挑戦者として粘りを見せるも白鴎大に敗戦/関東大学女子新人戦

挑戦者として粘りを見せるも白鴎大に敗戦/関東大学女子新人戦
 価値ある敗戦だった。2回戦を中央学大の棄権による不戦勝で勝ち進んだ明大。3回戦で昨年の新人戦で優勝を果たした白鴎大と対戦した。出だしから格上相手にひるむことなく立ち向かい第1クオーターを12―17の僅差で終える。しかし第3クオーターでは白鴎大に地力の差を見せられ大量リードを許すと、最終スコア63―94で敗戦した。結果だけを見ると31点差の完敗だったが、終始攻め続ける姿勢を崩さず第4クオーターはイーブンで終えるなど、手応えをつかんだ試合となった。

主将としてチームを引っ張った松本<
主将としてチームを引っ張った松本

 スターターは橋本みなみ(商2=県立柏)、松本真衣(理工2=鵬学園)、荻島碧(理工1=明大明治)、藤野希生(国際1=埼玉栄)、多久文乃(情コミ1=東京成徳)。

 序盤から攻め気を発揮した。開始1分、相手のファウルで松本がフリースローのチャンスを得る。それをしっかり決めた明大が先制。それからも屈強なブロックに臆することなく速攻を重ね、前半をわずか13点ビハインドで折り返す。だがこのままでは終われない強豪のプライドに火を点けた。明大のキャッチミスやイージーシュートミスで生まれたルーズボールを奪われ、そのまま持ち込まれフリーでのシュートを許す場面が目立った。第3クオーターで31点差まで広げられてしまい苦しい展開となる。
 しかしここで粘れるのが今年のチームだ。「最後まで気持ちが途切れることがなかった」(平田聡HC)と第4クオーター開始早々にパスを受けた多久がワンマンで駆け抜けシュート。その数秒後にも3Pシュートを決め連続ポイントで食らいつく姿勢を見せる。相手に簡単にシュートを打たせてしまうシーンは続くものの、これまで通りインサイドに速攻で切り込んでいく他に、橋本や多久はアウトサイドで3Pを狙っていく貪欲さがあった。最終的には63―94と大差で終わったが、第4クオーターだけは21―21と互角に渡り合った。

 2年生も1年生も新人戦を通して収穫があった。今回キャプテンを務めた松本。いつもは消極的だという彼女も「今日は自分がいくぞ」と162cmの小柄な体で相手のディフェンスに切り込み、攻撃の起点となった。「これでいいんだって思えた」と納得の表情を見せた。1年生の藤野はシュート決定率こそ低かったが相手ボールをカットすると積極的にゴールに向かっていく強気なプレーでチームの攻め気を盛り上げた。多久はリバウンドの獲得だけでなく「普段は全然入らないが3Pもよく当たった」と3Pシュートの成功で点数を稼ぎ、今試合でチームトップの24得点の活躍を見せるなど自分たちの持ち味を発揮し始めた。
 さっそく来週には夏季選手権が控えている。「攻め気のある、自分たちがやるんだっていうのを全面にだしたバスケットができれば」と平田HC。昨年は2回戦で敗れた大会だが、昨年秋に2部昇格を決め、頼もしい1年生が加わり今までとレベルが違うチームになることは間違いないだろう。どこまで勝ち進めるか目が離せない。

[田中愛]

試合後のコメント
平田HC

「思ったより戦えていたなと感じた。時々ノーマークをつくって打たせてしまって、そうするとやっぱり決められるね。それから相手のプレッシャーが強いから時間が経つに連れこちらの体幹が狂わされた。だからイージーシュートを落としてしまうことが多かった。十分戦えていたと思うので、内容的には点差ほど離れているゲームではなかった気がする。今後が楽しみだと思える試合だった。良かったのは攻め気。最後まで気持ちが途切れることがなくて、攻め気という点は今日はすごく良かったと思う。1年生のパワーというのは大きい。今日は4人ともよくやってくれたと思う。この新人戦を通して、この1、2年が3、4年生になった時には面白いチームがつくれるだろうなということが見えた大会だった。自分たちの立ち位置っていうのも少し見えたかなという実感も2年生にはあると思うので、非常にいい大会であったと思う。夏季選手権でも今日のように攻め気のある、自分たちがやるんだっていうのを全面にだしたバスケットができれば、十分上の方を狙えるかなと思う。また1週間いい練習をしていきたい」

橋本
「出だしから当たりもきついし、最初から厳しかった。ボールを運ぶのにも苦労した。チームとしてはディフェンスが良かった。中に入られたときにみんなで寄せるということができていた。相手の大きい選手にボコボコ取られるということもなかったので、みんなで守れていたように感じた。それでもやっぱり相手のシュート精度はすごかった。スキをつくっちゃいけないなという感じで、気が抜けなかった。この新人戦に向けてはけっこう練習をさせてもらって、最初は先輩たちにもボコボコにされたが、段々互いの動きをも分かってかみあってきた。1、2年生らしく元気にガンガンいくっていうのがいいところだったので、それは出せた。今日の1試合をやって、なんというか強くなったなっていうことを感じられた。次からまた3、4年生とやる時は、出場するとしたら途中から出ることになると思う。いつも言われているのが流れを悪くしないことと、しっかりキープをしろということなので、出してもらった時には流れを悪くせず、みんなに溶け込んでやれるようにしたい」

松本
「白鴎って聞いたときは離されるだろうな、と思って挑んだ。もっと中に入れてガツガツっていうイメージだったけど(試合を通して)実際は結構外から攻めるチームだと思った。ここ抜けるなって感じるところもあった。他のみんなもそうだと思う。みんな攻め気でいけた。シュートも沢山入っていた。守りもできていた印象。中に入れられたら2人で詰めたりしていた。中に詰めて外に出されたときのディフェンスがいなくてスリー打たせたことが多かった。1部相手に攻め気でできたことは良かった。1人1人がファール貰うくらい強いプレーをしたり、いつもの自分は消極的ですぐパスとか回しちゃう方だけど今日は自分がいくぞっていう感じで挑めた。そうしたら抜けたしファールも貰えたし、これでいいんだって思えた。あとはイージーシュートを外さないことが課題。ディフェンスがまだ甘い。(ディフェンスが)付いてるのにスリー打たせるときがあったので1試合に対してプレッシャー掛けられるようにしたりローテーションも徹底してやればもっと良い試合になったんじゃないかと思う。1年生は最高だった。リバウンドとってくれたり、声出して盛り上げてくれたりして良かった。来週の都大会はキャプテンがいないのでそこを埋められる活躍をしたい」

多久
「自分たちはすごく攻め気を持ってやれた。ただ相手に簡単にシュートを打たれてしまう場面が多かったので、もう一詰め足りなかったかなと思う。今週は強い相手だったということで気を引き締めていこうっていうのがあって、当たりの部分でもあまり負けることなくやれたので、そこは良かった。自分のやりたいことはできた。あとは最後のシュートの部分で外してしまったりすることが多かったので、そこをもっと練習していきたいなと思う。(後半の得点について)1ピリはみんな攻め気でいけたけど、2ピリで弱気になってしまったので、3ピリからはもう一度攻め気を出すということで個人的にも空いたらシュートを狙っていった。あと、普段は全然入らないが3Pもよく当たった。(新人戦を通して)高校とは違ってある程度自由にやらせてもらって、1部のチームとも離されず戦えるということが分かったので、自分たちが4年生になるまでにもっと磨いて、1部2部入れ替え戦とかにいけるようになりたいと思った。今度は3、4年生と一緒にやれる。その分相手の3、4年生たちがいるのでもっと当たりが強い選手とも対戦することになる。新人戦で身につけた当たりの部分で負けないようにしていきたいと思います」

藤野
「(相手の白鴎大は)アウトサイドのシュートがよく決まっている印象だった。自分たちのミスが続いたので相手に良い流れを渡してしまった。今日の前半は特に攻め気でできたことが良かった。ディフェンスもプレッシャーを掛けることができた。1部校の身体の当たりとかを体感できたことが良い経験になった。運びの部分で相手のディフェンスが厳しくてそこでミスすることが多かった。(課題は)シュートを落としすぎていたこと。(来週の都大会は)ボールを貰ったら攻め気でオフェンス。ディフェンスもリバウンドルーズも相手に負けないように全員で戦っていきたい」