上げていきたいと思います。まず取り組んでいきたいことは3分の2ラウンドをしっかり戦える体力をつけることと、やはり出だしから思いっきり攻めれるようになりたいです。そのあたりをインカレまでに直していけたらなと思います。インカレは人がたくさんいるので、その分たくさん試合もできるようにひとつでも多く上に上がっていきたいです。(奥田、永井の存在)同じ1年生が頑張っているので、ライバルとして自分も負けないようしていきたいです」
関連記事
RELATED ENTRIES