松本が3位入賞! 明大は7年ぶりツール・ド・北海道へ/全日本学生個人ロードレース

2015.06.15
 7年ぶりの北海道行きを懸けた大一番で明大勢が躍動した。1周9kmのコースを20周、ラスト1周では9kmの後に1kmの登りが待ち受ける。全181kmの過酷なロードレースで松本祐典(法2=北桑田)がチームトップの3位で表彰台へ。ルーキーの野本空(政経1=松山工)、小林和希(政経3=裕誠)もそれぞれ9位、22位で完走。今大会でも好成績を残した明大は、鹿屋体大に次ぐ総合2位で堂々のツール・ド・北海道出場を決めた。
 ラスト1kmの登りで洗練された勝負勘が光った。15人ほどの集団で激しい2位争いが行われる中、松本は見事に3位を勝ち取った。秋田(朝日大)がラスト1kmの登りでアタックを掛けると、それに反応した松本もすかさずラストスパート。ライバルたちの集団がばらつくと「あとは我慢だった」(松本)と最後までハイペースで登り続け、後続の追い上げを退けた。序盤から逃げを試みる選手が見られるも、スピードが上がり切らずに集団に吸収される展開が続く。17周目付近で逃げを図った優勝者の浦(東大)が独走に成功すると、活性化した集団の中で松本を含めた4人も一度は抜け出した。しかし4人での逃げは決まり切らず再び一つの集団となったが「そこでしっかりと切り替えることができた」という松本は、登りの直前でのストレートで好位置をキープ。ラストの登りで有利な状況を作り出した。
 あらためて実力を証明した。昨年は25位で明大勢唯一の完走となった松本だったが「180kmという距離にも慣れていなかった」と決して満足はしていなかった。昨年9月、U23の強化指定選手に選抜されると学生トップレベルの環境で技術と体力を磨く。春先の欧州遠征では180km近い長距離でのレースもこなし「それが効いたのかなと思う」と手応えを実感。全日本3位という輝かしい結果を手にしたが「来年は優勝したい」と見据えるはその先だ。

 7年ぶりの北海道行きを決めた。ツール・ド・北海道はプロチームも参加する日本有数の大規模な大会で、明大は2008年を最後に出場が途絶えている。今年は今大会9位に入ったルーキー野本の加入もあり「ロード班は強くなった」(松本)。シーズン当初からツール・ド・北海道出場を目標に設定し、先日のチームTTでの3位入賞で王手をかけていた。松本、野本が入賞、小林も完走を果たし今大会の獲得ポイントは2位。昨年のインカレ、チームTTを合わせた総合順位でも2位で1位の王者・鹿屋体大に肉迫した。
 チーム一丸でつかんだ切符だ。「2人を信じて走っていたので、期待に応えてくれてうれしい」(小林)。小林は今回調子の上がっていた松本、野本にレース中も声を掛け続け、モチベーションの上昇を促した。サポートに回った選手、マネジャーも181kmを共に走り続けた。「昨年のインカレで先輩たちが頑張ってくれた点数もある」と小林。受け継いだバトンをチーム全員で握りしめ、走

 ロードでの全日本個人戦を終え、7月頭には全日本トラックが控える。その先にあるインカレ、ツール・ド・北海道に向け、ロードでの好成績を追い風にトラック競技でも進化を見せたい。明大旋風を巻き起こすため、これからもペダルを踏み続けていく。

[鈴木拓也] 

試合後のコメント 
小林

「(コースは)最初の登りだけ我慢すればあとは緩やかなのでそこだけちぎれないように意識した。登りは積極的に前の方で走って、今回のレース自体前で走ろうと思っていた。(マークしていた選手は)特にいない。強い選手の動きをしっかり見て野本、松本が走れているのでその2人の位置を見ながら走っていた。その2人が練習している中で一番走れている。自分は2人のサポートしつつチャンスがあれば自分もいこうかなと気楽に思っていた。(課題は)序盤楽だと頑張り過ぎてしまうのでもうちょっと抑えたら後半動けたかなというのがある。2人のサポートっていうそこまで具体的にはいってないが、一緒に走っていたのでレース中も松本、野本にしっかり声掛けて2人のモチベーションを多少上げられたかなと思う。(松本の3位は)チームメートが表彰台に乗るのはうれしい。一桁でもよく頑張ったなというのはある。自分も2人を信じて走っていたので、期待に応えてくれてうれしい。(ツール・ド・北海道は)昨年のインカレで先輩たちが頑張ってくれた点数もあるのでそこからみんなのやる気が入った。北海道は3年目にして初めてだし、プロの人と走るので楽しみな反面苦しいレースになると思う。全部上位狙うのは厳しいと思うのでスプリントで勝てるようなステージだったら狙っていきたい。明治のチームプレーをできるようにみんなでまとまって走っていきたい」

松本
「(3位という結果については)今年からアンダーの強化指定に入って学生のトップレベルの人たちと走っていて、今は調子が良い。今回は優勝を狙うというかツール・ド・北海道も懸かっていたので、自分が優勝すれば出やすくはなるなと思っていて、明治では一番上の順位になることができた。前半結構アタックに反応して動いても疲れなくて、後半も結構動けた。浦さんが逃げた後に、4人で出た。追い付いてそのまま4人の勝負になると思ったが思ったよりうまくかみ合わなくて、スピードが上げることができなくて後ろに追い付かれてしまった。でもしっかりとそこで切り替えることができた。最後の登りを前で登れたので良かった。(登りは得意か)結構アンダーの合宿でもかなり速く上れていて自信もあったので、最後上りになれば絶対返ってこられると思っていた。最後半周くらいで後ろに追い付かれて15人くらいの集団になった。最後の直線でけん制が入って、登りに入って秋田さんがアタックを掛けたのでそれに反応したら後ろがバラけた。あとは我慢だった。(レースプランは)昨年はスタートした瞬間からアタックが掛かって逃げが決まっていたので、距離を考えずに野本と小林さんが走れるので安心して、アタックとかにどんどん乗ることができた。でも決まってもスピードが落ちて後ろに追い付かれたので、あまり逃げをしようというプランができなかった。それでも最終周で人数が絞れたので、自分の得意な展開に持ち込めたと思う。(昨年は25位だったがこの1年で変わったことは)昨年の9月からアンダーに上がってやってきたが、ギア比も全然違った。ジュニアのよりもギアが重くなって、それだけ踏んでいかないといけないという風になって自分でしっかりと距離を乗って練習できたことが良かった。昨年はジュニアだったので180kmという距離にも慣れていなかったが、アンダーでの春の欧州遠征で180kmのレースに結構乗ったのでそれが効いたのかなと思う。(ツール・ド・北海道も決まったが)今年は野本も入って、ロード班も強くなった。今年の初めから僕は北海道出るということを目標としていて、ミーティングとかでも言っていた。チームTTでも3位に入ることができて、やる気が出てうまくいけた。北海道でもプロの中で明治というチームで頑張っていきたい。ツール・ド・北海道は上りがほとんど無くて平地なので、結局はスプリント勝負でどれだけ連携が取れるかだと思う。小林さんはスプリントが強いのでしっかりと明治でライン作って結果を残せればいい収穫になるというか、これからの大学レースにつながると思う」

野本
「初めてのこの大会で9位に入れたことはうれしいが、全国のトップレベルに入ると力の差を感じるものがあったのでそこを真っ向勝負で戦えるくらいの実力を付けて、将来的にインカレや国体で活躍できるようになりたいと思った。(レース展開は)逃げを許してしまって二人くらいで追い掛ける場面が2、3回あったので無駄な脚を使っていたのでそういうのをなくすともっといい走りができると思う。(10人くらいの集団になったのは)17周くらい。登りで6人くらい先行してそのままいってしまって、自分とあと3人くらい追走で入った。(大学でのロードレースは)全国規模で実力者たちが多い大会は初めてだったので緊張もしたが程々に走れたので良かった。(このレースに懸けた気持ちは)チャンスがあればいこうと、1年生なので何かやってチャレンジしたいなと思っていた。先輩が決まるような体制に入ったら徹底的にサポートして、今回みたいにバラバラになった場合は自分の力を試すためにチャレンジしようかなと思った。(ツール・ド北海道は)学生だけでなくプロも集まるのでレベルは全然違うと思う。何もしないより何か一つは持ち帰れるようにしたい。(ステージレースは経験したことは)高校生の時に1年に1回高校生を対象としたツール・ド・岩手という大会があって、それで3日間ステージレースは経験したことがある」