
中大に惜敗 春連覇ならず準優勝に終わる/関東大学選手権
最終盤の失点に意気消沈
1点ビハインドで迎えた第3ピリオド、試合終了間際。第2ピリオドまで1点のリードを奪いながら、第3ピリオドに2失点を喫し逆転を許した明大。同点ゴールを狙い、6人攻撃を仕掛け勝負に出た。しかし、捨て身の反撃は最悪の結果を招く。アタッキングゾーンでパックを失うと、がら空きとなったゴールに中島(中大)が放ったシュートが吸い込まれていった。残り29秒で中大のリードは2点に。勝負を決定付ける中大の追加点に、明大ベンチは静まり返った。そのまま試合終了を迎え、2―4で敗戦。喜びを爆発させる中大の選手たちへ視線を合わせることなく、明大の選手たちは一様に硬い表情を浮かべた。2年連続3冠の大記録は、今季初戦で夢と散った。
一度失った流れを取り戻せなかった。序盤から決勝にふさわしい一進一退の攻防となったが「序盤は自分たちのペースで進めることができた」(FW大椋舞人・法4=白樺学園)と言う通り、先制点を奪うなど主導権は渡さなかった。序盤最大のピンチは第1ピリオド13分。反則が連続し、2人少ない状況となったが「心のどこかで入れさせないという気持ちがあったから守り切れた」(大津)と防ぎ切った。だが、第2ピリオドから流れは徐々に中大に傾き始める。3度のキルプレーもあり、第2ピリオドのシュート数は明大の7本に対し、中大は倍の14本。第2ピリオド6分には大津のゴールで再び勝ち越したが、嫌な流れは第3ピリオドでも断ち切れず。粘りを見せていた守備陣もついに崩れ、第3ピリオド6分、12分の2失点で逆転を許した。反撃に出たい攻撃陣も、本来の持ち味であるスピードを生かし切れず。「勝てる試合だった」(大椋)と悔しい敗戦となった。
大津が主将の役割果たす
チームの全得点となる2点を奪い、大津がキャプテンの仕事を果たした。第1ピリオドの先制点に、第2ピリオドの勝ち越し点。勝利にこそ結び付かなかったものの、得点が欲しい時間に結果を出す活躍はまさにキャプテンの仕事だった。1点目は「練習した通りのプレー」(大津)というセットで崩しての得点。右サイドからパスを回し、大椋が中央へ送ったパックが相手DFに当たってコースが変わったところを押し込んだ。一方、2点目は大津の個人技が生んだ得点。ニュートラルゾーンでパックを奪い右サイドから侵入すると、自ら持ち込んで遠めの位置からシュートをたたき込んだ。違った形での2得点で、多彩な攻撃の片りんも見せた。主将となって初めて迎えた今大会。「昨年3冠をしているということで、やはり大津が一番プレッシャーを感じていると思う」(FW永井遼・法4=白樺学園)という中でも、決勝の大舞台でしっかり結果を残して見せた。
「この負けは、絶対に忘れてはいけない負け」(大津)。優勝を逃す結果に、さらなる成長を誓った。チームはサマーカップを経て、9月に関東大学リーグ戦の開幕を迎える予定だ。今大会の課題を修正する時間は十分。また、大学一の厚さを誇る選手層はチーム内競争に拍車を掛ける。もともと個の力が強い明大だが、さらなる個のレベルアップにも期待だ。「このような形で終わってしまって悔しいが、まだ始まったばかり」と大椋。この悔しさは、秋にぶつける。
[高田悠太郎]
試合後のコメント
大津主将
「相手のペースにしてはいけないと言われていたので、序盤からペースを上げてフォアチェックなどして、明治のペースにしようという方向でやりました。その通り、流れをつかめた時もありましたし、全然悪くありませんでした。自分たちのホッケーはできたと思います。(DFの強化について)心のどこかで入れさせないという気持ちがあったので、守り切った場面が随所に見られたと思います。練習通りでやった結果なので、後は気持ちだったんじゃないかなと思います。1点目の形は練習した通りのプレーでした。結果的には自分の得点でしたが、セット5人で作ったプレースタイルだったので、周りのみんなにも感謝したいです。勝ちから負けにつながるというのは気の緩みではないですが、メンタルの部分で育ってないところがたくさんありましたし、それ以外にも攻めたら守りに行く体力。守りの展開だったり、メンタル、体力をしっかりしたいと思いました。『常勝明治』ですので負け慣れることはないですし、次勝つことが目標になってので、この負けはみんな口には出さないと思いますが、絶対に忘れてはいけない負けだと思います。この悔しさというのを学生として学んで、これをばねにします。夏もありますが、秋にこのリンクで最後まで立っているのは明治にできるように、1日1日の練習を積み重ねていきたいと思います」
大椋
「序盤は自分たちのペースで進めることができましたが、反則やくだらない失点でリズムを崩してしまいました。第2ピリオドの終盤から第3ピリオドにかけて、中大ペースで試合を進められてしまいました。ただ、ある意味そういった部分を無くせば自分たちのホッケーができると思いますし、勝てる試合だったと思うので、そこはこの試合の中では良かったと思える点でもあり、反省点だと思います。個人としても決めるべきところを決めることが出来ず、チャンスメイクも今日は少なかったので、そういう部分では力不足だと感じました。昨年3冠したので、このような形で終わってしまって悔しいですが、まだ始まったばかりなので、切り替えて夏、秋リーグ、インカレで優勝できるように。個人としてのスキルも上げて、優勝したいです」
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