ルーキー特集(9)憧れの背中を追って 常に笑顔のPG 山口裕朗

 新たな戦いが始まる。関東トーナメントでは17年ぶりとなるベスト4入りを果たし、幸先の良いスタートを切った。次に挑むのは1、2年生で戦う新人戦だ。今年はHC(ヘッドコーチ)、監督らスタッフ陣が一新。戦術や練習方針も大きく変わり、長谷川聖児新HCのもとでチームは再出発となった。本特集ではそんなバスケットボール部の1年を追う。

 新しい風を吹き込む。今年も全国各地から9名のルーキーが加入した。今回はルーキー特集として、新人戦での活躍も期待される個性豊かな9人を1人ずつ紹介していく。ラスト9人目は山口裕朗(営1=足立学園)。高校時代には主将としてチームを創部初となる全国の舞台へ導いた。「こいつはいつもニヤついている」(齋藤拓実・営2=桐光学園)と言われるほど笑顔が絶えないのが特徴のプレーヤーだ。

――バスケを始めたきっかけを教えてください
「兄貴がずっとバスケやっていて、それについていって体育館に行くようになりました。始めたのは小学2年生の時ですね」

――明大を選んだ理由は何ですか
「2年生の齋藤拓実さんと吉川治耀さん(情コミ2=京北)が1個上にいると知っていて、それに憧れてきました。高校の時から治耀さんは同じ東京のトップで活躍していて、拓実さんも関東で有名で名前をよく聞いていました。治耀さんと同じ京北だった石原さんがいる早稲田とも迷ったんですけど、実際に試合を見に行った時に2人がすごくて、この人たちの下でやりたいなと思って決めました」

――実際2人と一緒にやってみてどうですか
「最初は怖いイメージがあったんですけど、全然そんなことはなくて、1対1の相手をしてくれたりラフな感じでいろいろなことを教えてくれるので、勉強になりますね。いろいろ優しくしてくださるので、ありがたいです」

――大学バスケはいかがですか
「練習量は短くなったんですけど、体の当たりだったり、ターンオーバーなどのミスの少なさだったり、質がすごく高いです。1つ1つのレベルが上がりました。練習が短くなった分自主練の時間が増えたので、そこの使い方が大事だなと感じています」

――今大学でやっていて楽しいですか
「そうですね。高校がそんなに強くなかった分、レベルが高いところでやりたいとずっと思っていました。今は周りのレベルが高くて、練習のモチベーションも高いので、毎日バスケしていて楽しいです」

――今の自分の武器は
「ここに来てしまうと、これが武器だと言えるものは何もないですね(笑)高校の時はドライブで切り込んでキックアウトで外のシューターに打たせてゲームをつくるというのが仕事だったんですけど、大学で武器といえるようになるにはまだまだ磨いていかないといけないです」

――現在の課題は
「気持ちの面で周りの人がすごいからと理由で負けてしまっている部分があって積極的になれてないのと、体の当たりで負けちゃっているのと、もっと声を出していかないといけないことですね。今の自分ができることから必死でやっていくようにしています」

目標は安定感のあるガードになることだ

――負けたくないなという選手はいますか
「法政の玉城が同じ東京でやっていて、国体でもずっと一緒にやっていたので負けたくないなという思いがありますね」

――今のチームは「走る」ことがテーマですが
「自分たちは直接塚本さん(清彦前HC)に指導してもらったことはないんですけど、当時のビデオを見たりしたことはあります。塚本さんの時はやっぱりディフェンスのチームで、今は先輩たちが塚本さんから教わっていたディフェンスを自分たちが教えてもらっています。それを軸にして、さらに走れるチームになったら強いチームになっていけるんじゃないかと思います」

――ディフェンスという面では高校と比べてどうですか
「大きな差がありますね。今日も1、2年生の練習でディフェンスメニューをやりましたけど、1年生と2年生ででも全然違うし、その2年生と3、4年生を比べるとまた全然違うんで、もっともっとディフェンスの練習もしていかなきゃいけないと感じています」

――背番号「33」を選んだ理由は
「自分は32番が良かったんですけど、治耀さんがすでにつけていて埋まっていたのでその後ろにしました」

――かわいがってもらっている先輩はいますか
「治耀さんと拓実さんが、よく拓(小林・営1=桐光学園)と自分を誘ってくださって4人でご飯に行ったりします。なんか自分の面倒を見る担当らしいです」

――仲のいい同期は
「やっぱり拓ですかね。学部も一緒ですし」

――大学4年間でどんなプレーヤーになりたいですか
「大学に入ってきて會田さん(圭佑・法3=市立柏)がガードとして自分の理想形だなと思うようになりました。ミスが少なくて、シュートも的確で、体も強くて、會田さんみたいな選手を目指したいです。最初はさっきも言った2人に憧れて来たんですけど、間近でやっていて自分とは種類が違うと感じました。2人みたいに爆発力で勝負することはできないので、會田さんのように安定感のあるプレースタイルを身につけたいです」

――大学での目標は
「明治にが日本一になること! 自分はそれにどんな形でもいいので貢献できればいいなと思います。」

――俺のここを見てくれというところは
「今意識しているのは声を出すということです。技術面ではどうしても勝てないところがあるけど、声は技術に関係なく出せるものなので。あと自分は癖ですぐ笑ってしまうんですけど、それはそれでいいかなと思っていて、それでチームを盛り上げたいです」

――愛知選手(凜太郎・政経1=愛知)を紹介してください
「凜太郎はいつも最後まで残って練習をやっています。負けず嫌いで真面目なやつだなと思います」

◆山口裕朗 やまぐち・ひろあき 営1 足立学園高出 180cm・70kg
登録ポジションはPG(ポイントガード)。3月26日生まれ

ルーキー特集はこれで最後になります。ありがとうございました。

[尾藤泰平]

◆2015年度新入生一覧◆
背番号 名前 出身校 ポジション 高校の成績
#53 愛知凜太郎 愛知 SG(シューティングガード) 全国出場なし
#28 今川友哲 大阪桐蔭 SF(スモールフォワード) インターハイ出場
#41 岸隼杜 日大山形 SG(シューティングガード) 国体ベスト8
#4 小林拓 桐光学園 SG(シューティングガード) 全国出場なし
#16 後藤俊祐 実践学園 SG(シューティングガード) 全国出場なし
#3 綱井勇介 大阪学院大 SG(シューティングガード) インターハイベスト16
#31 堀雄士郎 大分舞鶴 PG(ポイントガード) ウインターカップベスト32
#24 森山修斗 瀬田工業 SF(スモールフォワード) インターハイ出場
#33 山口裕朗 足立学園 PG(ポイントガード) インターハイ出場