渡辺が単複優勝の栄冠に輝く/関東学生新人選手権

2015.05.25
渡辺が単複優勝の栄冠に輝く/関東学生新人選手権
 多くの1年生にとって明大の選手として初めての出場となった今大会、期待のルーキーが結果を残した。渡辺裕介(商1=明徳義塾)がシングルス、ダブルスでともに優勝を果たした。単複優勝は実に7年ぶりの快挙だった。ダブルスでも渡辺は初めて組む酒井明日翔(政経1=帝京)と終始息の合ったプレーで他ペアを寄せつけなかった。

ダブルス
 酒井・渡辺組が新人戦優勝を飾った。決勝戦の相手は筑波大の坪井・三浦組。坪井は昨年のインターハイで単複、団体で優勝と3冠を手にした強敵だ。当時、渡辺も坪井にシングルスの決勝、ダブルスの準決勝で対戦したが、ともに敗れている。「リベンジしたかった」(渡辺)とペアを組んで日が浅いが相性の良い酒井と共に積極的に攻め立てる。第1ゲーム序盤から6―2と流れは酒井・渡辺組。その後点差を詰められ9―9の同点にされる。それでも「先にリードしていたので余裕があった」(渡辺)と焦る様子はなく、最後は振り切りまずは1ゲームを手にした。
 第2ゲームも第1ゲーム同様にリードしていたが追い付かれる展開に。「渡辺は大事なところで点を決めてくれる」(酒井)。要所で決まる渡辺のサービスエースで試合の主導権を渡さず、11-9の接戦を制した。第1、2ゲームでの勝利で流れに乗った酒井・渡辺組。最終ゲームは危なげなく得点を重ね続け、11―6でゲームセット。優勝を決めた2人には安堵(あんど)の表情が見られた。

 先週までリーグ戦で活躍していた酒井・渡辺組。2人での練習時間は少なかったが「お互いの良いところを引き出せた」(渡辺)と持ち前のポテンシャルと相性の良さで短い準備期間をカバーした。昨年、明大が単複優勝を成し遂げた関東学生選手権が来月開催されるが、このペアで出場が決まっている。今以上に成長した2人のコンビネーションに期待が高まる。

シングルス
 優勝が決まった瞬間控えめなガッツポーズを見せた。「緊張はなかった」と渡辺。1ゲーム目を11―5で奪うも2ゲーム目を5―11で奪い返される。3ゲーム目は「相手の調子が良くなっていた」(渡辺)と話していた通り郡山(専大)のサーブやレシーブがさえていてゲームカウント5―9まで追い込まれた。しかしそこから2連続ポイントを取ると相手はたまらずタイムアウトをした。「強気でいけと監督から言われたので開き直った」(渡辺)と強気なプレーを見せ3連続ポイントで同点に追い付く。その後3度セットポイントを握られるなど厳しい展開も、粘り負けずに16―14で制した。続く4ゲーム目は6連続ポイントを奪うなど渡辺のペースでゲームが進み見事栄冠を勝ち取った。

7年ぶり単複優勝に輝いた渡辺
7年ぶり単複優勝に輝いた渡辺

 昨年の今大会シングルス王者である森薗政崇(政経2=青森山田)でもかなわなかった単複優勝を果たした渡辺。これから主力の1人となっていくことは間違いない。頼もしいルーキーたちの活躍が明大のグランドスラム2連覇という挑戦に追い風がもたらすだろう。

[田中愛・木村亮]

試合後のコメント
稲津保志(営1=慶誠)

「明治大学は全国1の大学で、あまり強くない自分が明治のユニホームを着て試合に出るのはプレッシャーがあったけれど、誇りにも思った。緊張していいプレーはできなかったけれど、今後明治で活躍できるように頑張ろうと思えた。今回は3回戦敗退で結果は残せなくて全然駄目だった。もっと動いて打てるようにならないといけないと思った。これからは全日学に出場して、少しでも上にいけるように頑張っていきたい」

鎌田星矢(商1=松徳学院)
「今日は思うように結果が出て、すごく嬉しかった。勝ち進めたのは自分の中で自信になった。(次の目標は)全日学の予選で結果を出して、全日学に出場すること。(部の雰囲気は)先輩とも仲良い。先輩には良くお世話になっている」

酒井
「5回戦までの出来は凡ミスとかをしていたので納得の行く出来では無い。(ニッタクの)ボールに対応していかないとこれから通用しないと思うのでそれに慣れる事と台上技術があまりうまくないのでそこをうまくしていく。(負けた相手とは)特別やりにくいという訳ではない。自分のプレーができなかったので悔しかった」

滑川達也(国際1=千葉経済大附)
「明治って日本で1番強いので、プレッシャーもあったんですけど、自分はあまり勝てなかったので、次は頑張りたい。シングルスとダブルスでベスト8入ることが目標だったんですけど、どちらも達成できなかった。この大会を糧にしたい。(4年間の目標は)全日学に出場して、ランクに入ること」

古市真暉(情コミ1=白子)
「明治大学は日本一強い卓球部なのでそこで練習させてもらう以上勝つのは当たり前だと皆に見られる。そういう意味ではプレッシャーはあったのだけれども自分は実力が無い方なので今から頑張っていきたい。3回戦でダブルスもシングルスも負けてしまってふがいない試合をしてしまったと思っている。次の試合で思うようにいかなかった事を試合で活躍できるようにこれから頑張っていきたい。調子は悪い方では無かったが自分の力を出し切れていないので頑張っていきたい。動ききれていなかったのでもうちょっと早く動けるようにしたい。(目標は)全日学に出場する事」

三井健介(文1=大阪桐蔭)
「シングルスもダブルスも結構早い段階で負けてしまったが自分の中では良い点も悪い点もしっかり見えて明確になった。そういう意味では今日は良かった。同じ歳で酒井や渡辺が最後まで試合に勝ち上がった。それをしっかり刺激にして頑張っていきたい。技術的な部分ではバックハンドがあまり得意ではないのでそこをカバーしようとしてフォアで行くのだけれど、打点が落ちてしまって先に相手が上からかけられてしまう展開が多かったのでしっかりバックハンドを強化してフォアの打点を落とさないようにしたい。1ヶ月後にまた試合があるのでそれに向けてしっかりバックハンドを強化してそこからフォアにつなげるという事を練習してやっていきたいと思う。(今後の目標は)関東学生のランクに入って全日学(の出場権を)取れるように頑張りたいと思う」

渡辺
「(優勝した瞬間は)単純にうれしかった。(決勝の相手は)高校時代から仲良くて、手の内も分かっていた。定期戦でも勝っていて、苦手意識はなかった。緊張はなかった。(試合中は)3ゲーム目は相手の調子が良くなっていて、手のつけようがなかった。もう開き直ってどんどん攻めていって結果が出て良かった。レシーブが弱気になっていたので、強気に攻めた。決勝戦が1番厳しかった。他にも辛い試合はあったが、余裕はあった。精神的に厳しかった試合が決勝戦。やっぱり特に3ゲーム目。(タイムのときは)強気で攻めていけと言われた。その言葉通りに、ミスしてもいいから強気で攻めた。サービスが思ったところに決まってくれた。練習していた、最近自分が出したい回転を出せたのが良かった。リーグ戦終わって練習もあまりできなかったけど、そのわりには前日合わせて全体的にいいプレーができた。関東学生は2年生以上も出てくるからレベルが高い大会になるので、そこで優勝したい」