3年ぶりに決勝進出!王者東海と互角の勝負/東京学生優勝大会

2015.05.25
 王者東海大を追いつめた!昨年準々決勝で敗れた東海大と決勝で対決。明大は3年ぶりの決勝の舞台だった。昨年度優勝の東海大相手にチームカウント2―3で敗れたものの、一時はリードを奪うなど、接戦で東海大を追いつめた。次なる舞台である全日本学生優勝大会へ向けて、確かな手ごたえをつかんだ。

 国士大に7年ぶりの勝利。順調に3回戦まで勝ち進んだ明大は、強豪国士大との対決となった。優勝候補の国士大を3―0で下し、ストレート勝ち。続く日体大戦では、上田轄麻主将(政経4=愛知県私立大成)がしっかり一本を取り金山天地(政経2=柳ヶ浦)へとつなげると、身長差のある相手に一本勝ちを収めた。2―0で日体大を倒し、3年ぶりの決勝進出を果たした。
 頂点が見えてきた。決勝の相手は王者東海大。会場の歓声に包まれながら始まった。先鋒は東海大に敗れるも、次鋒田中源大(政経1=高川学園)が有効で優勢勝ちとなった。五将が引き分けに持ち込むと、中堅上田が本領を発揮した。相手は国際大会の出場経験がある香川(東海大)で、序盤は両者とも慎重に組んで技を出し合う。静かに観客が見守る中、上田が先手を打った。内股で相手を崩すと、そのまま寝技に持ち込み袈裟固で一本を取った。明大が一歩リードした。その後三将金山、大将名垣浦祐太郎(政経2=大成)がそれぞれ敗れ、結果2―3と逆転負けを喫したものの、王者東海に劣らない戦いぶりを見せた。「一人一人みんなが力を出せていたので、決勝の内容も全然悪くはなかった」(上田)と満足のいく試合になった。

 上田轄麻始動。先月行われた全日本選手権大会でベスト8位入りを果たした上田は、今日の5試合中4試合を一本で勝ち取った。特に日体大戦と東海大戦での上田の一本勝ちは、チームの活力に大きく貢献した。猿渡琢海監督の「4年生になってキャプテンになって、うちのチームの柱として全部の試合で一本取ってくるというのが柱の役割だと思う」という言葉通り、上田は重要な場面で一本を取る選手としての理想に近づいている。東海大戦で当たった香川とは、前回の試合で苦戦するも今回は一本で勝ちを取り、勝負強さを見せつけた。「自分が引っ張っていかなきゃという思いが大きかった」とキャプテンとしての責任を見事に果たした。練習も1日1日を大切に、しっかりとやってきた。今後どのようにチームをまとめ上げて引っ張っていくのか目が離せない。

 明大を勝利に導いた。初の団体戦でメンバーとなったルーキー3人、小川雄勢(政経1=修徳)・川田修平(政経1=愛知県私立大成)・田中源大。全試合に出場し、年上選手にひるむことなく戦った。大学の柔道のレベルに「思ったよりやっていけるなって感じ」と語った田中は、東海大戦で35キロの差のある倉橋(東海4)に有効で優勢勝ちを勝ち取った。三度目の指導を取られたとき、攻めるしかない場面で恐れずに技を出していった。「行け!田中!」の声のすぐ後に、有効を取りそのまま終了。「東海戦のとき結構足技ができてた」(川田)と、得意技で試合を決めたことを喜んだ。川田は先鋒で、チームの流れを作る大事な役割を果たし、2回戦の対武蔵大で一本勝ちを取ると、続く選手も一本勝ちする流れを作った。東海大戦では惜しくも試合を制すことはできなかったが、猿渡監督は「同じ組み手をしなければ次は同じ相手に勝てる」と川田の次戦を見据えた。オリンピック選手の息子として期待が懸かっている小川も、今大会では負けなしと期待にたがわぬ活躍を見せた。猿渡監督からは「次の全国大会でしっかりとポイントゲッターと言えるようにしていきたい」と期待されている。3人とも初の団体戦だったが、先輩たちに引けを取らない試合をした。団体戦で頼れる選手として、これから活躍していくルーキーに期待が高まる。

 「これから1か月間やらなければいけないことができた」(森下正部長)と次の全日本学生での課題を見つけた。1年生を含めて、今年は十分優勝を狙える選手が集まり、明大の柔道部の新たな歴史が見れるだろう。上田主将を筆頭に、全日本も「しっかり優勝を狙っていこうと思います」と意気込みを見せた。14年ぶりの全国制覇に向けて、チーム一丸となって頂点を目指す。

[長谷川千華]

試合後のコメント
猿渡監督

「(3年ぶりの決勝進出)今日はもう優勝するつもりで練習をやってきたので、決勝まで来たけど最終的に一番強い東海大学を越えられなかったということで全日本学生に向けて課題ができたので。収穫と悔しさが半分くらい。(上田が大車輪の活躍)4年生になってキャプテンになって、うちのチームの柱として全部の試合で一本取ってくるというのが柱の役割だと思うし。チームの中心にいる選手たるべき存在だと思うので。それを上田が新しい世代のキャプテンになってから言い続けたことなので、それがようやく結果として表れたので。上田自身にも自信になったと思うし。まだ今日の試合でも一本取れない試合があったから、次は全部の試合で一本取ってチームが勝てるようなチームに、この1カ月でやっていければなと。僕の求める結果には近づいたと思う。(1年生3人が全試合出場)高校チャンピオン、高校のトップとして戦ってきたので。小川に関しては全日本ジュニア、田中に関しては全日本選手権にも出てるし、そのレベルでやれているということは学年関係なく学生の大会でも結果が出せると思うので、主人公になれると。上川(平24営卒)にしても棟田(平15法卒)にしても1年生の時からポイントゲッターとして戦ってきた、その経験が世界につながったんだと思うし。入ってすぐのこの短い3ヶ月という間での成長はまだ見られないけど、今後につながる経験だと思うので。決勝戦では結果的に川田が負けてしまったけれど、同じ負け方を次はしなければ、同じ組手をしなければ次は同じ相手に勝てると思うので。その経験を積み重ねていってほしい。(東海大戦では小川はポイントを取れず)小川に関しては今は相手に組み勝つところまではいけるけれども、それから投げることができない。で、東海大戦もいいところまではいったけれども引き分けに終わってしまった。今彼に取り組ませていることは相手を投げること、自分の得意技を磨くことを重点的にやっているので。技も意外と相手を投げられるようになってきているので、この1カ月間でさらに強化して、次の全国大会でしっかりとポイントゲッターと言えるようにしていきたい。(どのような技を)身体が大きいのでオーソドックスに大外刈り、それから大内刈り。それからもともとできつつあった払腰とか。その3つを重点的にやっている。(次は全日本学生)自信はないけど勝ちたいからね。この春から合同練習とか練習試合とかで東海とか国士とか日大とか筑波ともやってきた中で、今年はいけるかなという感触があったので。まあ今回の東京大会でも国士舘に圧倒的とまではいかないまでも勝つことができたし、東海にも勝つかなと思っていたけど接戦で終わってしまったので。あと1カ月間で微修正しながらさらに強化していく。その辺は選手たちを信じてやっていきたい。(キーになる選手は)それはキャプテンの上田だし、今日頑張った1年生3人。4点取れば勝ちだから」

森下部長
「(久しぶりの2位)負けた気がしない試合だった。優勝決定戦まで負けなしで上がってこれたので、今日は2位という成績に終わったけど次は全日本学生が控えているので。かえって優勝しないで2位になったということは、これから1カ月間やらなければいけないことができたと。これからしっかりと調整していけば久しぶりの全国大会優勝も狙えると思います。今日のポイントは4年生の上田が全ての試合で勝つことができたのが大きいと思う。これから全国大会でも彼が勝てば後輩たちも力を出してくれるんじゃないかと思う。(来月は全日本学生優勝大会)十分狙える。今日も東海にコテンパンに負けたわけじゃなくて戦術でうまくいかなかったところがあるけど、それまでほぼ対等にできたということはこの後の試合でもうまく戦えるんじゃないかと思う」

上田
「(久々の決勝)一人一人みんなが力を出せていたので。決勝の内容も全然悪くはなかったので、全日本までに一致団結してやっていけば優勝も見えてきているので。いい流れじゃないですかね。(自身も重要な場面で一本を取った)それは当然の役割というか。自分が取らないと、みんな年下なので自分が引っ張っていかなきゃという思いが大きかった。(決勝では全日本以来の香川との対戦)あんまりやりやすいイメージはないんですけど、いつもの練習通りにやってきたことが出せたと思う。ずんぐり体型があまり得意じゃなくて。(試合前は)練習でやってることをしっかり出せば大丈夫だと。それなりにみんな練習してきたので。その練習がみんな自信になってると思う。(主将になってから特にやってきたことは)その日、一日一日しっかりと練習をしてきたことですかね。(1年生3人が全試合出場)本当にみんな頑張った。(練習から見て)強い。みんなと練習して強くなって、僕もすごく成長してると思う。アドバイスもちょくちょくします。スタイルがみんな左組みで自分と一緒なので、自分の伝えられることはできるだけ伝えるようにしている。(東海への勝算は)自分が確実に一本取って、あとみんなが取りにいくっていう気持ちでやっていけばいけると思う。(全日本に向けて自信は)手応えはあるので。しっかり優勝を狙っていこうと思う」

田中
「(大学の柔道のレベル)思ったよりやっていけるなって感じ。(全ての試合に出たこと)技の入りがまだ遅いので、自分から技に入れるようにしたい。(先輩たちの柔道は)上田先輩みたいに1本取れるようにしたい。(試合前に声掛け)自分から技をかけろと言われた。自分から技かけれないから言われました。(1番できたこと)足技。東海戦のとき結構足技ができてた。(川田の次で思ったこと)取り返したいと思った。有効でも取れたので良かったなと。(次戦へ向けて課題)全部の試合で1本勝ちができるように。内股と足払いが得意。寝技は苦手」