決めた大臣杯! 苦しみながらも東洋大下し準決勝へ/関東大学トーナメント

2015.06.03
決めた大臣杯! 苦しみながらも東洋大下し準決勝へ/関東大学トーナメント
 2年ぶりの総理大臣杯だ! 2―0で2部東洋大を跳ね返して7位以上を確定させ、夏のインカレ・総理大臣杯への出場を決めた。前半初めから明大がペースを握るが、シュートまで持ち込めない時間帯が続く。前半29分に和泉竜司(政経4=市立船橋)がGKを振り切り先制ゴールを挙げたが、これでも流れをつかみ切れない。危ない場面はつくらせないものの、ゴールにも迫り切れずおとなしい試合展開に。後半26分に交代で入った木戸皓貴(文2=東福岡)が追加点を挙げて苦しい試合に勝負をつけ、準決勝に駒を進めた。

和泉がGKをかわし先制点を決めた
和泉がGKをかわし先制点を決めた

 個人技で見せた。前半29分、差波優人(商4=青森山田)が「見えていた」と中央の和泉にパスを送る。少し浮いたボールでトラップが流れたが「キーパー出てこなかったらいけるというのはあったので、出てくるなと願いながら走った」(和泉)とDFと遅れて出てきたGKを振り切りシュート。落ち着いてゴールに流し込み先制点を挙げた。
 交代の役割を果たした。後半に入り守備に回る時間が増える中、15分に木戸を投入し最初のカードを切る。後半26分、途中出場の木戸がゴール前で髙橋諒(文4=国見)からのパスを受けると振り向きざまにシュートを放ち追加点。こう着状態が続く中での貴重なゴールで流れを呼び戻した。「途中交代の選手がカギを握るとは思っていた」(木戸)と5日間で3試合目となる連戦。調子の良さを買われて送り出された期待に応えた。

 3試合連続での無失点勝利だ。アミノバイタルカップに入ってから失点は0とリーグ戦と打って変わって堅守を披露。今日はこれまでの3-4-3から4-4-2にシステムを戻し「特に変えたことはなくて、コミュニケーションを取るということを意識した」(服部一輝・法3=札幌大谷)と声を掛け合いながら間延びを防いだ。結果を残しているが今大会では未だ1部校と対戦しておらず「今日の守備だと通用しないと思う」(和泉)と課題も多い。「能動的にハメに行ってショートカウンターっていう形が出てなかった」(小池佑平・政経4=セレッソ大阪U18)と受け身での守備となり、イージーミスや個々の力で守り切った場面も見られた。準決勝からは個人の能力だけでない、チームでの守備の向上も必要となる。

 2年ぶりの大阪行きを決めた。三冠を目標にしているチームにとって夏のインカレである大臣杯の出場権を得ることは絶対条件。昨年度は2回戦敗退で駒を進められなかっただけに「非常に良かった」(栗田大輔監督)と一つの目標を達成し笑顔を見せた。ここから先はどこまで順位を上げられるかが焦点となる。準決勝の相手は1部5位の法大。ようやくの1部校との対戦で、今大会での成長がどれほどのものかを確かめる絶好の機会となる。「アミノバイタルで優勝して内容を高めていければ」(道渕諒平・農3=ベガルタ仙台ユース)と大臣杯に向け、チームの成熟度を高めていく。

[谷澤優佳]

試合後のコメント
栗田監督

「大阪、総理大臣杯の出場権を獲得したので良かった。3試合連続で無失点で勝ち切れているので、非常にチーム全体としても安定感というか自信がついてくる。小出(悠太・政経3=市立船橋)にしろ小池にしろあと鳥海(晃司・商2=ジェフユナイテッド千葉U18)、河面(旺成・政経3=作陽)とか新しい選手が段々安定感を増してきてくれているので、誰が出ても相手に合わせてメンバーを選べる。チームとしてはいい方向に向かっている。もともとどの選手も能力は高いけれど、それがチームとしてフィットするようになってきたのが大きいと思う。(木戸の2点目について)非常に練習からシュートをよく決めていて昨日のトレーニングでも木戸のシュートがさえていたので、送り出す前も非常に今調子がいいから得点取るようにと。決めてくれたので良かった。(1点目について)いい守備からいい攻撃へ、そして和泉竜司という決めるべき選手が決めるというのは勢いが出るので非常によかったと思う。大阪で2年前に準優勝しているのでまたそこを4年生で経験してもらいたいと思っていたので非常によかった。やるからには勝負にこだわる、勝ち続けるというのは今年のチームの目標でもあるので、また次も頑張りたい」

和泉
「(ゴールシーンについて)さっしー(差波)が前向いて、裏というのはわかっていた。トラップは思っていたよりでかくなったけど、キーパーが出てこなかったのでうまくかわして落ち着いて決めれたのかなと。パスが結構浮いていたので、本当は中に行きたかったけど、流れてしまった。ギリギリいけるラインだった。キーパー出てこなかったらいけるというのはあったので、出てくるなと願いながら走った。キーパーがためらってくれたので。そこからちょっと出てきてくれたので、かわしやすかった。(試合について)我慢強くしっかり守りながらというのは良かったけど、守備ではまっている部分もあるけど、少しチームとしてどう守るかがばらばらだったと感じた。ああいう守備していると前がきつい。前が無駄追いして守備するのも大事だけど、もうちょいサイドハーフだったりがやることを限定したり、どこではめるかをみんなで明確にして持てばなと。もう少し楽に守れた。相手も正直、2部で個々の能力で守った感じがあるので、1部のチームやその上のチームの今日の守備だと通用するかと言われると、やっぱり通用しないと思う。個々で守れたのはプラスに捉えるべきだけど、チームとして攻撃もだけど、やること合わせてできたらよかった。でも勝ちながらそうやって課題を改善していければいい。負けたらなかなかそういう部分も気持ちよく受け入れられないというのもあると思うので、苦しみながらでも、勝てたのでよかった。今日を勝つか負けるではだいぶ違った。しっかり総理大臣杯決めるというのも目標だったので、とりあえずほっとしている。3冠狙いたいので、アミノしっかり結果出して勢い乗せて、専修とのリーグ戦も残っているので勝っていい雰囲気で大臣杯に入りたい」

小池
「やりたいサッカーができたかというとそうではないけれど、もちろんトーナメントで、大臣杯の切符がかかってる中で、ああいうサッカーでも勝てたっていうことは収穫かなと思う。やっぱりボールはもっと持てたと思うし、1部と2部の差もありますし、守備もリアクションで守ってしまったところがあって、能動的にハメに行ってショートカウンターっていう形が出てなくて、そこをもう少し出していきたかったかなと。ただ後半には特に左サイドでうまくハメてっていう形があったけれど、奪ってからの質と奪うまでの頻度を増やすっていうのがレベルの高い相手に対しては必要になっていくかなと。特に崩されてゴール前に運ばれる場面はなかったけれど、自分含めてポゼッションのイージーミスからゴール前に運ばれるっていうシーンがあって、けどそれは相手どうこうって言うよりは自分たちで改善できることなので。特にネガティブな課題はないと思う。リーグ戦で思うように結果を残せなくてその中でアミノバイタル始まって、初戦は1―0の厳しい試合の中勝って、チームの雰囲気も良くなっているし点も入りだしているので。自分自身も手応えを感じている」

差波
「何より勝てたことが一番よかったと思うし、大阪行きも決まったのであとはどれだけ順位を上げられるかというところにこだわってやっていきたい。明治は守備から入るチームなので無失点でできてるというのはチームとしてもすごい自信を持っていいと思うし、0に対してのこだわりは強いのでそこはみんながこだわってやってくれている結果が0で3試合連続終われているのかなと思う。(1得点目のパスは)奪った瞬間に竜司が見えていたので前に出して少し浮いたパスだったけれど竜司がうまくトラップしてくれたので竜司に感謝したいと思う。(2年ぶりに大臣杯出場が決まったが)4年目の年で大臣杯に出られるのはうれしいし、優勝するために、優勝したいんで、まず大阪行きを決めたことがチームにとっても自信になると思うし、その上で少しでも多くの勝利を大阪でできるようにまた良い準備をしていけたらなと思う」

瀬川祐輔(政経4=日大二)
「今日は攻守ともに納得のいく形にはならなかったけど、無失点で抑えられたのはよかったかなと。個人として、最初はドリブルで突っかけるイメージがあったけど、サイドで持った時に2枚で警戒してきたので途中からは背後を意識してFWに入った後の動きとか意識しながらプレーしていた。とりあえず点に絡まないと個人としても上には行けないし点を取ればチームも上に行けるので、とにかく点にこだわってゴール前の厳しさだったり、その中でも守備をやって自分の特徴を生かしていきたい。まず今日は守備から全員で入ることが出来た。そういった意味では勝てている要因かなと。点取られて守備守備言われているけど、攻撃で先に点が取れれば流れが楽になるので、スタッフの人も言っていたので、点を取ることを意識したい。3-4-3をやっていた時は、前でくさびが入った後だったりつながりの部分は良かったけど、3-4-3な分、後半に運動量が下がってきて間延びしたり、結局攻撃も上手くいかず、守備も上手くいかないだった。1番大事なのは取れるところでしっかり取っておかないと、相手の波をつくってしまう。負けと引き分けが続いていたので、とにかく初戦で勝てたことが大きかった。無失点で終われたことも自信になっている。ここで満足しないで優勝できるように、1試合1試合目の前の試合をどう戦っていくかが大事だと思うので、とにかくこの勢いを持続できるようにチームとして一丸となってやっていきたい」

服部
「相手が2部ということもあって、絶対に負けられない相手だった。しっかり守備から入って0で抑えて、あとは守ってればチャンスが来るのでしっかり決め切るということは意識して臨んだ。今大会は、試合中の声がすごい出るようになって、キーパーとかDFからだったり、全員が前の選手を上手くコントロールできている。それで0に抑えられているのかと思う。3-4-3を試した中で、4-4-2に切り替えて上手く守備から入ろうと意識はしていたけど、特に変えたことはなくて、コミュニケーションを取るということを意識した。やることは変わらないけど、3-4-3の時は前がかりになってはめていく形だけど、4-4-2の場合は取れなかったら下がってしっかりセットしてから出ていける。僕ら敵には引いてから、前に前に守備が出来るので、今のいい形につながっている。今日も間延びしないようにしっかり後ろがいける状態になってから、FWはプレスにいくことを試合前に話した。しっかり後ろの選手としゃべって、コミュニケーション取れている。しっかり0で抑えればPKまでいくので、負けることはないのでしっかり0で抑えることを意識してやっていました。関東1部のチームとやってないから何とも言えないけど、今は1本のチャンスがあっても、そのチャンスが1本来るとDF陣がしっかり予測しているので、1本のチャンスが来てもしっかり準備している。そういう部分では、今は決められる気がしない」

道渕
「納得のいく試合ではなかった。守備の場面が多かったのもあるけれど攻撃の時にもうちょっと周りと連携してつながれてなかった。外側ではいけるけれど内側でゴールに直結するような動き出しが少なかったのでそれがシュート打てなかった要因だと思う。自分たちは両SBとSHのサイド攻撃が強みなので、両SBとSHが全員ドリブルで仕掛けられるしボールを持てるので外側からの攻撃を徹底しようとチームも言っている。今日はあまりいい形でボールを奪うことができなくてサイド攻撃があまりできなかったけれど、その中でもいい形というのは少しずつできてるかなと思う。前の試合サイドからいっていたけれど、そこを相手がスカウティングしてきてサイド警戒してきたと思うのでその分得点が生まれたと思う。自分たちがボール持ってサイドに人数かけてきて防ごうとしたのでその分中薄くなったかなと思う。(2年ぶりの大臣杯出場決定だが)優勝、三冠という目標を掲げているので結果にこだわって、その中でも大臣杯に向けてアミノバイタルカップでしっかり内容も求めて結果もアミノバイタルで優勝して内容を高めていければ、大臣杯でも結果が出るのかなと思う」

木戸
「前回もそうだったけれど、入るときにスタッフ陣から「点取ってこい」って言われたので今日も出たら絶対点とってやるって思っていて、その強い気持ちが点につながったんじゃないかなと思う。ゴールシーンはいい形でパスが来たんで、時間帯とか考えたらシュート打っていこうと思っていたので自分の得意なシュートを流し込むだけだった。試合が続いて疲れもあると思うし、途中交代の選手がカギを握るとは思っていたので。自信持ってプレーできた。総理大臣杯は決まったけれど、リーグ戦はまだ残っているし、勢いをつけるって意味では優勝してリーグ戦最終節の専大戦に繋げたい。準決、決勝勝って専修戦も勝って、前期いい形で終わりたい」