
ベスト8も課題浮き彫りに/東日本学生選手権
エースの意地を見せた。0-1で迎えた団体戦予選2回戦の東農大戦、武政進之介主将(政経4=埼玉栄)が寄り倒しで勝負を決め貴重な勝ち点を奪った。立ち合いから低い体勢で腕をつかむ。体を引きつけ、一気の寄り倒し。エースの名にふさわしい堂々の取り組みを見せた。また決勝トーナメント1回戦の松永(日体大)にもはたき込みを決め、日体大戦チーム唯一の白星を挙げた。チームが黒星を喫した試合でも自分の相撲を取ることができた武政だが「インカレに向けて一からやり直していかないといけない」と苦い表情。主将として今大会を振り返り「今年のチームはメンタルが群を抜いて弱い」とチームの課題を浮き彫りにした。
個人戦では名和がベスト16に進み最高成績。粘りのある相撲が光った。予選3回戦の谷本(早大)との一番。立ち合いから右肩を入れ、うまく体勢を維持した。押し合いに負けずに、寄り切って白星を挙げた。続く4回戦の相手は濵田(中大)。名和に体格で勝る濵田を相手に顔を付けて粘るも、寄り倒しで4回戦敗退が決まった。明大の選手中最も勝ち進んだ名和だが「気持ちの弱さが出た」と浮かない表情を見せた。また、名和を除く選手は全員が1回戦で姿を消し、一人も決勝戦に進むことができないという課題の残る個人戦となった。
今大会の結果により、11月のインカレをBクラスの予選トーナメントからのスタートとなった。部が掲げる最終目標はインカレ優勝。昨年までと違い、Aクラスのリーグ予選の前にトーナメントを勝ち抜く必要がある。精神的な弱さを課題とするチームには、決して楽ではない。「目の前の一戦で結果を残せないとインカレでは結果を残せない」(名和)。厳しいインカレ予選を控えることになった明大だが「Bからでも上位に食い込めることはたくさんある」(守重佳昭監督)と前を向く。まずは目の前の大会。来月に行われる全日本大学選抜金沢大会が次の試練となるだろう。今大会の反省点を次につなげ、一丸となって好成績を狙う。
[星川裕也]
試合後のコメント
守重佳昭監督
「春の大会から見ていて、やはり試合になると縮こまっていると感じる。力が出し切れていない。おとなしい、いい子が多すぎて、勝つんだという気持ちがまだ全面に出せていない、少ない。そういう空気が去年より弱い。名和は高校時代に周りにそういう人が多かったし、本人のタイプもあって試合では勝てていた。地力は去年よりもあると思うが、去年は4年生中心のチームだったから4年生が抜けたから、空気がつくれていない。チーム環境は監督の責任。チームを作り直して、インカレは優勝を狙う。インカレは2部からのスタート。去年までは7位でぎりぎり1部からやれたけど。B(クラス、2部)からでも上位に食い込むことはたくさんあるから、倣って、優勝を狙っていきます」
武政
「勝つときは勝つし負ける時は負ける。今日はそういうのが出ました。一人が勝っても団体では負けになるのが団体戦の厳しいところ。インカレに向けて一からやり直していかないといけないということに気付かされたので良かったです。今年のチームはメンタルが群を抜いて弱いです。おのおの自分がチームを盛り上げるんだという気持ちがなければ勝てないです。練習では強いのに本番では弱いというのは場の雰囲気に慣れるとか、吹っ切れるしかないと思います。みんな東日本ということで意識し過ぎていました。メンバーの力は去年と比べて差はないと思っています。ただ思い切りがないです。メンタルの部分です。心も体も一からやり直したいです」
鈴木貴勝(商4=東洋大牛久)
「勝てた試合は1試合ですが、勝った相撲は激しく自分らしい相撲が取れました。負けた相撲では、特に日体大戦は、勝てたのに負けてしまった。勝負が決まっていないのに、自分の中で勝手にやり切ったと思って、攻められて負けてしまいました。気持ちの弱さが出ました。日体大戦は自分のペースで、突っ張って一気に攻めるというのが自分の相撲で、その通り出来ましたが、勝負がついていないのに勝ったと思ってしまって、相手の必死さに負けました。今日は先鋒ということで、勝っても負けてもチームにやる気をだせるようにと思っていたのですが、パッとしないというか、はっきりしないような相撲を取ってしまって、次の人につなげられるような相撲が取れませんでした。稽古はやっていますが、その中でも引き技をなくして、今後に向けていきたいです」
名和
「団体戦はいいところがなかったので特に何も言うことはないです。とにかく精神的に弱かったです。負けてしまってから気持ちを立て直せなかったです。負けてからの気持ちの切り替えができませんでした。個人戦も含め全試合で気持ちの面の弱さがでたと思います。具体的な最終目標は秋のインカレですが、これから他の大会もたくさんあるので、毎回の大会を一試合一試合大切にして取り組んでいきたいです。目の前の一戦で結果を残せないとインカレでは結果が出せないと思っているので、もっと精神的に強くなって、負けても引きずらないようにしたいです」
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