昨季王者の壁は高く 筑波大に敗れ3位決定戦へ/関東大学選手権

 ファイナルの舞台には手が届かなかった。この日は関東トーナメント準決勝で筑波大と対戦。序盤は格上の筑波大と互角の戦いを見せ、36―36で前半を折り返す。しかし、後半になると足が止まってしまうシーンが目立ち始め、3Pシュートで着々と加点していく相手に付いていくことができず。最後は63―73と10点差で敗れた。最終日の明日は3位決定戦で法大と対戦する。

 スターターは齋藤拓実(営2=桐光学園)、秋葉真司(政経4=能代工)、吉本健人(法4=藤枝明誠)、宮本滉希(政経2=明成)、伊澤実孝(政経4=愛知産大工)。

 最後まで食らい付けなかった。目標としてきた拓大を破り、迎えた準決勝・筑波大戦。準々決勝の勢いそのままに、立ち上がりは宮本の3連続得点などで筑波大と対等に渡り合い、前半を36―36で終える。しかし、後半になると「技術うんぬんではなく、体力というか走り負けだった」(吉本)と足が止まり、フリーでシュートを打たせる場面が増える。この日8本中6本の3Pシュートを決めた満田(筑波大)らの1本1本のシュートが重くのしかかり、じわじわとリードを広げられた。疲労の見える明大を尻目に、相手は終始厳しいオールコートディフェンス。ハイレベルなディフェンスを前にオフェンスが停滞し、追い上げることができなかった。拓大戦に続く金星を目指したが最終スコアは63―73。また新たな壁が立ちはだかった。

 試合中盤まで拮抗したが、明暗を分けたのはアウトサイドシュート。第2クオーターから試合終了までに、筑波大が決めたシュートはフリースローを除き17本。うち10本がスリーポイントと、面白いように外からのシュートを決められた。一方明大は、拓大戦では5割以上の3Pシュート成功率を誇ったが、この試合では27分の5と2割を下回った。筑波大の高さに加え強固なディフェンスに対し、インサイドを有効に使えず「ただ外で回して1対1でシュートというのが続いてしまった」(齋藤)といい形のシュートシーンをつくりだすことができなかった。「自分たちのやりたかったことをそのままやられた」(吉本)。素早い展開でフリーをつくるという明大が求めるバスケを筑波大にさせてしまい、手痛い3Pシュートを浴びた。

 悔しい敗戦となったが「去年の王者の筑波にこれだけやれたっていうのはつかんだものがある」(宮本)と前半の戦いぶりなど、ポジティブな面も見られた。秋に向けこの敗戦をどういかすかが重要だ。最終日は法大との3位決定戦が決まった。法大は昨年まで明大のHC(ヘッドコーチ)を務めた塚本清彦氏が指揮を執る。加えて六大学リーグ戦などで度々試合をしてきた相手。「お互い手の内はわかっているので、自分たちの力を出してやっていきたい」(伊澤)と意気込む。関東トーナメントもいよいよ最終戦。勝利で終え、3位の座をつかみ取りたい。

[尾藤泰平]

試合後のコメント
伊澤

「前半は走られたりする部分があったりして我慢の時間だったんですけどしっかり耐えることができた。でも後半に足が止まったり、最後のシュートチェックが甘くて決められて点差を離されてそのまま立て直すことができないまま終わってしまった。相手は高さがあって外と中のタイミングがうまく合わなくて外中心になってしまったということがあったのでそこはこれからチームで何とかしていきたい。満田は今日当たっていてあいつにやられたという感じ。チームとして止めに行くというのをしっかりやらなければいけない。リバウンドを集中してできていたんですけどこぼれ球のところで相手に持って行かれてしまった。(明日の法大戦は)法政とは昨年練習試合を何回もしていてお互い手の内はわかっているので、自分たちの力を出してやっていきたい」

吉本
「最初は勢いでついていけたけど、後半は技術うんぬんではなく、体力というか走り負けだった。相手もディフェンスからブレイクするという同じ形で、自分たちがやりたかったことをそのままやられた。自分たちはまだまだだなということを感じた。自分たちで修正する能力とか、きつい時にどれだけ頑張るのかということがまだできていなかったので、そういう状況の練習をつくってやらなきゃいけないと感じた。相手はずっと前からきていて運ぶのも大変だったので、それで体力を削られた部分もある。自分たちのリズムが崩れて走られてしまって、そこでディフェンスが引いてしまった。そこが一番大きな敗因というか相手との差だったと思う。リバウンドに絡めていた時間もあったが、外からのシュートもあって。本当に自分たちのやりたかったことをやられたという感じ。(馬場は)外からは捨てて、思いきり離したらうまくいった。(法大戦は)自分たちのデータが全部向こうにあって、自分たちの嫌がることしかしてこないと思うので、自分たちがどれだけ対応できるかいい練習になる。(塚本さんには)個人的には外だけではないというところと、ランニングプレーを見せたい」

齋藤
「自分の思ったバスケが全然できなかったので、満足していない。ターンオーバーしてしまったり、相手に大きい選手が多い中で、たまにファウルトラブルを起こすことに成功して伊澤さんを使って攻めたいときに、ボールをうまく回すことができなかった。ただ外で回して1対1でシュートというのが続いてしまった。やっぱりフィジカルが全然違って、その使い方が相手はうまかったので、ガードとしては苦労した。敗因はディフェンスで粘りがなかったこと。せっかく守れても相手の戻りが走り切れなかったり、守れたのにリバウンドを取れなかったりしたのがもったいなかった。明日もやることはディフェンスだけ」

宮本
「自分の中で負けたことがすごく悔しい。けど去年の王者の筑波にこれだけやれたっていうのはつかんだものがある。杉浦(筑波大)にはいつも負けられないと思ってやっている。同期の中でも人一倍負けられないやつ。抑えたところもあったし攻めれたところもあったけどまだまだ上を目指したい。ドライブとかもかなりできてたけど、後半寺部さん(筑波大)に付かれたあたりで疲れとかもあってとまってしまった。疲れててもしっかりできないといけない。(手術の影響で)体力はまだマックスじゃない。戻ってきてはいるけど少しずつ取り戻しながらやっていきたい。同期は息が合うので、アイコンタクトをするだけでも分かってくれるのでやりやすい。若い力で引っ張っていこうという意識でやっている。今日は全員でリバウンドにいくことで高さの差は埋められた。けど満田さん(筑波大)のような後半の強さっていうのが明治にはなかった。明日は読まれているところもあるかもしれないけど、絶対に3位には入りたい。いっぱい点とってチームに貢献したい」

吉川治耀(情コミ2=京北)
「悔しい。途中出場だったけど3Pがいい感じに入って、(その後も)入るかなと思ったけど、相手のチェックがすごくてブロックされるんじゃないかとか考えて縮こまってしまった。拓実(齋藤)と自分が出てる時に、勢いを付けないようにというプレッシャーを相手が掛けてきて、そこで自分たちがやられてしまった。ディフェンスの質が違っていて、フォワードが45度でもらえなかったり、みんなパスばかり探してしまって、ゴールを見てなかった。攻め気が足りなかったから相手に強いプレッシャーのディフェンスを続かせてしまった。もっと攻め気を持っていればそのプレッシャーも軽くできたと思う。筑波のガードは指示をすごい出してて、先輩とかはあるけど自分ももっと出していかなきゃと思った。あとは決定力の差を感じた。リバウンドは頑張ったけど、もっと飛び込みリバウンドとかもさせないようにスクリーンアウトとかもしっかりしないといけない。(3Pでかなりやられたが)2番が当たっているっていうのをもっと早く気付いて止めなきゃいけなかった。次は法政だと思うけど絶対負けたくない。前の指導者とか関係なく気持ちで負けないでチーム一丸となってやりたい」