中大に突き放され今季初黒星/関東大学1部リーグ戦

2015.04.27
中大に突き放され今季初黒星/関東大学1部リーグ戦

 中大相手に今季初めての敗戦を喫した。前半立ち上がりから明大がペースを握るがゴールを奪えない時間が続くと、前半21分に先制を許してしまう。しかしその8分後に和泉竜司主将(政経4=市立船橋)が同点弾を決め、1―1で試合を折り返す。後半は両者譲らぬ攻防が続く中、後半21分に失点するも後半30分には途中出場の土居柊太(政経2=浜松開誠館)のゴールで追い付いた。しかし後半34分にも失点しシーソーゲームを制せず2―3で試合終了。第5節で初の黒星となった。
 課題が目に見える形で表れた。「(負けなしで)油断やおごりがあったかは分からないけど、アップから普段とは違う空気やミスがあった」(和泉)。攻勢に出ていた前半21分、中盤でボールを取られると一本のパスで抜け出され一対一に。相手のファーストシュートはGK八谷惇希(商3=清水エスパルスユース)の頭上をふわりと越えゴールに吸い込まれた。後半34分の3失点目も右サイドを簡単に突破されクロスを上げられた。「上げさせない守備、打たせない守備、ペナルティエリアに入れさせない守備というのを徹底してやってきた」(鳥海晃司・商2=ジェフユナイテッド千葉U18)中での同じような2失点。数少なかったピンチを耐え切れずに失点し相手に流れを渡した。「点の取られ方が悪すぎる」(栗田大輔監督)と今季は昨年まで明大が武器としていた堅守にほころびが生じている。5試合9失点と昨季最少失点を誇った厳しい守備はまだ見られていない。「守備の基本となるところをもう一回チーム全員が徹底してやらないとやっぱり勝てる試合も勝てなくなるし、今後苦しくなってくる」(和泉)。チームとしての守備の立て直しが急務だ。
 連携での積極的な崩しを見せた。前半29分、左サイドを駆け上がった髙橋諒(文4=国見)がゴール前まで持ち込みシュートを放つ。GKに弾かれたこぼれ球に「狙い通り」と反応した和泉がゴールに流し込んだ。後半30分にも土居の今季初ゴールで再度追い付き、攻撃陣の好調ぶりが今節でも発揮された。前半立ち上がりは完全に明大ペース。細かいパスワークや差波優人(商4=青森山田)の前線への正確なパスから崩しゴールに迫る場面も多かった。最後の精度にはまだまだ課題を残すが「チーム全体としては悪くないしポジティブにやっていきたい」(和泉)とチームでの連携は試合を重ねるごとに高まっている。

次節は勝ち点2差で現在4位の慶大との上位対決。リーグ戦での黒星は昨前期リーグ戦最終節の国士大戦以来と15戦ぶりと、今節の敗戦を今後へとつなげられるかが焦点となる。「チーム一丸となって勝てればチーム的にも絶対力になる」(差波)とにらむ前期山場の3連戦の初戦。守備を見直し、今季初の完封勝利を目指す。

[谷澤優佳]

日付 対戦相手 会場 キックオフ時間 スコア
◆第89回関東大学サッカーリーグ戦 前期日程◆
(スコアをクリックすると試合の記事にリンクします)
4・4(土) 順大 味フィ西 12:00 ○3-2
4・11(土) 法大 駒沢陸上 13:50 ○3-2
4・15(水) 神大 三ツ沢 16:00 ○2-1
4・18(土) 流経大 たつのこ 13:50 △1-1
4・25(土) 中大 味フィ西 11:30 ×2―3
5・3(日) 慶大 川口 13:50
5・6(水) 桐蔭横浜大 味フィ西 11:00
5・9(土) 駒大 味フィ西 13:50
5・16(土) 早大 味フィ西 11:30
10 5・24(日) 国士大 多摩陸 13:50
11 6・14(日) 専大 東海大G 13:50
※4月26日時点

順位 チーム名 勝点 総得点 総失点 得失点差
◆順位表◆
【第5節終了時点】
明大 10 11
国士大 10
流経大
慶大
中大 10
順大
神大
駒大 -1
法大 -3
10 専大
11 早大 -3
12 桐蔭横浜大 10 -6

試合後のコメント
栗田監督

「点の取られ方が悪かったので負けたのも仕方ない。前半の入りに決定的で得点できなくて、一個のピンチで簡単に決められてしまえばチームのリズムも悪くなってしまう。失点した時はゴール前の厳しさが全然なくて、だからあんなに簡単に失点してしまった。良い時はいいんだけど、ピンチのシーンで守れなくて点を取られちゃう。そこで失点してしまうとサッカーにならないので、そこの厳しさが足りないかなと。前半はラストパスとか最後の精度が悪かったんで、そこをきちっとやっていればもっと点は取れたと思う」

和泉
「あんなにあっさり得点を入れられて負けて、率直に悔しい。油断やおごりがあったかは分からないけど、アップから普段とは違う空気やミスがあって、入り方はそんなに悪くないけれどミスからあっさりと失点してしまって。最後の一番大事な部分ができていないというか、今までは明治の一番の特徴だったところ、上げさせないとか打たせないとか守備の基本となるところをもう一回チーム全員が徹底してやらないとやっぱり勝てる試合も勝てなくなるし、今後苦しくなってくると思う。チーム全体として守備がうまくいってないというかそういう感覚はなくて、結局のところは個人の問題というか。疲労という部分も少なからずあるかもしれないけどそれを言い訳にしてたら選手として上に行けるわけがないと思うし、全日本に出て疲れていようと出たからにはちゃんとやらなきゃいけない。全員がやることやれば勝てないわけがないと思う。もっと守備のやれてた部分を思い出すために来週からのトレーニングに取り組んで一からやり直さなきゃいけない。ただネガティブに考える必要はない。点も取れてるし、チーム全体としては悪くないしポジティブにやっていきたい。得点のところはこぼれ球を狙ってたんで、狙い通り。あそこで追いついて前半もう一点だったり、あとは前半入りのチャンスを決めていればもっと楽に行けたと思う。失点している守備をなんとかいう人は多いけどチャンスで決めきれない自分たち前線も悪いし、言ってしまえば失点より多く点を取れば負けないわけじゃないですか。同点に追いつくことは出来ていたのに、追加点を上げたりできなかった。最後の精度が上がればチームに楽をさせてあげられるし、前の選手の中でもそういうことを意識してやっていきたい」

差波
「負けたことは負けたことなのでしっかり切り替えてまた一週間良い準備したらいいかなと思う。(前半流れが良かった中で決め切れなかったのは)それが課題だと思うし前線の選手、ボランチ含めてもっと練習から得点にこだわってやっていかないといけないのかなと思った。前線の選手をパスや動きでコントロールするのが僕の役目だと思うし、そういった中でもっと決定的な仕事をしなければならないと思う。竜司だったり今日だったら元太(三苫・政経4=アビスパ福岡U18)であったりそういう点を取れる選手に対してもっとラストパスの精度を高くしなければ彼らも生きないと思うし、彼らが点を取れてないっていうのは僕の責任でもあるのかなと思う。得点は中で粘ってくれた柴戸海(政経2=市立船橋)だったり土居だったりという選手がよく決めてくれた。(失点については)1失点目は僕がパスミスしてそこからやられたので僕の責任でもありますし、2失点目3失点目も防げる、中大のFWが大きいのがいたのでそこにクロスだったりロングボールを上げさせてしまうとこういうふうな流れになると思いますし、失点場面もまだまだ日頃からこだわっていかなければいけないと思う。(次節に向けて)今回負けてしまったので連敗はチーム的にもきついと思いますし、上位対決になるのでしっかり勝ってGW3連戦をチーム一丸となって勝てればチーム的にも絶対力になると思うのでやっていければいい」

室屋(政経3=青森山田)
「今シーズン結構失点多いですし今までも流れの良い時間帯で失点してしまっているので、もう一回チームでどうやったら失点しないかというのを話し合わないといけないと思う。失点しないことが大事だったし前半は0―0でも良かったんじゃないかなとも思うし、確かに得点取れたらベストですけどまずは失点しないことが一番だったのでもったいない失点だったと思う。すべての失点においてしてはいけない時間帯だったり、そこまでピンチをつくられなかった中で少ないピンチで3失点とも決められている。セットプレーだったり3失点目はもったいない形だったので、もちろん個人で上げさせないとかシュートを打たせないとかそういうところもあるけど、チームとしてもう一回守備の形をつくらなければいけない。(攻撃面は)今シーズンずっと得点を取ってくれているので、今日も2点決めてくれたし難しい時間帯でも同点に持っていくことができた。攻撃の面はみんなが努力してハードワークしてくれているのでそこはいいことだと思う。中でやっている限りは内容もそんなによくないと思ったし、でももちろん勝つことを望んでいましたけどいつか負けることは分かっていたし大切なのは次なので、この負けを次の試合に勝つためにしっかり修正していきたい。いい形で崩したりも何度かあったし試合の動かし方という面ではそんなに悪くなかったかなと思うけれど、やっぱり簡単に失点してしまうというところは問題かなと思った。(特別指定の発表直後で注目の中でのプレーとなったが)そんなに特別指定だからどうとか考えてないし、気にせずプレーしていた。そんなに問題なかった。(次節に向けて)今日の負けというのをここで落ち込むんじゃなくて、チームとしてプラスに持っていって次の試合で今日の試合の負けを教訓にしてしっかり勝てるようにしたい」

鳥海
「(初スタメンで緊張はあったか)前日寮でみんなに明日スタメンだと言われていたのでそれがプレッシャーになって少し緊張した。今日の朝もいろんな人に今日スタメンで頑張れよと言ってもらったので緊張した。試合入ってみたら緊張はなくて落ち着いてプレーすることができたと思う。チームの勝利を優先して考えることができた。(失点場面は)一対一での甘さが出たシーンだと思うしもっと一対一のところで打たせない守備だったり、そういう厳しさを持って練習していかないといけないと思った。試合前から上げさせない守備、打たせない守備、ペナルティエリアに入れさせない守備というのを徹底してやってきた中で、3失点目も簡単にクロスを上げられてしまっての失点だった。そういう監督の言ったことなどをしっかり実行して、上げさせないとかしっかりしたところをもっと突き詰めてやらないといけないと思う。(課題はあったか)リーグ戦の難しさというか、練習試合とかIリーグにはない緊張感だったりうまくいかないところがあったので、その難しさの中でいかに失点しないで勝ち切るかというのを次に生かして、次の試合は無失点で勝利を収めることを目指してやっていく。今チームのみんなどのポジションもレベル高くて意識髙くやっているので、次節も出れる自信という自信はないけれど出たら必ずチームに貢献できるようにしていきたい。(中に入ってみてチームの動きはどう感じたか)攻撃陣が素晴らしい選手がそろっていると思うので、その面ではボールを持った時に得点する予感もしていたしそういった攻撃の厚さがすごく頼りになって助けられた。(次節に向けて)もし出たら自分はDFラインなので、ここ5試合無失点という試合がないので無失点で抑えて取るところ取ってもらって完封して勝ちたい」