早大に勝利!2連勝でリーグ戦終える/関東学生春季1部リーグ戦

2015.05.17
 春リーグ最終戦を勝利で飾った。昨秋のリーグ覇者、早大との対戦となったこの日。序盤から常にリードをする展開で試合を進め、前半を6点のリードで終える。後半に逃げ切れないのがこの春のチームの課題でこの日も1度は同点まで詰め寄られるも、終盤の4連続得点とキーパーのファインセーブで再び突き放し27―25で勝利。7位で春のリーグ戦を終えた。

 エースが試合を決めた。同点で迎えた後半23分、マンツーマンマークにあうなど執拗なディフェンスを受けていた吉野樹(政経3=市川)が右45度の位置から外へ逃げ、角度の狭いところからゴール左上にシュートを突き刺しリードを奪う。さらに1分後には12m付近からのロングシュートを決め相手を突き放す。マンマークされても決め切る。まさにエースの働きを見せた。吉野のゴールで後半12分から11分間得点のなかったチームに待望の得点がもたらされ、さらにキーパーのファインセーブやサイドシュートで自分たちの流れをつくると、吉野のシュートから一挙4連続得点。早大はたまらずタイムアウトを取るも、時すでに遅し。その後は危なげなく試合を運び27―25で勝利。相手エース東江(早大)を止められず5連続失点を喫し、得点も止まっていた時間からの見事な立て直しを見せ、リーグ最終戦を勝利で飾った。

 これまで課題だった層の薄さが解消されつつある。4年生が就活で練習にあまり参加できない中、開幕戦から1年生はじめ新戦力が多く起用された。また、リーグ中盤から左サイドのポジションに定着した佐藤亮太(商3=佼成)も「練習から違う」(松本勇監督)と首脳陣の評価が高い。この日も勝負どころで確実にサイドシュートを決め、また何度も積極的な走りを見せた。この試合では4年生も戻り東謙佑(法4=法政二)は少ないプレータイムで3得点、田中周平(商4=長崎日大)も吉野がマークされボールが回りにくくなったところで巧みなボール回しから得点を演出するなどその実力を見せた。

 「優勝しかない」(藤本寛史・営4=法政二)。まれに見る混戦となっている今年の大学ハンドボール。東海大が春季リーグ初優勝を果たし、昨秋優勝の早大は6位に沈んだ。しかし、各校とも戦力に大きな差はない。新戦力が経験を積み、4年生が戻ってくる秋にはリーグ、インカレが控える。「最後僕の地元でインカレが行われるのでそこで絶対優勝したい」と池田稔主将(農4=藤代紫水)。優勝だけを見据えて挑む。

[松井嚴一郎]

試合後のコメント
松本監督

「今年はずっと後半やられる。残り10分が勝負。そこでノーマークを外したりミスをすると負ける。追いつかれるところまでは想定通り。今までもそうだったから。ただ最後にしっかり決めた。吉野だったり佐藤だったり、大事なところを全部決めてくれた。吉野がそうとういい。10分くらい得点がなかったときもよくやってくれた。4年生が練習ほとんどしてないんだけど、最後っていう状況で気持ち的に出たいっていうのがあってそういうのが見えたらこっちも使わないといけない。池田も頼れるのは4年生だから4年を出してくれって言ってくる。次につながる試合になった。4年いれてキーパーもよくあたって前半9点に抑えた。リーグの最初で1年生3人使って、最後のところでミスして駄目だったり入替戦の危うさがあったりした中で、4年生が出たいという気持ちを出してくれた。佐藤も評価は高い。練習から一生懸命だし、体は関係ないっていう風に出来てる。一般だし。層も厚くなった。秋は優勝狙える」

池田主将
「東海大戦に引き続きディフェンスが良かった。後半詰められたときに、僕があそこでチームを引っ張れるように秋は頑張りたい。春リーグで東海大にも早稲田にも勝つことができたので、秋は春に負けた分全部勝つ勢いで優勝を狙います。(春リーグを通して)最初に比べたらチームは良くなってきていると思う。声もそうだし、ディフェンスも速攻も。ミスもちゃんと切れるようになってきたし、前半にやられたことを後半で修正することもできるようになってきた。課題を言ったらキリがないが、最後シューターに対して詰めが甘かったりバックチェックもまだ甘い。あとメンバーが変わったときに速攻のバランスが悪い。誰が入ってもちゃんとできるようにしたい。(秋に向けて)全員が主体的に練習に取り組むことが大事。4年生が引っ張るのは当然だが、3年生とかが自分が中心だと思って練習に取り組めばもっと良い練習ができると思う。春は勝てるところを見せていけなかったので、秋は応援してくれる人たちに勝つ姿を見せたい。1日1日を大切に練習して、最後僕の地元でインカレが行われるのでそこで絶対優勝したい」

藤本
「完璧でした。相手の方が能力的には高かったけど、自分たちはやれることをやろうとやってた。前半良くて後半駄目というのがずっとあったので追い付かれるだろうとは思ってた。でもそこから勝ちにつなげられたのは一歩成長できたところだと思う。追い付かれたところで糸(泰裕・営3=氷見)が出てきて雰囲気が良くなって、ベンチの選手がどう入ってくるかが大事だと思った。そこで樹(吉野)が決めて自分が止めてうまく流れを断ち切れた。いかに自分たちが勝つかっていうのを考えて臆することなく挑戦できたから勝てた。4年生という立場てまはあるけど自分ができることはあんまり多くなくて、考えながらやっていることがうまくはまっている。就活で練習がない分冷静に自分を見つめられた。一個一個の選択肢がうまくはまっていて絶好調。駆け引きは大事にしていて1パターンだけじゃなくていろいろなパターンを持ってやっている。今回は終わり方としては最高。去年と違って雰囲気がいい。あとはミスに言及できないとただの甘いチームになってしまうのでそこが課題。上位に勝てる自信をつけたのは良かった。秋は優勝しかない。いろんな人にお世話になっているので。狙えない位置にはいない」

吉野
「前半はすごく流れに乗れたが、後半停滞してしまった時間帯があって、明大の悪いところが出ちゃったかなと思ったが、中盤から点数が取れるようになって明大の流れに持っていけたのは成長したなと思った。個人としては応援に背中を押されて、シュートを外しても次に決めようという前向きな姿勢になれることができたし、シュートも確率的にはそこまで悪くないので良かったんじゃないかなと。応援はすごくうれしかった。明大ってああいう応援のされ方がないから、ああやって応援してもらえるとすごくうれしいし、みんなも頑張ろうって気持ちになるんじゃないですかね。(地元開催ということで)恥のないプレーをしたかった。小学生のときから教えてもらっている監督だったりに成長した姿を見せたかったので、力を入れて思いっきりやることができた。(今春は)出だしがとても悪くて負け癖がついてしまってチームの雰囲気も沈んでいたが、最後の2戦勝つことができた。やっぱり明大は力を持っているので、秋季リーグはスタートから良いムードでやっていきたい。まだまだ課題はたくさんあるので、0にするのは難しいかもしれないけど少しでもなくして個々の能力もワンランク上げて秋リーグに挑めたらと思う」