またも終盤で勝ち切れず 8位で春を終える/春季関東大学男子1部リーグ戦

2015.05.25
またも終盤で勝ち切れず 8位で春を終える/春季関東大学男子1部リーグ戦
 今シーズンを象徴する試合だった。リーグ最終戦となった今試合は順大と対戦した。第1セットから第3セットまで、いずれもセット終盤の20点台へは少ない点差で突入するも取り切ることができずストレート負け。リーグ戦開幕直後には2位を走っていた明大だったが、後半戦での勝負どころで勝ち切れない連敗が響き、4勝7敗の8位でリーグ戦を終えた。 優勝は全勝で中大。圧巻の春連覇を達成した。

 攻め入るスキを与えてしまった。第1セット、16─21から與崎風人(政経4=鹿児島商)のサービスエースを皮切りにサーブで相手のリズムを崩すと連続ポイントで同点に追い付く。順大は2度のタイムアウトを使い、なんとか明大の猛攻を凌いだ形となった。23─24からは小林凌(政経3=桐生市立商)の移動攻撃、さらに吉野(順大)のレフトスパイクを完璧に捕まえるブロックがさく烈し、セットポイントを握る。しかし「終盤の詰めの甘さがあった」(與崎)。追い付かれた25─25からは逆に與崎のレフトスパイクが相手ブロックに捉えられ、続く得点も許し25─27でセットを落とした。

サーブ、スパイクともにキレを見せた與崎
サーブ、スパイクともにキレを見せた與崎

 悪い流れを断ち切ることはできなかった。第2セットも第1セットと同様に競った展開が続いた。加藤寛樹(政経2=創造学園)のライトからのスパイクで徐々に流れをつかむと先に20点台へ突入する。しかし23─22から3連続ポイントを許し23─25でこのセットも取ることができなかった。「序盤、中盤、終盤と追い付いた時に休んでしまった。また抜かれて、また追いかけての繰り返しだった」(政井拓歩・営3=市立尼崎)。第1セットの反省を生かすことができず、最後の最後で再び勝機を逃してしまった。

 なんとか食らい付いていきたい第3セット。序盤、またも與崎のサーブから相手を完全に崩し5連続得点で9─3と大きく突き放す。しかし順大のライト側からの攻撃に翻弄(ほんろう)されあっという間に点差がなくなると、終盤まで得点を奪い合う攻防が続いた。そして佐伯大輝(政経2=新田)のAクイックで24─24と再びジュースに突入。しかし2本のサーブミスが生まれ、セットカウントで有利な順大にさらに余裕を持たせてしまった。「(攻めたい気持ちと確実にいけという指示で)気持ちがあやふやだった」(小林凌)。攻め入らなければならない場面で精彩を欠いた明大はジュース後、4度セットポイントを握り攻めていたが、最後は逆にサービスエースを決められ29─31。接戦を繰り広げながらもストレートで敗れる結果となった。

 リーグ戦は苦しい戦いだった。開幕から1セットも取られず3連勝し勢いを見せたチームだったが、中盤からはなかなか勝てない苦境が続いた。大きかったのは6日目の早大戦。「このチームで初めて」(瀧野)という2セット連取で勝利も見えてからの、フルセットでの大逆転負けだった。この試合で狂った歯車を戻すことはできず、リーグ後半戦には勝てる試合を何度も落とした。勝ち切れない理由を「気持ち」と選手は口をそろえる。勝負どころで流れを奪われると、チームからは粘りの形が消えた。瀧野は「ふがいなかった。応援してくださっている人に申し訳ない気持ち」と悔しさをにじませた。しかし今季はリーグ戦初出場の選手らが躍動。サイドの川村悠希(政経2=雄物川)、加藤に加え、センターでは唯一全試合出場した小林凌、ケガで欠場した原の代役として奮闘した佐伯など新戦力の活躍が光った。チームとしての好スタートこそ切ることはできなかったが、それまでは見られなかった層の厚さも生まれるなど今後への期待要素は多い。岡崎吉輝監督も「相手がどうこうより、自分たちが原点に戻ってやっていけば勝てる」とチームの実力には箔をつける。続く6月の東日本インカレでチームが目指すはもちろん優勝だ。気持ちを切り替え、また新たに挑戦を始める。

[川合茉実]

◆春季関東大学1部リーグ戦日程表◆5月23日現在
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日付 対戦相手 場所 スコア
4・11
法大
早大戸山記念会堂
○3{25―17、25―12、25―22}0
4・12
日体大
早大戸山記念会堂
○3{25―19、27―25、25―17}0
4・18
専大
早大戸山記念会堂
○3{25―19、25―21、25―21}0
4・19
東海大
早大戸山記念会堂
●1{25―21、19―25、19―25、18―25}3
4・25
中大
東海大湘南総合体育館
●0{15―25、17―25、21―25}3
4・26
早大
東海大湘南総合体育館
●2{26―24、25―20、23―25、19―25、23―25}3
5・10
筑波大
日体大健志台米本記念館
●1{25―23、19―25、22―25、21―25}3
5・16
学芸大
日体大健志台米本記念館
○3{25―16、17―25、25―21、31―29}1
5・17
慶大
日体大健志台米本記念館
●2{22―25、25―21、24―26、25―22、13―15}3
5・23
国士大
日体大健志台米本記念館
●2{21―25、25―21、26―24、20―25、13―15}3
5・24
順大
日体大健志台米本記念館
●0{25―27、23―25、29―31}3

岡崎監督
「情けない試合。最後まで勝ち負けというよりも、プロセスが悪いのが選手にとってもプラスにはならないような展開だった。(リーグ通して)ベンチから見ていてリードしているときは追いつかれてしまう、負の雰囲気があった。逆に負けそうなときは何かのきっかけがないと追いつけないし、そのままあきらめがチーム内に出てしまう。そこが今の一番の弱み。やっていて苦しそうに見える。気持ちの部分を変えないとこの先は厳しい。勝ってるときは雰囲気は勝手に良くなる。負けてるときには練習にもその雰囲気を引きずってしまっていた。そこがリーグ戦の難しいところで勝っても負けても次があるというところが悪いところでもあるのかなと思う。(東日本に向けて)相手がどうこうより、自分たちが原点に戻ってやっていけば勝てる。リーグ前の中大との練習試合でもいい勝負をしていたし、どこのチームに負けるようなチームではない。それを過信せず、一からやっていって欲しい」

瀧野
「自分たちが試合を通して気持ちでリードしても追いつかれたりとか甘かった部分があった。負けるときはいつも同じ流れだった。東日本に向けてやっていかなきゃいけないとこ。(競った展開で)競ると練習でのプレーができない。クイックで切りたくても切れなかったり、レフト1本になってしまったり、サーブミスとか防げるミスが出てしまう。そこが反省点。(順大の印象)合宿でもいい勝負は出来ていても結局負けていて、今日は胸を借りる気持ちで挑んだ。(リーグ振り返って)ふがいなかった。応援してくださっている人に申し訳ない気持ち。自分たちに弱い部分が目立ったリーグだったので直していかないといけない。技術面も団結力とか私生活の緩みがコート内でも出ているということに気がついた。(カギとなった試合)早大戦。ストレートで勝てた試合を3、4、5と取られた試合。そこでおかしいなという感じはあったし、その後にあった黒鷲旗も3連敗して負け癖がついてしまった。早大戦で勝てていれば流れも変わっただろうし、このチームで初めて2セット取ってからの逆転負けだったので痛かった。そこまではストレートで勝てていたので、動揺もあったのかなと思う。(東日本まで1カ月)少しは手応えを感じている。結果は負けだが、こうやったら勝てたというのもある。どこが悪いかしっかり分析して、メンバーも全カレで勝てるメンバーをそろえて東日本に挑んでいきたい。一つでも課題を克服することを目標にこの1カ月はやっていきたい。春リーグとは違う明治を見せたい」

與崎
「サーブキャッチからのコンビという面ではできていたかなと思うが、大事な場面でそれを出すことができなかった。終盤の詰めの甘さがあった。取れるところで取りきれず、競った場面でも連続失点したりその繰り返しだった。そこをできるだけ少ない失点で切り抜けて終盤に入れるかというのが課題。()去年から入っているメンバーもいたが、今年から入ったメンバーの方が多い。その面では経験になったと思う。ここで勝ちきれなかったのは去年から出ているメンバーの甘さもあったし、フォローしあってチームになってできたらよかった。(カギだったのは)早稲田戦を5セットやって取りきれなかったのが大きかった。その前の中大戦も自分たちのバレーできてなかったし、やりたいようにやられてしまった。(今後のチーム)今の形から進化するのではなく、今やっているバレーを堅実にして磨いていかないといけない」

小林凌
「ずっと同じテンポでやってしまった。同点になって目が覚めるじゃないが、点差ある時にいけなかった。点差的にも余裕や、気持ち的にも一人一人余裕はあって気持ちの緩みというのがあった。(順大の印象はリーグ戦前の対戦と比べて)メンバーも違ったし、特にライト側からの攻撃が良かった。以前よりもやりづらかった。センターもBキャッチ入ったらはずさないので、一枚勝負になって結局相手の形になってしまってバンバン決められてしまったという感じ。最後のサーブミスは中間というか気持ちがあやふやだった。攻めて行きたかった。この試合はサーブが鍵になってくるところだったと思うが、ミスが出てこういう結果になってしまった。(リーグ戦を振り返って)個人的には初めて全部スタメンで出て、明大はいい時と悪い時がはっきりしてると感じた。悪い時にどういうふうにやっていくかというのが課題になってくると思う。やっていることは間違っていないので、あと少し変えることができるようにみんなで話し合いたい。変えていけると思います。雰囲気が悪い時に誰かが何かやるというのが全くない。(原潤一・文4=習志野の欠場)負担やプレッシャーというのはあった。原さんはすごい決定力のある人だし、明治の軸になる選手だったので、その変わりをやるというよりかは、自分のできることを精一杯やるという感じ。(来月の東日本インカレ)目標はもちろん優勝。相手に合わせないで自分たちのバレーをやりたい」

政井
「序盤、中盤、終盤と試合を通して追い付いた時に休んでしまった。また抜かれて、また追いかけての繰り返しだった。2セット目を勝てなかったのが大きい。自分たちが攻めていたのに、最終的には責められる形になってしまった。ホッとしちゃうところがある。(ライト側の攻撃)レフト側ばかりの攻撃になっていた。加藤はしっかり打ってくれる選手なので使っていこうと思ってあげた。カギはやはり早大戦。そこで負けて、ゲームメイクというのを考えさせられた。(リーグ戦振り返って)荒いチームだった。勝てる試合も落として、最後の粘りという形が見えなかった。勝ち切れないのは僕らのコンビを増やさなきゃいけないし、精度にしてももっと上げていく必要がある。あとはブロックとレシーブ。粘りのバレーが全くできていない。僕らは身長が低いので、どうしようもない。サーブカットで崩されて二段という形が多すぎてしまった。もう一回キャッチからのコンビを意識してやっていきたい。今回になって初めて出る選手ばかりで、そいつらがのびのびしている時が雰囲気も良くて。そういうところから勝ちにつながると思うので、もっと大事にしていきたい。(東日本)もう一回チームを崩すと思う。全員が全員チャンスがあると思うのでもう一度明治のバレーを意識しながら泥臭いバレーができるよう、優勝目指してやっていく」

加藤
「(リーグ戦前の)東レ合宿で何度か対戦していて、勝ちパターンというかイメージはついていた。今まで終盤追いつかれてという展開が多かったが、この試合でも同じようになってしまった。リーグ戦中の課題が克服できずに負けた。競った終盤でも中盤と同じ気持ちで挑んでしまっている。向こうも取りに来るのに対してこっちはそれを上回らなきゃいけないのに、勝負する気持ちが相手より劣っているからかなと。ライトバックアタックは自分の持ち味というか。チームとしてもその一本で切っていこうと思っているというのは自覚している。でもこの試合ではそういう部分ができなかった。流れがない時でも点数が取れるようにしたい。第3セットは典型的な形だった。リードしていたのに気が付いたら1点差、気が付いたら1点負けてるみたいな。攻め切れないというのも追い付いたとホッとしちゃう。そこから離さなきゃいけないスイッチに変えなきゃいけないと思うが、自分も含めてそういうところで勢いに乗り切れなかった。(初めてのリーグ戦振り返って)レベルの高いチームに自分の今のレベルというのがわかったので8位という順位をしっかりと受け止めてここが今の実力と今は切り替えた。(東日本へ向けて)サーブレシーブから一本で切れたら絶対に負けないと思うのでそこを固めて、返球率をあげるのとコンビの正確性と数を増やしていきたい」

川村
「相手のブロックが高いので長くスパイクを打つことを心掛けた。(競った展開)地力がない。相手のミスで得点する場面が多かった。(リーグ通して)長い期間通して同じ調子でできないことがあった。そのときに自分でどうしていけばいいか考えることができた。攻撃に積極的に絡むというポジションの役割は果たせた。粘ってコンビで点を獲るというプレーを磨いていきたい」