法大に敗戦 4位で大会終える/関東大学選手権

 悔しい敗戦となった。今大会最終日、先日の準決勝で筑波大に敗れた明大は法大と3位決定戦を行った。前半残り26秒で吉本健人(法4=藤枝明誠)の3Pシュートが決まり、33-30とわずかにリードして折り返す。第3クオーターで逆転を許し、それ以降も法大の堅いディフェンスによって反撃できずに53―70で敗れ、今大会を4位で終えた。

 スターターは齋藤拓実(営2=桐光学園)、吉本、秋葉真司(政経4=能代工)、宮本 滉希(政経2=明成)、伊澤実孝(政経4=愛知産大工)。
 
 後半に差をつけられた。6点ビハインドで迎えた最終クオーター。開始11秒で加藤(法大)にシュートを決められた後も連続得点を許し、早々に12点差に広げられてしまう。「全ての面で、うちの一番悪いところが出てしまった」(長谷川聖児HC・ヘッドコーチ)。シュートチャンスは幾度かあったが決定力に欠け、なかなか得点が続かず自分たちの流れにならなかった。「後半は自分たちの足が止まってしまって。最後は集中が続かなかった」(伊澤)。中盤からはターンオーバーを連発するなど、相手のディフェンスに阻まれバイオレーションに陥る場面もあり、攻撃のリズムを最後までつくることができない。最終的に17点差をつけられ試合終了。関東トーナメント最終戦は勝利で終えることができなかった。

 難しい対戦相手だった。法大とは昨年の対戦成績は3戦3勝と相性が良く、前回大会の最終戦でも勝利を収めていた。しかし今年の法大は昨年まで明大のHCを務めた塚本清彦氏を迎え、ディフェンスの強化が図られた。「(法大は)ディナイがしっかりしていて、ボールを簡単に受けさせてもらえなくて、パスもうまく回せなかった」(吉本)と明大のチームテーマである速攻が封じられてしまった。

 「目標としていたのはベスト4入りで、それが達成できたのは良かった」(税所啓主将・情コミ4=興南)。最後こそ敗戦で終わったものの、今大会の目標である拓大を倒しての4強入りをクリアし、新チームの手応えは十分だ。今後の課題は「やっぱりディフェンス」と長谷川HC。今大会を通して、まずディフェンスが機能せず、そのままオフェンスのペースもつかみ損ねるケースが多く見られた。秋のリーグ戦で勝利するためには課題のディフェンス強化と明大の理想のスタイルである速攻を伸ばすことがカギとなる。チームのさらなる飛躍を期待したい。

[田中愛]

試合後のコメント
長谷川HC
「全ての面で、うちの一番悪いところが出てしまった。こういう要素もあるんだ、というのが非常に分かった大会だった。拓大に勝ったのもうちのチームだし、今日これだけになったのもうちのチーム。その辺をしっかりもう一度、やり直すというより、やっていく。具体的にはまず出ている人だけではなくチームで一つになる精神面の部分。あとはディナイディフェンス、ヘルプ、ボールマンに対するディフェンスを徹底していかないといけない。この大会は、僕がどうこうというより選手がしっかりやってくれただけの話。選手が持ってる力を発揮してくれた。バスケットがやりたい、エントリーされたい、試合で活躍しない、そういう思いを基本的には持っているわけだから。この試合においていえば、なぜできてた部分ができなくなるのか、というのがこれからの課題。今後はやっぱりディフェンス。そのベースをしっかりしたうえで、秋までにスタミナとスピードをしっかりとつける」

税所
「出だしはやることをしっかりやれてて、前半は自分たちのバスケができていた。ペースも自分たちのペースで良かったけど、後半になって相手にちょっと離されたときに焦っちゃう部分が見えてしまった。自分たちのバスケを忘れてディフェンスがおろそかになっちゃったり、相手が飛び込んできているのにボックスアウトできなかったり、そういうのが積み重なって、最後の結果になっちゃったと思う。でも目標としていたのはベスト4入りで、それが達成できたのは良かった。やっぱりまだまだチームの課題も見れたので、リーグ戦に向けてチームで頑張りたい。結果的にベスト4になれて、春にしてはいいほうだが、これで浮き足立ったらまた足元すくわれちゃうんで、気持ちをフラットにして一から練習していきたい」

伊澤
「お互い手の内が分かっている中で、前半はいい感じでできたかなというのはあるけど、後半は自分たちの足が止まってしまって、最後には集中が続かなかった。ディフェンスで相手が来るときにうまく守れなくて、そのままオフェンスで自分たちでペースを崩してしまった。自分たちでリズムをつぶしちゃった感じはある。まだ公式戦ではチームとして出来上がっていない部分があって、機能している部分もあったけど、最後になるにつれて悪い部分が出てしまった。チームとしてどう形を作っていくのか今回のトーナメントで少しずつ見えたので、夏をかけて強化していく。自分たちのやりたいバスケを早く見つけて、力をつけていきたい」

吉本
「もう全然ダメでした。今日はみんな単発になっていたというか、自分が自分がとなってしまっていて、相手を離せなかったのは反省するところ。みんな足にきていてアグレッシブに攻めにいけなかったことと、原点である走るということが昨日からできていなかったので、それが一番の敗因かなと思う。(法大は)ディナイがしっかりしていて、ボールを簡単に受けさせてもらえなくて、パスもうまく回せなかった。(トーナメントを振り返って)チームのいい日と悪い日の差が激しくて、安定していなかった。それだとリーグ戦では痛い目を見る。安定して自分たちのバスケットができるように、考え方を明確にしたり、理詰めというか、理論的にバスケをやっていけるようにしたい。ちっちゃい分、高さでやられてしまう時に、当たりが弱いことが多い。当たりをしっかりできるようにまず体をつくって、その状態でディフェンスと走りができるようにしていきたい」