
これがエースだ! 和泉の劇的決勝点で初戦突破/関東大学トーナメント
苦しい時間が続いた。90分間で打ったシュートは23本。「あれだけ決まらないかという気持ちが強い」(栗田大輔監督)と指揮官も困惑の表情を見せた。和泉、藤本佳希(文4=済美)らがサイドから供給されるクロスに合わせるが得点を奪えなかった。髙橋諒(文4=国見)も自らドリブルで持ち込み、柴戸海(政経2=市立船橋)もCKからヘディングで狙うが最後の最後が決まらない。ここ数試合課題とされている決定力不足が響き、格下相手にロースコアという展開に。「前の選手は今日何本も外して取れなかったし、みんなそこに対して悔しさは絶対持っている」(和泉)と勝利しながらも内容としては満足のいかないものとなった。その中で奪った和泉の値千金の決勝ゴール。負ければ終わりのトーナメントでは次の試合につなげたことが何よりの収穫だ。
今季初の無失点勝利だ。ここ3試合ワンチャンスを決められていた守備陣が、ようやくの失点0を達成した。相手はカウンターで奪ったボールを放り込み得点機をうかがっていたが、小池佑平(政経4=セレッソ大阪U18)を中心に守備を安定させた。後半34分にはこの形からあわや失点という場面を迎えたが「僕にとっても自信になった」(服部一輝・法3=札幌大谷)とGKがしっかりとボールを抑えピンチをしのいだ。課題とされていた守備で無失点という結果を出し、一つ壁を乗り越えた。
試練を打ち破った。負けたら終わりのトーナメントで8試合ぶりの勝利を収めた。「うれしいというよりちょっとほっとしている」(和泉)とようやく抜けたトンネルに安堵(あんど)の表情を見せた。内容としてはリーグ戦前節・国士大戦の方が勝っていたものの、トーナメント戦での勝利ほど価値のあるものはない。2回戦は1部所属の中大を下した2部の朝鮮大。「自分たちが強く行く気持ちが大事」(差波)とジャイアントキリングが多く起こるアミノバイタルカップでは格下のチーム相手に受け身で臨むのは危険を伴う。連戦となるが課題である決定力不足を改善し、無失点勝利で3回戦に駒を進める。
[谷澤優佳]
試合後のコメント
栗田監督
「ここしばらく勝ててないのでとにかく良かった。トーナメントなので特に。あれだけチャンスあったので粘り強くやってればいつか点は入るだろうと思ってたし延長戦になるとは思ってなかった。攻撃陣に関しては、決められないというかあれだけ決まらないかという気持ちが強い。相手の守備とか今日はポストに嫌われたとかもちろんいろいろな要因はあるんだけれども、サッカーは難しいなと。試合前には根本的なことは変えず、いつもの自分たちのサッカーをして点を取ろうということをコンセプトにやっていこうということを繰り返し話していた。相手があまり前に出てこなかったっていうのもあるんですけれども、まぁ無失点で抑えられて。一度カウンターで危ないシーンがあったんですけれども服部が抑えてくれたのでそこが大きかった。選手はまだ今日のゲーム納得できてないと思うので。明日納得できるゲームをやってようやく一歩だと思う。まだ一人ひとりにムラがあるし全員に強さがない。あしたは今日のようにはうまく行かないと思う。リーグ戦でもやってる相手なので、二度は負けないようにやっていきたい」
和泉
「苦しい試合だったけど最後の精度とかそういう部分に関して個人としてもチームとしても課題だなというのが明確になったし、一人一人がもっとパスもそうだし動きの量や質というのを上げていかないと次の試合からもっと苦しくなるなというのは感じた。(8戦ぶりと久々の勝利となったが)うれしいというよりちょっとほっとしている感じ。正直個人としてもチームみんなそう感じていると思うけれど、勝ったけど納得はしていないしまだまだ自分たちの力のなさというのも感じた。でもその中でトーナメントで勝てたというのは、やはり勝たないと次はないので、内容がどうであれ勝って次に進んだということは大事なこと。次の試合もどういう内容であれ勝って、勝たないと次のステージに行けないので明日しっかり勝てるようにここから準備していきたい。国士の時の方が内容は良かったしみんながやること合わせているというかチームがいい方向に向かっているなというのは感じていた。今日はちょっとばらばらというか少し前に戻ってしまったかなという感じはあるけれど、その中でも勝てたということは大事なことなのでもう一回やること合わせるというか一人一人やりたいことをやるのではなくて勝つために何が必要かというのを考えてそれを全員で合わせるというのが今のチームには必要かなと思う。あとは最後の精度、パスの精度だったり一個一個の精度だと思う。3点4点入って楽に勝つのも大事だけどしっかり1点取って0で終われたというのがまず結果としてはよかったのであとはもう自分たち次第なので、内容であったり得点、最後の質という部分を上げていけばおのずと結果は付いてくると思うので、個人もそうだし全員がそこのこだわりだったり意識というのを強く持っていかないといけないなと感じている。(2回戦に向けて)勝つだけなので。PKでも延長でも何でもいいので勝つということが大前提。そのためには失点しないことが一番重要なので失点せずに、前の選手は今日何本も外して取れなかったしみんなそこに対して悔しさは絶対持っているのでそれを明日みんな晴らしてくれればいいと思う。まず失点しない、セットプレー、守備、攻撃、両方とも重要になってくるのでそこで取れればいいし、セットプレーから失点だったりそういう失点しないというこだわりは今日があまり流れからの守備がなかっただけに、しっかり合わせてやっていきたい」
差波
「トーナメントなので内容がどうこうというよりはとにかく勝てて良かった。ただ勝ったなりにそこに満足せずにしっかり次に向けて切り替えるのが大事だと思う。いまリーグ戦で勝てていなくて、ある意味アミノバイタルを通じてまたチームの雰囲気を取り戻そうって話をしていたので、負けたら終わりってプレッシャーよりは勝とうっていう気持ちがチームみんな大きかったと思う。得点は僕が得意にしてる形が結果的に点につながったんですけれど、その回数をもっと増やさなきゃダメなんで。そこはもっとこだわってやっていきたい。あれだけ決定機あって決めきれないのは問題。あれだけ守ってる相手に対してだったら一点決めれば試合を楽に運べたはずだけれど。そこが今のチームを象徴してるかなって。守備は小池中心に声を出してよく守ってくれていて、それに応えるために前はもっと決めなきゃいけない。0で終わるのがトーナメントでは特に大事だと思うので、そこは今日の後ろのメンバーに感謝したい。アミノバイタルは毎年、一部のチームが二部とか都リーグのチームに苦戦してて、それはガツガツ来る相手に対して受け身になってしまうからだと思うんですけれども、そこで自分たちが強く行く気持ちが大事だと思うので」
服部
「あれだけ攻めて点が入らないっていうのが今のチームを象徴してたかなって思う。結果的に勝つことができて、相手が相手ではあるんですけれども、0に抑えることができたのは守備陣にとってはプラスの結果だと思います。0に抑えて進めればチャンスはくるってチームで開き直れてた。ゼロに抑えるチャンスの試合でもあったので、そういけるように守備陣で話はしていた。1回カウンターで危ないシーンあって、あのワンチャンスで決められちゃうのが今年のチームだったんですけれども、抑えることができて。それは僕にとっても自信になった。明日もゼロにこだわってやっていきたい。今年ここまでこんだけ試合やってゼロの試合なかったので、自分でもホッとした。僕はまだ3試合しか出てないんですけれど、徐々に落ち着いてきているしゼロにこだわれば定位置も確保できると思うので。気を緩めずやっていきたい」
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