新チーム最初の公式戦へ 関東トーナメント展望

 だった。今年はHC(ヘッドコーチ)、監督らスタッフ陣が一新。戦術や練習方針も大きく変わり、長谷川聖児新HCのもとでチームは再出発となった。本特集ではそんなバスケットボール部の1年を追う。

 新チーム最初の公式戦に挑む。4月25日に幕を開けた関東トーナメント。チームの目標はあくまで秋のインカレ優勝であるが、今大会はその秋に向けたチーム力向上のために重要な意味を持つ。現在のチーム力を試す格好の舞台、1つでも多く勝利を目指す。シードのため明大は5月4日から登場。玉川大との初戦は明大和泉体育館にて、14時20分ティップオフする。

 新しいスタイルで戦っていく。今年のチームにはサイズがない。昨年のリーグ戦上位3校とチームの平均身長を比べると、明大が182cm、東海大が185cm、青学大が184cm、筑波大が188cmとその差は歴然だ。こうした状況を踏まえ、新チーム一番のテーマは「ファーストブレイク」(長谷川HC)。すなわち速攻だ。体格で劣る分、攻めるスピードにこだわっていく。
 チームの格となるのは伊澤実孝(政経4=愛知産大工)だ。チーム1の得点力を誇り、今年のエースと呼べる存在。193cmと飛び抜けて背が高いわけではないが、ゴール下で強さを見せる。一方で、得意のターンからのシュートなど器用なプレーができ、アウトサイドからも得点できるのが魅力だ。昨年レギュラーの座に定着した吉本健人(法4=藤枝明誠)も中心選手としてプレーしていくことになりそうだ。昨年は3Pシューターとしての役割に徹したが「スクリーンの使い方やムービングでのシュートに取り組んでいる」とプレーの幅を広げてきている。ガード陣は「豊富にいるし、うちの強みだと思う」と長谷川HCが語るように、頭数が多く異なるタイプの選手がそろう。これまでの試合では、よりオフェンシブな展開をつくれる齋藤拓実(営2=桐光学園)、吉川治耀(情コミ2=京北)の2人のプレータイムが多かった。だが、高いディフェンス能力を備える上級生ガードの黒崎海斗(営4=新潟商)や會田圭佑(法3=市立柏)も控える。試合の戦況を見ながら様々なパターンを試していくつもりだ。

 今大会の最大の壁はベスト8での対戦が予想される拓大だ。絶対的エースのバンバ(拓大)を筆頭に、ユニバーシアード日本代表に選出された赤石、成田といった実力者がそろう。先日の京王電鉄杯でも優勝しており、その強さは本物だ。「拓大に勝てれば関東トーナメントは十分」(税所啓主将・情コミ4=興南)と、今大会のひとまずの目標は拓大を倒しての4強入り。同じ準々決勝で惜敗した昨季インカレのリベンジを果たしたい。
 しかし、拓大以前にも同じ1部リーグを戦う専大や、今大会のシード権を勝ち取った玉川大との試合もある。特に専大戦は厳しい戦いが予想されるが、京王電鉄杯では78―61で勝利している。今回も着実に勝利したいところだ。

 戦力の充実度を考えると、今年は昨季インカレ決勝を戦った東海大と筑波大の2強といえる。筑波大は、昨年怪物ルーキーぶりを発揮した馬場と杉浦の2年生コンビが強力。U-18日本代表の青木も加入し層に厚みもある。東海大は大学屈指のポイントガード・ベンドラメ主将を軸に、2m超のビッグマン橋本や198cmの頓宮もいる。筑波大同様、東海大にもU-18日本代表経験のあるルーキー2人も加わった。勝ち進めば筑波大とは準決勝、東海大とは決勝での対戦が見込まれる。「よりレベルの高い相手とやれるようにしたい」(吉本)と話すように、拓大の壁を破りこれら2強との対戦も経験したいところだ。

[尾藤泰平]