
悪夢の2分間 早大に連続失点で6試合勝ち星なし/関東大学1部リーグ戦
まさに「悪夢」だった。後半22分、ペナルティーエリア外から山内(早大)に振り向き様にシュートを放たれると、GK服部一輝(法3=札幌大谷)の指先をわずかに抜けゴールに吸い込まれた。「勝てていないと失点に敏感に反応してしまうところが自分含め選手の中にある」(小池佑平・セレッソ大阪U―18)と相手のスーパーゴールで先制を許しチームに嫌な空気が漂った。直後の後半23分、リスタートしたところを相手にカットされるとペナルティーエリア内にクロス。ファーの選手に折り返されると山内に押し込まれ簡単に追加点を奪われた。前節・駒大戦は後半開始直後、前々節・桐蔭横浜大戦は得点直後とリスタート後にゴールを決められることが多く、そういった場面で「気持ちを切り替えようって話はみんなでしていた」(三苫元太・政経4=アビスパ福岡U―18)中で立て続けに失点。前半は明大が主導権を握り攻め込む場面も多く、早大のカウンターにも耐え切ることができていたが2分間で一気に突き放された。悪いタイミングでの失点で試合の流れを失ってしまい、今節も勝ち星を逃した。
和泉が意地の得点を挙げた
執念のゴールを見せた。後半41分、シュートをはじき返されたものの木戸皓貴(文2=東福岡)が相手のクリアボールをカットし持ち上がりクロスを上げた。「本当にいいボールが来たので触るだけだった」と和泉のヘディングシュートで待望の得点を挙げた。
しかし「前半チャンスもあったのでそこを決めるか決めないかで結果も変わっていた」(室屋成・政経3=青森山田)と前半の決定機をものにできなかったことが響いた。早大は一発を決め切る力を見せ、決定力が試合の明暗を分けた。苦しみながらもようやく生まれた和泉の得点だったがチームに勝利をもたらすことはできなかった。
光が見えない。6試合勝ちなしという長く暗いトンネルに入り込んだ明大は浮上のきっかけをつかめずにいる。「中盤の運動量とか切り替えがちょっとずつ遅れてきている」(栗田大輔監督)のが課題と分析。前半はつなぎながら相手ゴールに迫る形を見せながらも、後半には選手間の距離が間延びし前後半で違った内容となってしまった。昨年果たせなかったリーグ優勝に向け、もう勝ち点は落とせない。次節は高い攻撃力を見せ首位に立つ国士大との一戦。失点に過敏になる中、たとえ失点しても切り替えることができるか選手たちの精神力が問われるだろう。残り2節の前期リーグ戦でトンネルを抜けるため、目指すは首位叩きだ。
[谷澤優佳]
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試合後のコメント
栗田監督
「結果が出ていないというのが、今の実力。決められないのも含めて。そこらへんを日常のトレーニングから、見直していかないと。ボールは支配していました、試合も支配していました、でも勝てませんでしたが続くと思う。雰囲気も含めて、もう一回見直そうかなと。(敗因は)まずは決定力だけど、細かいところでは中盤の運動量とか切り替えがちょっとずつ遅れてきている。そこが原因かなと。ここ数試合見て、結果が出ていないのはそこに原因があるのかなと。サッカーなので、一つ勝ちが出れば、また変わるかもしれないけど、こういう時期なのでもう一度我々がやるべきことをしっかり追求して、基本となっている部分を呼び起こす作業をしたい。負け方というよりも負けたという事実があるので、勝てるシーンもたくさんあったけど、そこで勝ててないのが今の実力」
和泉
「悔しい。2失点して、そこでぶれないメンタリティーを中では、失点したあとに勝てていたころは割り切れていた。失点をそんなに苦に感じていなかった。そういう部分もあったけど、最近は少しずつ失点することに過剰に反応してしまう。今日も失点したあと、下を向いている選手もいたし、嫌な感じはしていた。案の定、すぐに失点してしまった。その2失点目は許しちゃダメな点なので。前半のようなサッカーが後半も続けてできないという部分が今の課題。焦りはミスにもつながるし、プラスにはならないと思うので、焦る気持ちはなくして、とにかく勝利のためにやりたい。自分はやっぱり得点を取らないといけないので、そのために下で受けながらもどうやって前に入っていくか、前で起点をつくれるかを考えたい。(得点シーンについて)木戸が左に持ち替えた瞬間に上がってくるなとは感じたので、本当にいいボールが来たので触るだけだった。点取っても勝たないと意味がないので。前半は多くのチャンスがあって、後半もバーだったり決めるところを決めないと苦しくなる。相手はそういう中で一発しっかり難しいシュートだったけど決めて、そこの差だったのかなと感じる」
小池
「勝ててないので、結果が全てだと思う。1失点目、僕のところで打たれたけれどあそこを打たせないっていうのが、チームの方針だしそれを自分ができなかったので。2失点目は失点した直後なので戦い方を考えなきゃいけないと思うし、一回のピンチでやられてるっていうのが今チームにあるので、もっと粘り強く行きたいと思う。勝つことが大前提で、失点しないためにサッカーやってるわけじゃないけれど、どうしてもこう勝ててないと失点に敏感に反応してしまうところが自分含め選手の中にあるんだと思う。去年と比べてしまうと、やろうとしてることに対する質の低さっていうのがあると思う。今日出た課題であったりここ6戦勝ててないのが何でかっていうのをもう一度話し合って行かなきゃいけない」
差波優人(商4=青森山田)
「勝てると思って一週間準備した中で勝てないというのは自分たちの中に問題があるのかなと思う。前半はいい流れの時はボランチが多くボールを触ってその中でチャンスをつくるというのが今の明治の流れだけれど、悪い時というのはボランチがボールを触らずに蹴ってしまったりとか、そういうのが何個かつながれば内容は悪くなる。つなぐならつなぐでもっと徹底してつなぐのが大事だと思うし、その中心としてボランチがもっとボールを触らないといけないのかなと思う」
三苫
「勝てない試合が続いていたので今日は絶対勝とうっていう気持ちで望んだけれど勝てなくて残念。あれだけ後ろが耐えてくれていたので決めたかったけれど、そこは自分たちの甘さだと思う。まだみんなのやりたいことが同じ方向向いてないなって、そこはまたみんなで話し合ってベクトルを合わせていきたい。最近は後半直後だったり何かの直後に失点が多かったんで気持ちを切り替えようって話はみんなでしていたけれど、また今日は失点後にまたやられてしまって、そこはまたみんなで話し合わなくちゃいけないなっていうのはある。ハーフタイム中に、もう一回ギアを上げてみんなで前から行こうって話はしていたけれど、そこでギアを上げきれなかったところが敗因かなって思う。まだ無失点の試合がないけれど、そこはチームに伸びしろがあるってポジティブに考えて、あとは点取って勝てるように前向きに行こうって話しているので大丈夫だと思う」
室屋
「(今日の試合を振り返って)前半は良かったが、後半は失点してしまって、その後立て続けに失点してしまったことが痛かった。(3-4-3のシステムで一つ前でのポジションでのプレーとなっているが)前ではプレーできているが、特に後半はボールを受けることができなかったので、個人としても全然ダメだった。高い位置に入ったからにはもっともっと攻撃に絡まないといけない。全体的なバランスも前半はすごく良かったと思うが、後半は間延びしてしまって向こうの時間も増えてしまったし、失点してからは自分たちのペースに持っていくことができなかった。いつも通りというか最近ずっと勝てていないチームのサッカーという感じだった。(点を取れる雰囲気はあったか)前半はもちろんあったし、チャンスもあったのでそこを決めるか決めないかで結果も変わっていたと思う。そういうところでしっかり決めるということが必要。(次節国士大戦に向けてやるべきことは)試合の結果とかを見ても大量得点とかで勝っているので、やっぱり守備のところでやらせないというところは徹底したいと思う。首位相手に勝てたら自信にもなると思うので次こそはという思いは強い」
服部
「前半チームはいいバランスで行けたけれど、後半に入って前線と中盤、中盤とDFの距離が広くなっちゃって、体力的に消耗する戦い方をして最終的に走り負けてしまったっていうのがあって、自分たちで首を締めちゃったところがあるので、また戦い方を見直して次節に備えていきたい。2年間ずっとサブだったりバックアップの位置でやってきたんでリーグの雰囲気自体はわかっていたので、自分的には落ち着いてプレーできたかなって思う。リーグ戦始まってから失点がすごい多いってのがあって、キーパーやチームの声が小さいっていうのは課題にあって、自分の特徴として声で周りを鼓舞するのがあって、それを求められてるっていうのも分かっていたので、みんなをまとめるっていうのを意識してやった。1失点して慌てないって話をしていたのに、チームとして点を取りたいって気持ちが早まっちゃってミスにつながって簡単に裏取られて失点っていうのがあって、ああいうところで僕だったりディフェンスラインがもっとチームを落ち着かせなきゃこういう失点になるのかなっていう良い勉強になった。後半の中盤後くらいから、前半に比べて自分の声が少なくなっちゃったかなっていうのがあって、そういうみんなが切れる時間帯だからこそ自分がまとめていかなきゃなって思った。勝ててないのが現状だけれど、チームとしてやることは決まっている。それを90分間やるだけなので、勝ちがないことを引きずりすぎずにやっていきたい」
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