新入部員を加え山岳部始動 5年ぶりに全行程完遂/新人合宿
残雪期の雪山攻略
充実の合宿となった。冬山登頂を目標に掲げる部において、新人合宿は残雪期の雪山に臨むいわば「慣らし」の場。1年生に雪上でのザイルワーク、キックステップの踏み方など基本動作を教える貴重な機会だ。その今合宿において、実に5年ぶりに全計画を完遂することができた。その大きな要因となったのが「1年生の技術の飲み込みが早く、スムーズにやってくれたこと」と松木啓祐(商4=明大中野八王子)。今年の新入部員は4人と人数が多いことに加え、全員が登山そのものを楽しんでいた。山頂アタック前日には「明日が楽しみだね」と声を掛け合いお互いを鼓舞。肉体的な疲労がピークに達する中、高いモチベーションを持って今合宿を過ごしていた。「とにかく今年の1年生は体力がある」(長坂公貴・政経4=韮崎)と言わしめるスタミナだけでなく、強い精神力も持ち合わせていることが今合宿の成功につながった。部員が6人しかいなかった部にとって、期待の4人が加入したことは大きな収穫だ。
全計画をこなした上で、さらなる高みを目指す。今年は4人の最上級生が部をけん引。そのため4年生頼みの隊になってしまうことが懸念される。松本拓也主将(農4=都立青山)は「全員が色々考えていかないと、何が起こるか分からない山中では厳しい」と気を引き締め直す。太田奈津季(農4=水戸三)も「課題が見つかったということをプラスに捉えられるようになると、部全体のモチベーションアップにつながる」と分析。下級生は自分の活動できる幅をさらに広げること、上級生は隊全体を見渡すリーダーシップ、そして統率力が重要になってくる。新人合宿の成功に満足することなく、本番の冬に向けてさらなるレベルアップを目指す。
期待の新人が加入
新入生たちはそれぞれが明確な目標を持って新人合宿に臨んだ。その中でも、スポーツ推薦で入ってきた小清水健人(農1=韮崎)は登山経験もあり、高校時代にインタ―ハイ6位入賞と期待の新人だ。今回の新人合宿では、荷物の量や、あまり経験がないロープを使用しての登山に戸惑う部分もあったが、割り当てられた作業を素早くこなし、1年生の中では、ひときわ山に対する強さを見せていた。明大山岳部への入部の決め手となったのは、高校時代の部活の先輩である長坂公貴(政経4=韮崎)が所属しているということだ。長坂から明大の山岳部の活動を聞いて、大学でも山岳を続けていく決意を固めた。
「今年の目標は決算合宿の登頂」と4年生は口をそろえる。本格的な雪山登山を行う冬山決算合宿に向けて、今回の新人合宿はその期待をより高める内容だった。目指すは標高2880ⅿ、鹿島槍ヶ岳。4年ぶりの頂上制覇へ、部の挑戦はまだ始まったばかりだ。
[小田切健太郎・長谷川千華]
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