攻守がかみ合い朝鮮大に6―0完勝で2回戦突破/関東大学トーナメント

2015.06.01
攻守がかみ合い朝鮮大に6―0完勝で2回戦突破/関東大学トーナメント

 6-0と朝鮮大を圧倒した。アミノバイタルカップ2回戦、朝鮮大との試合は試合開始直後に柴戸海(政経2=市立船橋)と藤本佳希(文4=済美)が立て続けに得点した。勢いに乗った明大は前半だけで3―0と突き放す。後半は中盤まで大きな動きがなかったものの、和泉竜司主将(政経4=市立船橋)が4点目を決めたことで明大の猛攻が再燃し、終わってみれば大量6得点。最後まで明大が試合を支配し堂々の勝利をした。2回戦を突破した明大は3回戦への切符を得て、総理大臣杯出場に王手をかけた。

 攻撃は波に乗っていた。後半40分、瀬川祐輔(政経4=日大二)が左サイドから切り込みシュートを決めた。明大の6点目は足が止まり始めていた朝鮮大に文字通りとどめを刺した。前半2分、差波優人(商4=青森山田)の右サイドからのフリーキックが走り込んでいた柴戸の足元にドンピシャリ。柴戸が見事にミートし先制する。そこからエンジンがかかり、続く前半6分には藤本が中央でのドリブルから追加点を挙げた。早々に2得点を挙げた明大の勢いは止まらなかった。「全員が得点したからといって守備だけにならなかった」(和泉)と得点で勝っているためリスキーなプレーは避けつつも、終始攻めの姿勢を維持していた。
 守備も光っていた。「堅守」が売りの明大は見事2試合連続無失点勝利を収める。髙橋諒(文4=国見)の懸命なクリアやGK服部一輝(法3=札幌大谷)のスーパーセーブにより難を逃れるなど数回危なげな場面があった。しかし全体を通してみれば高い完成度を誇っていたのは間違いなく、勢いを得た明大に失点の2文字は似合わない。

 チームの総合力を見せつけた。連戦が多くなるトーナメント戦では、同じ選手を使い続けることは難しい。しかし明大に問題などなかった。今シーズン初スタメンの瀬川の得点に加え、途中出場した選手も存在感を出していた。「出る選手がみんな活躍してくれているので良かった」(栗田大輔監督)と監督も満足気。特にその象徴となったのが途中出場の木戸皓貴(文2=東福岡)と小谷光毅(政経4=ガンバ大阪ユース)だ。差波のロングボールは朝鮮大の選手たちの頭上を越え木戸の元へ。フリーだった木戸を朝鮮大のDFは止めることができず、豪快なシュートで5点目をゲット。また藤本に代わって入ってきた小谷も試合終了間際にファウルを朝鮮大から奪いPKを獲得する。得点こそできなかったが攻守にわたりチームに大きく貢献した。

 期待が膨らむ試合結果であった。昨年のアミノバイタルカップではこの2回戦で青学大に無念の敗戦をした明大だが、今年は朝鮮大に6点差を付けて3回戦進出を果たす。総理大臣杯出場がかかる第3回戦の相手は東洋大。東洋大は2回戦で現在関東リーグ1部首位を走る国士大を下しており勢いがある。しかしここ数試合の明大の試合内容と同等のプレーができれば勝てる相手だ。まずは3回戦に勝利し総理大臣杯出場を決める。

[渡邊弘基]

試合後のコメント
栗田監督

「(今日の試合を振り返って)6点取ってなおかつ無失点で勝つことができたので、悪くない勝ち方ができたと思う。ここずっと内容が悪くなかったのであとは決めるべきところで決めるということを強調した。チームで矢印をもう一度統一して、個人個人でバラバラな方向を向かないようにそこの整理をして、あとは選手たちの感性を大事にするということをやった。DF陣もよく頑張ってくれて、集中して全員がきちっと守備の意識を持って抑えてくれていた。(1回戦では終盤まで得点ができなかったが)1回戦は23本シュートを打って1点止まりだったが、チャンスはたくさんあった。そう考えると今日は6点。決めるべきところで決めることができていた。(チームの総合力という部分は)出る選手出る選手がみんな活躍してくれているので良かった。連戦の中でチームの力というものを発揮できたと思う。(3回戦東洋大戦に向けて)東洋大は非常にコンパクトで強烈というか、推進力のある選手がそろっているのでもう一度気を引き締めていい準備をしたい。我々はずっとチャレンジャーとして、総理大臣杯の出場権手に入れるためまずはやっていきたい。(チーム状態は)非常に今日はいいゲーム内容だったので、勝ちを得ることができたことをきっかけに勢いに乗ってもらいたい」

和泉
「(試合を振り返って)立ち上がり良い形で得点でき、追加点も取ることができたので展開的にも落ち着いて試合運びできたと思う。(前戦に比べ早い段階で得点できたことについて)試合運んでいく上でトーナメントだし、先制点は重要なので、それがワンプレー目で点を取れたのはすごい大きかった。そのあともしっかり落ち着いて全員が得点したからといって守備だけにならなかったし、点を取るために優先順位を考えながら全員でプレーできたことで2点目3点目につながったと思う。(2試合連続得点について)昨日とはまた違った得点の仕方だったが、前半3-0でパーフェクトな展開であったけど、後半最初に取るか取られるかというのは重要なものなので良い時間に取れたと思う。(昨年破れた2回戦目を突破したことについて)試合が始まる前選手間で昨年ここで負けているというのは忘れずにしっかり自分たちで同じ結果にはしたくないとみんな気持ちが入っていた。また自信につながる良い試合だった。(次戦の東洋大について)東洋にはこの間負けたので、リベンジがこんなに早くできるのが嬉しかった。東洋に勝つ力はあると思うのでそれに向けてしっかり準備していきたい。」

差波
「(今日の試合を振り返って)しっかりと勝ち切ることができたし、自分たちが絶対に勝つことができるという自信を持ちながらも油断は無く試合に臨んだ中で立ち上がりの得点は大きかったと思う。今1部でやっているチームが何チームか負けている中で、僕たちも負ける可能性があるという緊張感や危機感を持ちながら自信を持ってやるということが今日はうまくできたので、チームとしての自信につながったと思う。トーナメントなので得点を多く取ることは大事だが、今日は勝ち切れたことが大きい。ここ最近リーグ戦でも勝ち切れていなかった中で竜司だったり佳希だったり決めるべき選手が決めてくれると、僕らが主導権を握りながらゲームを運ぶことができると思う。勝って喜びたい気持ちはあると思うが、その中でまだまだやることはいっぱいあるし、油断できる相手はいないので、そこは喜びたい気持ちを抑えてでも次に切り換えることがトーナメントでは大事だと思う。(3アシストをマークしたが)セットプレーでは僕がいいボールを蹴れば中は絶対に決めてくれると思っているし、セットプレーはキッカー次第だと思っている。今日は受け手とうまくイメージの共有ができていた。(守備のリスク管理という部分は)今日は4ー4ー2だったので、いつもとは少し違ったがそこは小出と鳥海の2CBが声を掛けてくれてやりやすかったし、室屋あたりも僕と柴戸に90分間声を掛け続けてくれたので後ろの人たちには感謝しています。前からのプレスも行けていたし、ブロックを作るところはブロックを作ることができていた。(3回戦は国士大を下した東洋大となるが)相手がどこであってもこっちのやることは変わらないし、僕たちは自信を持ちながらも相手のことをリスペクトしながらやっていきたい」