女子は全勝で2部優勝 1部2部入替戦へ/関東学生春季2部リーグ戦

2015.05.11
 3度目の2部優勝を果たした。春季リーグ戦が2日間にわたって行われ、2部リーグに所属する女子は全勝で3季連続の1位を決めた。1日目は文教大、東海大、昭和学短大に難なく勝利し、2日目の慶大戦で接戦を切り抜け優勝を決めた。この結果により、3度目の1部2部入替戦に臨むこととなった。

 「後ろを見たらみんながいてくれた」。2日目に互いに全勝の状態で迎えたヤマ場の慶大戦。2番手でシングルス出場をした望月友美佳(営2=加藤学園)が優勝を決めた。入りが悪くアウトの連続でゲームカウント0―3の大ピンチ。それでも心が折れなかったのは仲間がいたからだった。「みんなの声が聞こえた」と気持ちを持ち直し、櫻井智明監督からのアドバイスで「展開をいつもと逆方向からスタートした」と作戦変更。左側の展開を増やし、コートを広く使ったことで左右や前後に相手を振り3ゲームをもぎ取った。そのままファイナルゲームに突入し、ショートクロスに打ち込むなど攻めの姿勢を貫き明大の白星を決めた。
 1番手のエースペア、齊藤香純(政経2=昭和学院)・吉村寛子(国際4=昭和学院)ペアも苦しい中で逆転勝利を決め、チームに勢いをもたらした。1ゲーム目、デュースを繰り返し最後は齊藤のショットが相手前衛にキャッチされ13―15で相手セット。2ゲーム目からも風の影響で抜群の安定感を誇る齊藤のショットに影が差した。加えて相手前衛も積極的に前に出てくる場面が多く、思うように流れを切り替えられない。それでも「プレースタイルを変えたらダメだと思った」と吉村。風下でゲームができるまで我慢し、4ゲーム目からは吉村のポーチを皮切りに一気に展開。7―5で1ゲームを返すと齊藤の勢いも復活。ファイナルゲームまで持ち込み大事な勝ち星を手にした。

 髙橋勅有(商1=国本女子)・小谷真由(営1=米子松蔭)のルーキーペアが重要な3番手を任された。インターハイやハイスクールジャパンカップで決勝の舞台を経験する二人だが、初戦の文教大戦では「周りの雰囲気に圧倒されて自分のプレーが全然できなかった」(小谷)と硬さが目立ってしまった。大幅なアウトや前衛が抜かれる場面も多く1―5で敗戦と獲得したのは1セットのみ。それでも2戦目の昭和学短大戦からは小谷が「思い切って振ろうって決めた」と際どいコースを狙ったスマッシュがさく裂。髙橋もそれをサポートするように前衛アタックやカットレシーブで流れを変えそのまま5―2でゲームセット。落ち着いたことでゲームの主導権を握り3番手にふさわしい本領を発揮した。

 1部昇格しか見えていない。「優勝は当たり前」。部員や監督が口をそろえた言葉だ。それでも2部リーグ優勝3連覇の重圧を超えたことは大きい。1部2部入替戦は1週間後、東経大テニスコートにて行われる。相手は前回の入替戦で敗れた日女体大。優勝の勢いはそのままに必ずや1部へ。「絶対1部に行きたい」(吉村)。悲願が達成されるときは来た。

[三浦亜優美]

試合後のコメント
櫻井智明監督

「勝って当たり前だったが、慶応戦でみんな大逆転して勝ってくれたことは褒めてやりたいと思う。入替戦は3回目の挑戦だし、それで勝つことが目標なのであと1週間、個人戦とかもあるけど入替戦の前哨戦だと思って気持ちを引き締めてやってもらいたい。新戦力も入ってきたことだし後は来週わかること。メンバーにもう迷いはない。これで行こうかなと思っている。昨日は自分らのテニスができていて良かったと思う。学生に教えているのは相手がどこであろうと自分のテニスをすること。そうすればある程度勝てる。去年は失敗したが今年は2ー0で勝とうと思っている」

土田キャプテン
「去年の春も秋も優勝して、入替で負けてるので今度は自分たちもそうだし周りも明治が優勝すると思うし優勝が当たり前だと思って次の入替に向けて頑張りたい。(1年生については)後衛は利き腕とか2人とも違うタイプで今までなかったタイプなので、後衛のレギュラー争いにもいい刺激になっている。髙橋に関しては3番手としてしっかり勝ってくれているのですごい頼もしい。前衛の小谷もしっかり大将を張れるくらいの実力があるので、それは頼りにしている。(井本とは)今まで練習でも全然組んでなくて、白子に来る前日に組んだくらいだったので正直不安だったが、春の入替で自分たちが3番手で負けたという苦い経験があるので絶対勝とうと思って試合に臨んだ。(和洋女大戦は)相手の前衛が同じ高校だったのでやりずらい部分もあったが井本がしっかり決め切ってくれたし私が打って前衛に取られても井本が何とかしてくれると思ったので、最後の方は思い切ってできた。入替戦で自分が出るか出ないかはわからないが、出たとしたら最終学年だしキャプテンとして絶対に自分が勝って1部に昇格したい。応援だとしても、今回のリーグを見ててみんなの弱点というか、この子は緊張したらこうなるなというようなこととか、ずっと練習を見ててアドバイスをできるとことかたくさんあるので、コートの外から冷静に見ていられるので、誰よりも声を出して盛り上げていきたい」

吉村
「最後の春リーグで、絶対1部に行きたいという思いがあった。(優勝は)当たり前かなという気持ちもあった。それでも当日に自分でも不思議なくらい力が入ってしまって、顔がこわばってるとか緊張しないでとか言われた。優勝できて本当に良かった。(慶応戦)は相手が同い年で仲も良くてよきライバルのペアだったのもあってやり方を変えてくるかなと思ったが真正面から来てくれた。1ゲーム目を取られたら流れを持っていかれるのはわかっていたので、その時は焦った。だからその次の2ゲームも取れなかった。もったいなかったけど、あの時はしょうがなかったと思う。風があって最初は下で飛ばない側にいたが、2ゲーム、3ゲーム目は風上になってアウトアウト。それで下に戻ってきて、ここで一回立て直そうっていうのをけっこう冷静に考えた。相手も風でアウトしてくれるのを待って一回我慢しようというふうにした。負ける気はしなかった。(相手前衛が前に出てきたが)自分は大学に入ってから自分から出ないで誘って取るというテニスを監督から教わっていてそれを変えないようにした。相手が違うタイプだからといってプレースタイルを変えたらダメだと思った。だからいつも通り斎藤が落ち着いて打てるように変えないようにした。(斎藤とは)色んな苦しい場面を乗り越えてきたが、今日の試合はしんかったと思う。あんなに崩れた斎藤を見たのは初めてだった。自分が悪い時はいつも励ましてくれるので、自分もお姉ちゃん的な感じで励まそうとした。斎藤と組んでいるとどんな状況でも冷静になれる。勝った時は本当に嬉しかった」

望月
「最後の慶応戦は勝負がかかっていた。最初の試合(1番手)がファイナルまでもつれこんで、自分も試合に入る前から不安はあった。でも、吉村さんたちが勝ちを持ってきてくれたのでこの流れを持ちつつ行きたいなと思って入った。昨日の最後のほうから試合展開がつかめてなくて、監督の指示に従って展開をいつもと逆方向からスタートした。いつもは右側に集めているが左側中心に集めてそこから自分の中でコートが広く使えるようになった。0ー3になって、けっこうやばいなと思っていたが後ろを見たらみんながいてくれた。昨日よりもみんなの声が聞こえたし、自分のなかで切り替えられるスイッチがあった。昨日は本当に打つだけしかなくて狭いコートでやっていたので、今日は前後とか左右も入れた。コートを広く使えてツイストが一つ入って、自分にも展開の広さが生まれたと思う。大会に入る直前にも、監督から(シングルスとダブルス)どっちがやりたいんだと言われた。ダブルスで負けていてなんとも言えなくて、その後監督にシングルをやれと言われて自分の任された仕事だし勝ちたいと思った。1部のシングルスを見ているとやっぱり打つコースも違うしレベルが高いのでそれに負けないように自分たちから攻めて流れをつかみたい」

小谷
「1試合目は周りの雰囲気に圧倒されて自分のプレーが全然できなかった。弱気になってしまったが、ペアの人と話してしっかり2試合目から声を出して勝って行こうって決めて思い切ったプレーができるようになった。そこからずっと勝って行けたので良かった。(慶応戦は)前の2つが勝ってきてくれたので落ち着いて、負けても勝ちだったので楽にプレーできて良かった。自分の持ち味は思い切った派手なプレー。それがしっかりできたのでよかった。白子は風が結構強くて、風に対応するのが難しかったが思い切って振ろうって決めてやったら決まったものも多かった。(髙橋とは)まだ組んで日も浅いけど1年生ペアなのでとにかく元気に1年生らしくプレーしようって決めていた。とりあえず優勝できて嬉しいのと、まだ入替戦があるのでみんなで3度目の正直で1部に上がろうと言っている。また入替戦に向けて日にちはないけど頑張りたい」