
格上相手に力負けも収穫/関東大学女子選手権
スターターは、川副舞主将(理工4=富士学苑)、藤野希生(国際1=埼玉栄)、伴真衣香(文4=東京成徳)、北浦彩加(国際4=大津)、萱沼史織(情コミ3=埼玉栄)。
第3クオーターまでは互角の戦いを演じた。「出だしで少し名前負けした」(平田HC)と開始からわずか2分あまりで8点を連取されるとたまらずタイムアウト。「7点以上離されるときつい」(川副)という意識はあったが、あっという間にその点差以上の差を付けられてしまう。しかしそこからは互角の戦いを見せた。萱沼、藤野の埼玉栄出身組がアウトサイドを中心に得点を重ね、相手に食らい付く。第1クオーター終了時には15点差を付けられたが、それ以後は第2クオーター終了時で14点差、第3クオーター終了時は17点差とほとんど離されなかった。特に第2クオーターのみのスコアを見ると11―10と、わずかながら相手を上回った。藤野はスティールからの速攻を見せ、外のシュートが好調な萱沼は相手が3Pシュートを警戒しているところをフェイクからのジャンプシュートで完全に置き去りにするなど、個々の技術では同等の力があるところを見せた。
しかし「メンタル的な体力がなかった」(川副)と第4クオーターに精神的、体力的な疲れからミスを連発。それまで10点台で推移してきた差もあっという間に20点を超えてしまう。最終的には46―73と27点まで差が開いた。180cm超えの選手を多数そろえ、強靭なフィジカルを誇る相手に対し、序盤から体を当てられ、飛ばされ続けた疲労が響いた。試合後は「体幹を鍛えないといけない」と選手、コーチは口をそろえた。
ルーキーがその実力の片りんを発揮している。1年生の藤野がトーナメント全試合にスターターとして出場。格上相手から11得点を挙げるなど、そのポテンシャルの高さを見せた。今年は1年生が4人入部。うち2人はケガで戦列を離れているが「1年生は入ってくれて本当に良かった」(川副)とチームの刺激になっている。新人戦への出場も決めており、その結果が楽しみだ。
確かな成長を感じさせている。昨年のこの大会では、1部上位校で大会3位の白鴎大に対し、62―122の100点ゲームで敗戦。6月に行われた東京都夏季選手権では今回と同じ東京医療保健大に61―120で敗れている。しかしこの日は最終スコアで27点差、中盤では大差を付けられることなく試合を進めるなど、成長は数字で見て取れる。今回の試合も「もっと決められるシュートを決めていればもっといい試合ができた」(伴)と選手は満足していない。「2部で上にいくために1部とやらせてもらえるのは大きい」と川副。東京都夏季選手権、新人戦を経て勝負の秋へ。「目標は2部上位」。新たなステージでの戦いに期待が懸かる。
[松井嚴一郎]
試合後のコメント
平田HC
「相手が1部上位校ということでレベルからいくと相当な差があるであろうという前提で入った。出だしで少し名前負けしてしまって、強い当たりにも慣れていなかったのでそこでやられてしまった。ただ第2クオーターからはだいぶ慣れてきてディフェンスも良くなって、課題のブロックアウトもできるようになってきた。第2、第3クオーターはまあまあいい感じでやれた。やっぱり最初と最後。プレッシャーが強かったりすると自分のシュートが打てなくて、駄目になってしまう。プレッシャーの中での練習をしないといけない。それとしっかりした体幹が必要。2部の上位を想定してやっているので、1部を体感できたことはいい勉強になった。今回の経験は生かしていかないといけない。2部では当たり負けないように。ケガ人も多いので戻ってくればかなり良くなる。いいチームになりつつある」
川副主将
「単純にフィジカルとメンタル。特にメンタル的な意味での体力が足りなかった。ただ技術とかに関してはそこまで差はなかったと思う。向こうはずっと切らさずにやっていた。テーマ的に出だしをもっとしっかりしないといけなかった。8点決められてからはやれたけど問題はそこ。格上とやるときには7点離されるとメンタルが切れちゃうと言われていた。最初のところで得点を決められていたら良かったけど決めきれなかったので最初離されてしまった。相手もまだできあがっていないチームなのでその中でどれだけできるかだった。もう少しできると思ったけどやっぱり1部は1部だった。フィジカルとメンタルに差がある。メンバーが去年とほとんど変わってなくて2年目のチームみたいなもの。けどまだまだやらないといけないことは多い。一人一人が責任を持って練習からしっかりやっていく。1部とはトーナメントと都大会くらいしかできないので、2部で上にいくには大事だし、やらせてもらえるときにはチーム一丸でやりたい」
北浦
「去年も東京医療とやってその時は100点ゲームをされてしまったんですけど今日はその点差を詰めることができたので成長できたと思う。今日の相手は当たりが強かった。いつもだったら当たりの強いチームには嫌になってしまうこともあるんですけど、今日は自分たちの力を試せる機会ということで攻め気を忘れずにということを思ってやれた。今日はいつもと違うスクリーンを使ってゆっくり攻めるというのをやった。難しい部分もあったんですけどこれから2部でやっていく中で上位のチームとやるときのための良い練習になった」
伴
「よく戦ったと思う。去年トーナメントの白鴎と都大会で2回100点ゲームされていたので、今日はさせないって思っていた。自分がもっと決めていればもっといい試合にできたと思う。点数は気にせずどれだけできるかが大事で、3ピリまで頑張って、4ピリで競るっていう形に持っていきたかった。シュートまでは行けたのであとは自分たちのフォームで打てれば。自分たちの弱さが出て、転ばされたりしてしまって力の差でそのまま出た。スピードが全然違って、ディフェンスリバウンドを取らせないようにとか徹底していて、そういうところは見習わないといけない。その差っていうのを体感できて良かった。シュートが入らなくて心残りの多い結果ではあるけど終始消極的になることもなく、相手を焦らせる時間もあったので良かったと思う。24秒ギリギリまで守れたりできたのであとは最後のツメの甘さ」
藤野
「今日の相手は当たりが強くて最初の方はうまくいかなかったんですけどだんだん慣れてきてうまくいくようになってきた。先輩たちに思いきりやれと言ってもらったので思いきりやれた。自分ができることをしようと頑張ってリバウンドとルーズボールはやれたと思う。(明大は)高校と違って少人数。明治に入ったのは憧れの先輩がいたから。人として内面からすごく良い人だと思う。これからもゴールに向かって頑張りたい」
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