西岡主将 笑顔の大会連覇/全日本学生個人選手権大会

 規定記録を突破した選手のみが出場できる今大会。明大からは11名が出場し、チーム全体の成長を見せた。西岡翔吾主将(政経4=洲本実)が94㎏級で1位を獲得し昨年度の85㎏級に続き2連覇を果たした。

◆5・8~10 第61回全日本学生個人選手権大会(大阪府羽曳野市はびきのコロセアム)
▼56㎏級
 4位 佐藤彰
 5位 後藤
▼62㎏級
 5位 美島
 6位 永原
 9位 中野景
▼69㎏級
 7位 小川
 9位 齋藤
▼77㎏級
 12位 二村
▼94㎏級
 1位 西岡
 12位 山本
▼+105㎏級
 5位 上野
 56㎏級には佐藤彰紀(営3=常翔学園)、後藤将(政経2=川口)が出場。佐藤彰は6本中5本を挙げ高い成功率を見せた。「手応え的には良かった」とジャークでは1㎏、トータルでも1㎏の試合新を記録。調整があまりうまくいっていなかったが、本番で力を発揮した。自己新記録の98㎏に挑戦したスナッチの3本目は「自信はあったけど力不足みたいな感じで取れなかった」と惜しくも失敗。それでも充実の試合に満足げな表情を見せた。今後は「スクワットを伸ばして力をつける」と東日本インカレに向け意気込んだ。

 後藤はスナッチ88㎏、ジャーク122㎏のトータル210㎏を挙げ5位につけた。左肘のケガの影響もあり不安の残る中臨んだ大会だったが、トータル3㎏の自己新記録を取り笑顔を見せた。「あまり取れると思ってなかったので刺せてうれしかった」とジャーク3本目で122㎏を挙げ切るとガッツポーズ。ケガにより一時期はメンタルも持っていかれたというところから試合新を出し「これをきっかけに精神的にも成長していけたら」とこの経験を成長の糧にする。

 69㎏級で出場した小川翔太(政経4=熊代)はスナッチ118㎏、ジャーク140㎏のトータル258㎏で7位となった。スナッチは試合1㎏新を出したが、ジャークではスタートしか挙げることができずにベストの12㎏下に留まった。2週間前に腰を軽くケガしたことで脚が弱くなっていた。「調子は悪い」と目標としていたトータル270㎏には及ばず。今回は3回目の個人インカレということもあり、現在調整の目標としているのは初出場となる全日本選手権だ。「275㎏まで持っていきたい」とさらに厳しい舞台での好記録を目指す。

 94㎏級では西岡が連覇を達成した。「まず300㎏を取ろうというのを考えた」という言葉通り、301㎏を挙げ1位に輝いた。スナッチでは安定した試技で3本全て成功。1位と2㎏差の2位につけると、ジャーク2本目の168㎏を落ち着いて挙げ切り逆転。「相手は3年だったから負けたくなかった」と4年生としての意地を見せつけ優勝を決めた。個人インカレには4年連続で出場した西岡。2年次には棄権も経験したが、3年次、4年次と最高の結果を残した。4月の全日本学生選抜大会に引き続き体づくりで自分を追い込んできた。今回の300㎏超えという結果に「こういう結果が出せたから、みんなやれよと言える」と主将として、自らの背中で部を率いる姿が垣間見える。それでも記録面では「まだ勝負できない」と現状にも満足はしない。来月韓国で行われる大会に選抜されており、その大会で「310㎏を取れたらいい」と高みを目指す。

 
 また山本琢人(政経3=熊本西)はスナッチ115㎏、ジャーク150㎏でトータル265㎏の12位に終わった。「クリーンがすごい良かった」が刺しの練習をあまりしていなかったことが響き、最後まで挙げ切ることができなかった。「ジャークで161㎏できなかったのが悔しい」と155㎏を取れずに挑戦もできなかったことを悔やんだ。現在重量級選手が少ない明大。今後は体重を増やし105㎏級で出場する予定だ。「東インカレに向けてパワーをつけていく」と階級を変え記録を残す。

 最終日の+105㎏級には上野祐脩(政経2=東京学園)が出場。「選抜から調子が下がってきていた」とスナッチ125㎏、ジャーク165㎏のトータル290㎏で5位となった。ともにスタート重量しか挙げることができず、選抜よりも15㎏下の記録に悔しさをにじませた。右膝と腰をケガし思い切った練習ができていなかったことが響いた。「こんなつまらない試合をしないように」と今後に向けた教訓とする。全日本選手権の規定記録も突破しているが出場は未定。「こんな試合だと出る意味あるのかな、と思っている」と自信を失っている様子を見せた。この壁を打ち破り、一回り成長することができるかがカギとなる。

 昨年度より4名多い11名が出場し、確実にチーム全体の底上げがなされていることが見えた大会となった。しかし表彰台に上ったのは西岡のみという結果に。「合宿などを通して個人としてもう一段のレベルアップを図っていく」(本多達雄監督)とさらなる好成績に向けチームでの成長を誓う。

[板橋洋子・谷澤優佳]