西野、貫録の2年ぶり3度目優勝!野添も2位入賞/関東学生選手権

 今シーズン初戦、女子は西野友毬(政経4=武蔵野)が圧巻の演技を見せ優勝。女子団体でも総合力の高さを誇る明大が優勝を勝ち取った。男子は野添紘介(商4=東福岡)が質の高い演技で2位となった。男子団体では僅差で法大に軍配が上がり惜しくも2位だった。
女子
 ラストシーズンへ向け、順調な滑り出しを見せた。西野友毬(政経4=武蔵野)が今大会2年ぶり3回目の優勝を果たした。「今まで着た中で今日の気分で決めた」(西野)と淡いグリーンの衣装で登場し、慣れ親しんだプログラムを舞った。冒頭のトリプルルッツこそ2回転になったが、残りのジャンプは大きなミスなくまとめた。「体力面では不安があった」(西野)と言いながらも最後のダブルアクセルもきれいに着氷。持ち前の表現力は健在、高いスケーティング技術で多くのフィギュアファンが集まった会場を沸かせた。89.82点で見事優勝。シーズンへ向けて好調ぶりをアピールした。
 

 今季は「挑戦」を掲げる。4年生となり、いよいよラストシーズンを迎える西野。「思い残すことがないように色々挑戦したい」(西野)と練習では3回転―3回転のコンビネーションジャンプにも取り組んでいる。実戦での披露はまだ先になりそうだが、表現力には定評のある西野だけにジャンプでの加点が増えればパーソナルベスト更新も見えてくる。シーズン開幕が楽しみだ。

男子
 素晴らしい演技を見せた。野添は高精度のトリプルアクセルを複数取り入れ、ジャンプ・コンビネーションも成功させた。「準備不足だった」(野添)と、後半に疲れからかジャンプの回転不足など、まだまだ仕上がってない部分もあった。しかし「今できる最低限のことはした」(野添)とスピンは完璧で見る者の目を奪う場面も見せた。10月のシーズン開幕までは十分に時間がある。最上級生として結果を残すシーズンが始まる。

 梶田健登(政経1=明大中野)、鎌田英嗣(営1=獨協)、佐上凌(商1=武蔵野)の3人のルーキーが大学公式戦デビューを果たした。3位に入賞した鎌田は勢いのあるダイナミックな演技で観客を魅了した。梶田は体調不良の影響を感じさせ、スピンやジャンプでのミスが目立った。それでも内容の詰まった演技が評価され6位に入賞した。

☆鎌田、強化選手選出☆
 鎌田が今季も強化選手Bに選出された。「今年はジュニアでメダルを取る。自分のいるべき場所にいたい。世界ジュニアに出場することを目標に、去年よりは確実にすべての試合で順位を上げたい」と話した鎌田。スケート界期待の星が国際大会でも輝きを放つ。

[石渡遼、木村亮]

試合後のコメント
2位入賞を果たした野添

「スケート以外のことですごく忙しくなってしまって、しっかりと追い込むことができなかったので準備不足が大いにあって滑り切れるか不安だったが、今できる最低限のことはしたと思う。本来ならもっと上を目指してやっていきたかったが少し厳しかったので今できる精一杯をできたかなと思う。団体戦ということで強い新入生が入ってきてくれて団体戦は優勝しか見ていませんし、ただそれと同時に法政大学や関西大学が新入生によって強くなって、互角のすごくいい勝負だと去年から新入生の情報で聞いていたので何としても明治が優勝できる力はあるのでしっかりとモノにしていきたい。2校とも強いので簡単ではないが何としても目指すところは優勝ということで部員全員と力を合わせて刺激し合って、チームとしての底上げを図っていきたい」

見事優勝を果たした西野
「良くはなかった。最初のルッツを決めたかったが、今の時期にしてはまあまあ。(ジャンプ)去年よりはいいと思うが、シーズンと比べてしまうとまだ全然そこまでいけていないので、シーズンまでにはキレのある自信のあるジャンプに戻せていけたらいい。体力面はすごく不安で、あまり体力面での練習ができていなくて最後までもつかなと不安だった。それでも最後のダブルアクセルが降りられたので、もっとこれから体力面に関してはやっていかないといけない。(今季のテーマ)去年楽しく滑れたシーズンだった。今年も楽しく思い残すことないシーズンにしたい。(衣装)今まで着てきた中で、今日の気分で決めた。変える予定。(課題)ジャンプの完成度を上げること、陸上トレーニングを増やすこと、曲でのジャンプをやっていくべきだと思っている。3回転―3回転を練習している。できるようになった試合でもいれていきたい。色々と挑戦したい」

団体優勝に貢献した藏佐衣子(営3=広尾学園)
「去年は練習がいいのに本番はできないという試合ばかりで今年は悔しい思いをしないようにと心掛けて練習から試合意識してやってきたのでまだ100%まではいかなったが、だいぶ試合でできるようになってきたかなとは思う。練習の成果は少しは出たかなと思う。(新しいプログラムは)まだ滑り始めて1カ月くらいなのでプログラムの表現やスピンの回転などシーズンに向けてどれくらいレベル取れてるか確認できたらいいなと思っていた。(今年は)上級生になったのでみんなの足を引っ張らないように、去年すごく迷惑を掛けてしまったのでみんなのことを引っ張っていけるようになりたい。(練習は)曲掛けはできないと途中でやめてしまう癖があったので駄目でも最後まで続けるというのを一番大切にしている」

久しぶりの実戦を終えた佐々木美帆(政経3=日出)
「今日は半年以上ぶりの試合だったので、試合への気持ちの持っていき方があまり上手くできなかった。今できることをやろうと思い試合に臨んだが、体力がなくなってしまって、最後の方は全然できなかったので、これからシーズンに向けて、体力作りから積み重ねていきたいと思う。今日は久しぶりだったのですごく緊張したが、始まったら緊張もなくなり、必死だった。いつも練習しているリンクが6・7月とないので、その時に体力作りや体作りをして基礎を固めていきたいと思う。去年はインカレが補欠だったので、今年は出場できるように頑張りたい。インカレまでに、東京ブロックなどが大事になってくると思うので、そこに合わせてこれからやっていきたいと思う」

男子個人13位の森望(営2=岩倉)
「気持ちが負けてしまったところがあったが、それを自分の気持ちでカバーできたところもあったので半々。良かったところもあったが、克服しきれていないところも見えた。(良かったところ)前半でミスしたところを後半で崩れなかった。去年2種類だったジャンプを4種類に増やした。今までできていたジャンプを後半に入れたが、その後半でしっかり滑ることができた。ただ、3、4種類目のジャンプがまだまだなのでそこが課題。(この時期の大会)曲も新しくなって自分がどのくらいできるか、挑戦している。技術的な面も含めて今まで以上のことをやっていくということを意識している。新しい曲に関してはもう自分のものにできていて、もっと滑り込めばもっと良くなる。ジャンプは練習から意識的に変えて4種類をしっかり飛べるようにしたい。体力面は少し克服できたが、自分の求めているものからしたらまだまだ。疲れてきた最後のステップでばたばたしてしまった。(今シーズン)とにかくジャンプ・技術の向上。本番でも確実に決めていけるようにやっていく」

コーチを変え、結果を残した櫛田麻佑(政経2=日本橋女学館)
「インカレに出れなかったことがとても悔しくて、春休み中にすごい練習していたが、その時にまたケガをしてしまって、今日も万全な状態ではなかったが、やれることをやろうと思い試合に臨んだ。だが、それが出しきれなくてすごく悔しかった。今年はかっこよく踊りたいと思って選曲した。今日は、最初はジャンプは頑張れたのだが、最後はやっぱり体力が持たなくて、盛り下がっていってしまい、悔しかった。ケガをしてジャンプができなかったので、スケーティングを頑張ろうと思い、また、最後まで滑り切りたいため、見せることを意識して練習してきた。だが、今日はそこができなかったため、そこを課題にして、ジャンプを入れても最後まで滑り切れるようにこれから練習していきたい。6・7月はいつも使っているリンクが使えないが、それでもやることはあると思うので、毎日何かしら自分がやりきったと思えることをやりたい。また、一つ一つ課題をしっかり積み上げて地道に、とりあえずケガを治して焦らずにやっていきたい。そして、インカレを目標にしているので、インカレで絶対良い演技をするために、頑張っていきたいと思う。そして、先月先生を変えたので、先生の言うことをしっかり聞いて、1試合1試合を大切に、後悔を少しでも減らせるように努力したいと思う」

体調不良ながらも男子個人6位の新人梶田
「今日は最初のトリプルアクセルでこけてしまったが後は凄く良かったと思う。だけどその後本当は3回転3回転など沢山入っていたが体力が無かった。自分の体調管理ができていなかった。(体調不良が原因で演技が上手くいかなかったというのは)多少はあると思うが体力の配分が上手くいかなかったというのもある。半々ぐらい。まだ仕上がっていない。練習の時よりも疲れてしまった。今日はアクセルが良かったが3回転3回転を失敗したしお手付きとかもあったので今日の出来は40点ぐらい。4月からコーチが変わってジャンプや技術的な事以前に滑るという基礎をみっちり教えこまれていて、今回は1ヶ月半やってきた成果を見せる日だったがまだまだだった。技術的な事を言うとプログラムの後半に体力が落ちている場面で足が踏めていなかった。体力が無いのにも繋がるし、(氷上に)スケートがしっかり乗れていると足がちゃんと踏ん張れて浮付かない。踏ん張って10押したら11進む感じで。後半疲れてくるとどうしても漕ぎたくなるから体力は無くなるが、(漕ぎたくなるのを)しっかり抑えたらスピードも出て歩数も少なくなって体力もそんなに使わなくて済む。まあまだ1ヶ月半程度じゃ変わらない。基礎の練習を凄くするようになってから練習では少しずつ成果が出てきている」

力強い演技で男子個人3位に入賞した新人鎌田
「集中できなかったのが問題。とにかく悔しい。(大会の位置づけ)気負わずやっていきたかったが、JGPの選考会まで1カ月ということもあり、少しでも去年よりうまくなっているところを見せなければいけない場でもあった。曲も変えて、2週間前のコバトンカップよりは動けるようになったと思う。ただ、ジャンプが決まらず内容はそこまで変わらなかった。(冒頭の3アクセル)コバトンの時には体がうまくアドレナリンの力で成功させたという感じだった。今回は練習場と同じような感じだった。練習でもまだまだ飛べていない。立ちはするが回転が足りない状態。練習の時には力を込めてしまう。力んで回ろう回ろうとしてしまうので本番と同じような、アドレナリンが出たような状態で練習から飛べるようにしたい。(新しいプログラム)大人のかっこよさが必要。プレイボーイでモテモテの男の人を演じなきゃいけない。大人の男という点では怪人二十面相と同じだったが、色気やナルシストな部分も演技から出さなきゃいけない。まだなり切れていない感じがする。自分の目標や1年の流れがまだ自分の中にないので、とりあえずは選考会に向けて頑張る。(課題)後半のジャンプの確実性を上げることと、トリプルフリップのエッジの踏み切りをインにすること」

男子個人7位の新人佐上
「練習ではあまり調子が良くなかったが、試合ではまあまあまとめられたのは良かったかなと思う。ジャンプの高さは出たが軸は曲がっていた。あとあまり滑りながらやることができなかった。(後半に疲れが出た事は)そこも一つの課題。(大学に入ってからの環境の変化は)大学の授業の方を優先している部分がある。シーズンが始まれば大学よりスケートの方を優先したい。今は(高校の時と)あまり変わっていない。(技術面の変化は)ジャンプが少し高くなった事」

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