桐蔭横浜大に痛恨のドロー 3戦ぶり勝ち星ならず/関東大学1部リーグ戦
無人のゴールへと叩き込んだ先制点には、藤本「らしさ」が凝縮されていた。スコアレスで迎えた後半5分、今シーズン初スタメンの右SB鈴木達也(商4=柏レイソルU―18)の縦へのロングボールに藤本が反応。DF2人にマークを受けながらも持ち前のフィジカルで圧倒する。ボールを受けDFラインを突破すると、前へ飛び出してきたGKも「イメージ通りだった」(藤本)とワンタッチで置き去りにした。持ち前のスピードとパワーを存分に発揮したゴールにも藤本は「そのあとのチャンスを決められなかったので、僕自身この試合はすごく責任を感じている」と笑顔は見せず。これも藤本「らしさ」だ。「僕がチームのためにできることは点を取ること」(藤本)。次こそは自身のゴールで勝利へ導く。
全ては勝利のために。3試合連続で勝ちがない中、栗田大輔監督はルーキーのGK長沢裕也(政経1=藤枝東)、右SB鈴木を今シーズン初となるスタメンに抜擢。長沢は硬さこそ見られたが、終始安定したセービングを披露。初スタメンにも堂々としたプレーぶりだった。鈴木は右サイドを再三駆け上がりクロスを上げ続け、先制点のアシストも記録。指揮官の采配はチームに新たな風を吹かせたが、それでも勝ち点3はつかめなかった。
原点へと立ち返る。開幕3連勝を飾り一時は首位に立ったものの、今節の引き分けで4試合勝ちなし。順位は5位まで後退した。決して内容が悪いわけではない分、選手間にも戸惑いが生じた。前節慶大戦の敗戦後は選手間であらゆる要求を伝え合い「本気でぶつかった」(小池佑平・政経4=セレッソ大阪U―18)。だからこそ求められるのはピッチでの表現力だ。「もう一回一人一人がチームの勝利だけを考えてプレーしたい」(和泉竜司主将・政経4=市立船橋)。各々のチームへの思いをプレーで表現できるかが再浮上のカギを握る。
もう一度チームで勝利をつかむ。「幸いにも駒大との試合がすぐにあるので、相手も球際が強い駒大なのではっきりとすると思う」(藤本)。明大サッカー部の真価を示すべき次の舞台は、中2日での駒大戦。連戦で厳しいコンディション状態での試合だが選手は前向きだ。チームのベクトルを一つにし、勝利で再び勢いを取り戻す。
[鈴木拓也]
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試合後のコメント
栗田監督
「(4戦勝ち星無しとなったが現在のチーム状況は)あとはきっかけだけと思う。あとは純粋に足先だけじゃなくて運動量とか、球際とか切り替えのところをきちっとやるとか。そしてゴールに対して、本質的にサッカーをやっていかないとなかなか迷走していっちゃうと思う。(今日の試合は)後半の頭に運動量が上がって、先制をして非常に良い雰囲気だったが、一つのプレーで失点をしたあたりが今の課題なのかなと思う。相手がどうこうというよりもやっぱり我々の球離れだとか、判断の部分で捕まっていたのかなと。(GK長沢をスタメンで起用した意図は)練習の時から非常に安定していたし、動きも良くて単純に実力で選んだ。キャッチも安定していたし、緊張はしたと思うが良かったと思う」
和泉主将
「悔しい。今日は失点しないことと、最後はやっぱり気持ち。勝負に対するこだわりとか、そういう部分。前の試合が終わってから言いたいことは言い合ったけど、試合でうまくいってないので、もう一回責任感を、出ているメンバーが勝つためにやるべきことをやって勝ちたい。ハーフタイムに監督からも『本当に勝ちたいのか』と喝をいれられて、やれた。ここ4試合勝ててないけど、それが今の自分たちの実力だと真摯に受け止めて、次にやっていくしかない。(得点入る雰囲気はあったか)正直、自分も全くないと感じていた。ゴールから考えていないプレーというか、目的を忘れていた。常にゴールから考えて全員がプレーできていたらチャンスは増えたと思う。もやもやも勝ってないので晴れないけど、そんなの残してられないので次向けて切り替えていかないといけない。でも、今日こういう試合をしてしまったことからは目をそらさずに、真摯に受け止めて今の自分たちの実力を認めてやっていくしかない」
小池
「先制点取ったので、勝ちたかったというのが本音。負けるよりは引き分けなので良かったが、チームの失点が多いっていう課題を引きずっているので、まだまだ改善していく部分はある。慶大戦のあとは選手間で本気でぶつかった。チームの何がダメって分かれば簡単だが、もうちょっとチームとして組織立てば力を発揮できるんじゃないかなって思う。2連敗して引き分けて、内容っていうのもあるが、勝つことでチームも変わると思うし、無くしている自信を取り戻すきっかけにもなると思うので勝つことだけにとことんこだわってチーム全体で2日間やっていきたい」
差波優人(商4=青森山田)
「何としても勝ちたかった試合だけど相手もすごくうまくて僕らのサッカーをさせてもらえない時間帯もあったので、先制点は取ったけど結果は引き分けというところはまだまだ僕らが弱いのかなと思った。(ボランチとしてどう試合に関わっていこうと思っているか)もうずっとボランチで出ているし僕がやらなくてはいけないのは得点に関わる部分とかでもっとチームに貢献しないといけないと思う。(今日の自身のパフォーマンスは)数字も残してないし何も納得しているプレーはない。まだまだやらなければいけないこともあるし、もっとチームがこういう状況だからこそチームを勝たせられる選手にならないといけないと思う。そういう意味ではまだまだ僕のパフォーマンスはチームに貢献できていないと思う」
鈴木
「リーグ戦初スタメンで、多少の緊張はあったが、普段から練習でやっていることを出せば大丈夫だと思ったので、そういった意味ではあまり気負わず入れたと思う。ここ最近失点が多くて0にこだわろうって話はしていて、前半はそんなにいい流れで入れなかったっていうのもあって、とりあえず中で0に抑えようって。(試合後のミーティングでは)周りが言ってどうこうなる問題ではなくて、中にいる選手が勝ちたいっていう気持ちをプレーに表さなきゃいけないってことを話した。やっぱり気持ち見せなきゃ周りにいる人も応援してくれないと思いますし応援してもらっているからこそプレーで表現していかなきゃいけないっていうのを話し合って。試合の後、みんなで『変わらなきゃいけない』って話をしたので、次節それを見せられるようしっかり取り組んでいきたい」
藤本
「(4戦勝ち無しとなったが)チームとして現状はあまり良くない。勝てる試合を勝てない、勝ち切れない。自分たちの中でもどうしようって話し合って、前節も今節もやっているが、それがピッチで表現できていない。でもそれをピッチで表現しないと意味が無いので、自分たちで何かが変わって勝つことができるのか、このままズルズルといってしまうのか。試練だと思う。幸いにも駒大との試合がすぐにあるので、相手も球際が強い駒大なのではっきりとすると思う。僕たちも今日で言えば、取れるチャンスを取れていないし、自分の役割がそれぞれあると思うがそれをやり切れていないというか、それをやるだけの気持ちが見せられていないというか、気持ちはあるがそれがピッチで表現できていない。(ゴールシーンは)後半はもっと前にボールを入れていけということになって、オフサイドにならないようにということだけ意識していたので、キーパー出て来てそれをかわしてというイメージ通りだった。でもそのあとのチャンスを決められなかったので、僕自身この試合はすごく責任を感じている。僕がチームのためにやるべきことは点を取ること。前線から後ろのために守備してハードワークしてやるしかない」
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