OB相手に奮闘 善戦するも敗戦喫す/黒鷲旗全日本男女選抜大会

2015.05.08
OB相手に奮闘 善戦するも敗戦喫す/黒鷲旗全日本男女選抜大会
 セッター・新とレフト・杉本匠(平27政経卒)をはじめ、実力の差が出た。第1セットは5―5まで拮抗(きっこう)していたが、富士通の6点目が入ったところで新がサーバーに。明大在籍時をしのぐパワー、精度のサーブが放たれると明大のスパイクが甘く入ったところをシャットされた。新のサーブは続き、そこからサービスエースを2点含む一挙10連続失点。タイムを3回はさんだが情勢は変わらず、5―15と一気に点差を付けられた。そこから加藤寛樹(政経2=創造学園)、川村悠希(政経2=雄物川)の下級生2人がスパイクで抗戦するが「ブロックの面で勝負できていない」(與崎風人・政経4=鹿児島商)とスパイクの反撃では点差がうまらず18―25でこのセットを落とした。
 最後まで食らい付き接戦を繰り広げた。第2セットも大差で奪われ、あとがなくなった第3セット。序盤こそ5点差を付けられたが、ここで反撃が始まった。加藤のスパイク2本を含む3連続得点で弾みが付き、さらに5連続得点で12―10と逆転。そこから点の奪い合いでシーソーゲームとなり18―18から明大が2連取したところで富士通が本日初めてのタイムアウトを要求した。富士通にAクイックなど強気の攻めで3連取されたが、先にマッチポイントのチャンスを得たのは明大。しかし、勝負はそこで決まらず一進一退の攻防が互いに30点が越えても続いた。明大のミスが2本続き33―34の場面。サーブカットがダイレクトで富士通サイドに渡るとすかさず新がメンバーにサインを出した。瞬く間に時間差攻撃のコンビでノーブロックになった中川がコートに突き刺さるスパイクを放ち試合終了。圧巻のラストプレーでの敗戦に選手たちは肩を落とした。

 試合後「内容は何もなかった」とゲームキャプテンの與崎はコメントした。明大は富士通戦で見せ場もつくったが、それ以上に課題が多く見えた。また、昨年まで明大の選手だった杉本は「明治の諦めの早さというのが出ていた。僕が母校で試合しているときは気づかなかったけれど、相手からはこう見えているんだと感じた」と後輩へ厳しい言葉を残した。春季リーグ戦前半戦を3勝3敗で折り返したが、上位を狙うには後半戦は1敗もできない。選手たちにはより一層勝ちへのどん欲さを見せてほしい。

[西尾健三郎]

試合後のコメント
岡崎吉輝監督

「収穫あったものとなかったものがあった。なかったのは勝ちに対する諦めない姿勢。得たものはやはりVリーグの先輩方とできたということは彼らの一生の財産になるだろうし、これからの後半のリーグ戦、東日本インカレにつながる勉強になったと思う。今伸びしろがあるのは川村。まだ彼はパワーがついてないし、体の硬い部分があるけど、そこをうまく可動域を大きくできれば幅の広がるプレイヤーになれると思う。(リーグ戦後半に向けて)雰囲気は悪い。これをどう立て直していくかはこれからの個人個人のプレーにかかっている。あとは今回あまり負けた感覚がないこと。負けて当たり前だと思ってしまっていると思うから、もっと気持ちを切り替えてほしい」

瀧野
「気持ち的には勝って終わりたかったけど、ストレートで負けたのは悔しい。昨日とかは良い試合できたから、3戦終えて上のレベルの人たちに何が通用するのとかがしっかり確かめられた。この経験は今後のリーグ戦に生かせると思った。リーグ戦後半は全勝してしっかり上位に残ることで東日本の組み合わせとか変わってくるから、優勝は無理だとしても上位に入れるように頑張りたい」

與崎
「内容は何もなかった。こっちは勝つ気はあったけど、それがうまく回っていない。消化試合ももっと勝ち気を出していけるように厳しくやっていかないといけない。(昨日2セット取れたのは)良い収穫だとは思う。ただ勝ち切れなかったのは力不足だった。(課題は)ブロックの面で勝負できていない。企業相手だから仕方ない部分もあるけど、ワンタッチなりは取れたと思う。リーグ後半は上位に残れるようにできたらいい」

政井拓歩(営3=市立尼崎)
「リーグ戦前半が終わった後に全体でミーティングしたけど、そこでゲームメイクについて話し合った。そこで、プロ相手でもゲームメイクは考えていかないといけない部分があった。JTのときは雰囲気と体育館に飲まれちゃって何もできなくて、FCのときにやっとできることがやれたけど、最後の最後に負けてしまった。やはりそこのゲームの組み立てが甘かったと思う。(収穫は)加藤にしろ、川村にしろよく頑張ってくれている部分があるからもっとリーグ戦でも頼って、引っ張れる部分は引っ張っていきたい。(新さんと戦ってみて)同じポジションだし、相手のどこが弱いかとかどのスパイカーが乗っているかとかを試合中に気づくことができるからやっぱりすごいと思った。相手のやりづらいようにするプレーは見習っていきたい。(リーグ戦後半に向けて)前半では明治らしい試合が最初3試合しかできなかったから、もっと明治らしくどこからでもコンビが合わせられるように頑張りたい」

川村
「3戦通して同じ調子でできなかったのは悔しい。こういう部分でこれからもリーグ戦、東日本インカレと続くからコンディションの面は鍛えていきたい。勝負所で二段トス決められないとかをなくしたい。特に、トスが低くなったり割れたときの対処がまだまだなっていないからそこから課題としてやっていく。(収穫としては)高いブロックに対しても、調子良いときは決められたから良かった。リーグ戦後半に向けて相手も高くなってくると思うから逃げずに戦っていきたい」