東洋大に雪辱果たす 2位通過で好発進/東日本学生リーグ戦

2015.05.20
 昨年の雪辱を果たし、大会初日は上々の滑り出しを見せた。初戦に前回大会で敗れた東洋大との接戦を制した明大は、2勝1敗でグループ2位通過を決めた。2日目以降の順位決定戦に向けて、好調な出だしとなった。
 「最初が肝心」とはまさしくこのことだ。明大は初戦からいきなりのヤマ場を迎える。相手は去年の同大会で惜しくも黒星を喫した東洋大。グループ2位通過のためにも勝利は必須であった。最初の57㎏級を落とすも、続く61㎏級では安西信昌コーチが「今日のマンオブザマッチは強いて言うなら喜多」と称えたように喜多雄介(政経3=三井)が逆転勝利。その後の65㎏級70㎏級を1勝1敗で終え、チームカウントは2-2と両者一歩も譲らない状況で試合は中盤へ。負けられない場面で向かえたのは74㎏級の曽根川樹(農2=小倉商業)。「あとがないし、チームの為にも勝たなきゃいけない」と奮起し、相手に流れを引き渡すことなく、テクニカルフォールで勝利。そして、勝てばグループ2位通過が決まる大事な試合でマットに出てきたのは86㎏級の大山博貴(営3=仙台育英)。「去年はチームが3ー4で負けて、自分が試合に勝っていればチームも勝てた」(大山)。くしくも、向こう側に立っていたのは去年敗れた時と同じ相手であった。苦手意識があったものの、この1年間で秋季新人戦優勝やJOC杯準優勝など、経験を積み重ねてきた大山が何枚も上手であった。開始直後にポイントを立て続けに取ると、その後は危なげなく逃げ切り見事勝利。この時点でチームも白星を掴み取った。去年の雪辱を果たした瞬間だった。その後の大会2連覇中の山梨学大との試合では苦戦を強いられ完敗するも、最後は東海大に圧勝し、グループ2位通過が決定。昨年の3位通過を上回る幸先のよいスタートを切った。
 この結果により、5~8位の順位決定戦へと駒を進めた。対するは強豪校である早大、専大、日大の3校。昨年の総合9位は上回ったものの、さらなる高みを目指すために勝負はここからである。グループ2位通過を決め、勢いそのままに選手達がぶつかっていく。いつだって、全員がマンオブザマッチだ。
[土屋あいり]
試合後のコメント
安西コーチ

「一番最初の東洋大戦が本当に大事で、それをみんなわかっていた。最初黒星先行した中で、後半に取り切れてよかった。(今のチームの雰囲気は)ホッとしてる感じだね。(これで去年の9位以上は確定だが)去よりひとつ上がる難しさより、こっからひとつでも上に上がる方が全然壁は高くなる。そこはこれから目標にしなければならないところ。去年のことなんてとっとと忘れて、さぁ次の挑戦しましょうかってこと。(明日以降に必要になってくるのは)ここまで来たら勝ちたい気持ちだけ。技術や体力ってのはここまでやってきたことだからさ。どんだけ本人たちが勝ちたいか、挑戦したいかってのがなきゃ格上には絶対に勝てない。気持ちを持って戦って貰いたい。今日のマンオブザマッチは強いて言うなら喜多。大山って言いたいとこだけど今日は喜多だな。東洋大戦で1試合目が負けた中で次に出たあいつが勝ったことで、チームもしっからそこで次につなげることができた。しっかり辛抱して取るとこ取るっていうチームに徹したレスリングができていた。そこを評価したい。もちろん大山なんかも全試合出てしっかり勝ってくれたから頼りになる。キャプテン(秋元主将)も東洋大戦で負けちゃったけど、あそこでやっぱ粘るレスリングをしてくれたから後が続いたと思う。そういう意味ではみんなマンオブザマッチになっちゃうよね。(明日に向けては)勝つしかないっしょ」

大山
「今日は昨年に東洋大に負けた悪いイメージを払拭しにきた。勝ててよかった。去年はチームが3ー4で負けて、自分が試合に勝っていればチームも勝てた。そのトラウマをかてにというか、より気合いが入っていた。今日の自分の相手がその昨年に負けた相手で、周りは格下の選手と言っていたが自分の中で苦手意識があった。組ませてくれない。その中でリベンジを果たせたのはやはり経験の差というのが大きいと思う。秋季新人戦(優勝)だったり、こないだのJOC(準優勝)だったり。そこの積み重ね。3試合やったが体力的にも大丈夫だったし。本当にチームが第一目標にしていた東洋大に勝つというのができてよかった。明日からは強豪(早大、専大、日大)との戦いが続くが、個人としての目標は全勝。チームとしても全勝」

曽根川
「最初の東洋戦が1番大事だった試合なんですけど、そこで勝てたのはチームにとっても自分にとっても良かった。あとがないし、そこはチームの為にも勝たなきゃいけないという気持ちもあったけど、それをあんまり意識しちゃうとコンディションとか動きに出ちゃうので、それも意識しながら普段通りの自分のレスリングができればと思った。相手のスタイルも事前に知っていたので、前にどういう組み立て方するとか、シミュレーションして臨んだので、気持ち的には楽に戦えたと思う。チームの雰囲気はいつも通り。勝ちに対しての執念は皆が持っているので、もっと声を出したりとか、もっと雰囲気を盛り上げていくのが課題。自分が試合に出るのは中盤だけど、士気を上げたり、前に出ている選手や後に続く選手とかの気持ち的な支えになってあげないといけないと思う。その為にもゲキを飛ばしたり、アドバイスをしたりとか、そういうのは心がけている。(明日、明後日に向けて)今日よりも強豪な選手と戦うことになるので、それに対して臆することなく、普段通りの自分の動きができたらいい」