大山が準優勝でアジア・ジュニアの代表権獲得/JOC全日本ジュニア選手権

2015.04.27
 盤石の動きで準Vに輝き、アジアへの切符を手にした。早生まれにより3年生ながらも今大会に出場した大山博貴(営3=仙台育英)。準決勝まで安定したプレーで勝利を重ねた。大山は2位によりアジア・ジュニア選手権への出場権を獲得し、今シーズン開幕戦を最高の形で終えた。さらにルーキー・永井基生(営1=八千代松陰)も3位入賞と相手との体格差に苦しみながらも果敢に戦い、大学デビュー戦で結果を残してみせた。

 得意技に加え、組み手で試合を優位に運んだ。大山は大会を通して冷静だった。その要因として「技をかけるまでの組み手がとてもうまくいった」(大山)と振り返った。

 それが如実に出たのが準決勝。両者互いの動きをけん制し合う中、試合が動いたのは第1ピリオド終了前。大山は組み手から理想の形を作ると後は得意のアンクルホールドへ。一気に4連続回転で8ポイントを奪い、流れを自分のものにした。続く第2ピリオドでも相手のタックルに対しがぶりで柔軟に対応。そのまま一連の動きの中でバックを取り、カウント11―0でテクニカルフォール勝ちを収めた。勝利の瞬間はアジア・ジュニア選手権への出場を手にした喜びから小さくガッツポーズ。自身初となる世界レベルでの争いには「出るならばもちろん上を目指す」(大山)と力を込めた。
 昨年、秋季新人戦優勝とブレークを果たした大山。今大会の決勝では2020年東京五輪ターゲット選手の白井(日大)に力負けも、各大会で安定した成績を残してきている。3年生として迎える今年の目標は「インカレ入賞」(大山)。そのためにも今シーズンは「防御」に焦点を当てた練習に取り組む。攻めでは自分の得意な形を確立しただけに、守りを磨けば勝利はより確定的なものになると自身で分析。上級生を迎えた大山のさらなる成長には大きな期待が懸かる。
 高校時代に磨いた武器を遺憾なく発揮した。減量せずに挑んだ96㎏級のルーキー・永井の準々決勝。自身の持ち味である思い切りのよいタックルから自分のペースに持ち込む。タックルから展開しポイントを効率的に奪い、カウント13-1で勝利を手にした。大学デビュー戦で3位入賞を飾り「素直に嬉しい」と永井。結果だけでなく、高校時代から得意としていたタックルが大学でも通用することが分かり喜びもひとしおだった。それでも「この結果に満足はせずにもっと上を目指したい」(永井)とまだまだ上位進出に貪欲な様子。96㎏級は体格差が勝敗を大きく左右する階級のため、今後は階級を1つ落としてタックルまでのプロセスを磨く。そして目指すは明大では杉山雄介(商4=花咲徳栄)以来3年ぶりとなるルーキーイヤーでの新人戦優勝だ。
 来月に行われる東日本リーグ戦に向けて楽しみな結果となった。今大会では入賞の2人だけでなくベスト8が4人と開幕戦にして上々の滑り出し。部が一番の目標に掲げるリーグ戦において、下級生の活躍はより勢いをもたらすだろう。紫紺のシングレットをまとった選手たちの奮闘に期待だ。
[小田切健太郎]
試合後のコメント
大山

「2位は嬉しい。もちろん目標は優勝ではあったが、決勝の相手は学生チャンピオンだったので。合宿終わりだったので調子も悪くなかったし、久し振りの試合で緊張はあったけどそれも徐々になくなったので。(準決勝は)アジアが決まったので思わずガッツポーズがでた。そっちに出るならばもちろん上を目指す。今回は組み手がとてもうまくいった。いつものようにがむしゃらではなく、動く感じで。タックルされた後にも冷静に取り返せた。(決勝の相手は)タックルが早くてすごかった。自分の持ち味も出せず、何もできなかった。今後は確実に点が取れる動きと防御を身に付けたい。そして今年の目標はインカレ入賞とリーグ戦の順位を上げることだ」

本多正龍(営2=島原)
「正直結果に満足はしていない。僕は早生まれなので来年も出場できるのですが、今年出ている大山さんが昨年3位に入っていたので入賞したかった。膝をケガしていて、1ヶ月半練習ができずに体重だけを落として挑んだ。動きは最悪だった。今シーズンの目標はリーグ戦で貢献すること。新人戦はもちろん優勝を目指す。そのためにもポイントを取りに行けるタックルに取り組んでいく」

永井
「結果は素直に嬉しい。目標は入賞だったので。準決勝の相手も強かったので当たって砕けろじゃないけれども思い切りやった。でもこの結果に満足はせずにもっと上を目指したい。自分は攻めるレスリングが得意なので、その中でタックルという武器を磨いていきたい。高校と大学の差はやはり体格が大きい。今後は階級を落とす。タックルにいくタイミングは自信があるのだが、その後の処理がまだまだなのでそこを磨きたい。今回見えた課題としてはタックルまでのプロセス。タックルにいくまでの組み手を練習する。今年の目標は新人戦チャンピオン、インカレの入賞だ」