
(5)兵頭水軍 SO挑戦を機にAチーム定着へ
――帝京大戦を振り返っていかがでしたか
前半の入りが良かったです。自分たちも思ってないほど良い入りができて、明治が先制トライを挙げたときも、このまま勢いに乗っていこうということでチーム皆で意識していました。明治ペースにもっていけたことが良かったです。やっぱり帝京大は特別な存在。今まで1度も勝つことができていない相手なので、1月からずっとターゲットにしていました。
――SOをすることが多くなりましたが
自分は試合に出られるならどこのポジションでも良いかなと思います。今季のポジション変更もある意味良いチャンスをもらえました。流経大戦でCチームでプレーすることになった時に急きょSOとして出場することになりました。SOに変わってから調子が良くなって上のチームに入れたと思います。ポジション変更がとても良い刺激になりました。自分はSHとしてSOにパスを出す役割だったのが、SOとしてプレーすると逆になります。それで視野が広がったというか、逆の立場から考えられる機会が増えました。
――負けたくない選手はいますか
SH全員です! 特に挙げるなら三股久典(政経2=佐賀工)と浜野達也(文3=西陵商)。三股は去年ずっとメンバーを取られていたということもあって意識しています。浜野は同期で同じポジションで、今までも多く争ってきました。その2人は良きライバルです。負けたくないですね。
――目指すSH像はありますか
自分の持ち味は有効的なキック。SHからでもキックでしっかりエリアをとって、主のキッカーとなるSOにプレッシャーがかかり過ぎないようにしたいと思っています。ゲームをコントロールしてチームを引っ張っていける存在になりたいです。
――課題点はありますか
パスの精度です。SHとしてパスは一番大切なことなのに、自分の力はまだまだ足りないです。もっと精度を上げれば帝京大のような強い相手でも対抗できるSHになれると思っています。強気にいきたいです。
――B、Cチームでの出場を経てからのAチームとなりましたが
1年生の時からチームを行き来することが多かったです。常に変動が激しいので、今季も最初Aで出て途中B、Cになってしまったのですが、焦りは無かったです。1度下のチームになってもひとつひとつゲームを重ね、良いプレーをできるようにすればまた上に行けると思ってやっていました。1、2年の時の経験があったお陰で、3年目となった今焦らずに自分の調子を整えられるようになりました。
――Cチームではどんな思いでプレーしていましたか
悔しい気持ちはありました。その反面、焦らなくて良いのではないかと冷静にもなれていました。1、2年生の時は下のチームになると悔しくて仕方がなかった。焦りだけがあって、がむしゃらになるしかできないっていう感じでした。今季は1からやっていこうと思ってプレーしています。だからここまで来られたのかなと思っています。
――1、2年生のときと比べて成長した部分はどこですか
メンタルが強くなりました。激しいチーム変動を経験して、感情を上手くコントロールできるようになったと思います。あとは、3年目なので積極的に発言ができるようになりました。1、2年の時はなんとなく言いづらいことも多かったのですが、今は積極的になんでも言えるので、プレーもしやすいです。
――自身がB、Cチームとなったとき紫紺デビューを果たす仲間を見て思うことは
うれしいけど悔しかった。同じチームでやっている中で切磋琢磨ができたと思います。でも、メンバーの人数は決まっていて、入れる人と入れない人がいるのは当たり前のこと。お互いに良い競争ができていると思います。
――紫紺の重みをどう感じていますか
小さい頃から明治のラグビーを見てきたので、紫紺というのは自分にとってとても特別な存在です。自分が今着ていることが不思議な感じがするほどです。
――挫けそうな時、何をモチベーションにして上を目指していますか
応援してくれている人がいることです。家族であったり、仙台育英の監督やコーチ、今までラグビーを続けてきて携わってくれた人達は応援や期待をしてくれています。いつもメッセージをくれたり。その人達のためにも頑張ろうと思っています。
――今後の目標は何ですか
このままAチームに定着することです。夏合宿を通して秋もこのチームに残れるようにしたいです。応援してくれている人に支えられてラグビーができているので、感謝の気持ちを忘れないでやっていきたいです。
――ありがとうございました。
◆兵頭水軍(ひょうどう・すいぐん)農3 仙台育英高出 169cm・72kg
ポジションはSHを基本とし、最近は中学生以来であるというSOを務めることも多くなった。有効的なキックを強みにチームにチャンスを作りだし、勝利に貢献。ラグビーのために高校から東京を離れ、高校時代は仙台育英高校で主将としてチームを花園出場へと導いた。思い切ったプレーで活躍を見せ、帝京大戦ではAチームスタメン入りを果たした。2013年度高校日本代表候補。
[江原璃那子]
関連記事
RELATED ENTRIES