古俣が優勝! ユニバーシアードへ

2015.04.20
 古俣潮里(政経2=新潟)が優勝を果たし、ユニバーシアード日本代表入りを決めた。7月3日~14日に開催されるユニバーシアードの代表選考会が行われ、1日目は、留学から帰国し再びチームに合流した沖本拓郎(政経4=柏陵)ら6人が出場。代表決定となる上位2名には残れなかったものの、JAPAN経験者を破るなど残る2名の推薦者枠に向けアピールした。2日目は、古俣を除くと上田果歩(理工1=伊那北)の25位が最高と振るわず。格上の選手を相手に勝利を挙げることはできなかった。

[女子エペ]
 大石(山九)ら強豪を破り頂点までたどり着いた。準決勝では12-11と一本勝負を制して勝利を挙げるなど、2回戦以降は決勝を除きどれも接戦。苦しい戦いが続いたが全て勝ち切った。また、この結果を受けユニバーシアードの出場権を獲得。明大女子エペのエースとしてあらためて存在感を示した。
 3度目の正直で鈴木(日大)から勝利をつかんだ。昨年度の関カレ、インカレと連続で敗れていた相手との2回戦。序盤4―0とリードするもすぐに追いつかれた。しかし「どこかで2回負けた人にこのまま勝てるわけないと思っていて、それが4点を取られたことによって逆に落ち着いた」と古俣。中盤以降は安定した試合運びを見せ、着実にポイント重ねた。これまでなら攻め急いでしまう場面でも「ゆっくり時間を使えた。これはできるようになったこと」(古俣)と成長を見せつけ15-9で逃げ切った。また黒木(日大)との準決勝では先行を許す厳しい展開ながら、残り13秒で11-11と追いつくと、最後は勝負強さを発揮し一本勝負を制した。
 一方で上位進出も期待された上田、奥村美咲(理工3=北陸)はそれぞれ2回戦、1回戦で姿を消した。上田はベスト4に入った池田(法大)と接戦を繰り広げるも、最後は一本勝負を落とし13―14で敗戦。また序盤は優位に試合を進めた奥村も「対応されてそこで自分が変えられなかった」と中盤以降に失速し逆転負けを喫した。

[男子フルーレ]

 明大の男子フルーレに沖本が帰ってきた。1年半の留学期間中はほとんど競技をしておらず「久々の試合で緊張した」と言うがそれを感じさせない試合を見せた。予選を明大勢最高の24位で通過するとトーナメント1回戦では終始相手を圧倒。途中6連続ポイントを挙げるなど危なげない試合運びを見せ15―4で勝利した。2回戦では一時4点差から追い上げを見せたが13―15で惜しくも敗戦。「戦い方は悪くはなかったが雑になってしまった」と丁寧な動きと試合勘を取り戻すことが課題だ。2年前のユニバーシアード代表でもある実力者。リーグ戦1部昇格を目指す男子フルーレの希望となることは間違いない。
 道脇啓太(営2=熊本県立翔陽)がJAPAN経験者を破り成長を見せた。予選を難なく突破し、1回戦の相手は世界ジュニア・カデ選手権日本代表経験のある敷根(法大)。序盤はペースを握られるが4―3と逆転すると、お互いに連続でポイントを取り合う展開に。10―11とリードされた場面でインターバルが明けると1点を失ったものの「最後の最後で自分の読みが当たった」と怒とうの5連続ポイントで勝利を挙げた。2回戦でも今春の世界ジュニア選手権で19位に入った松山(早大)と対戦。「どこまで動けるかが焦点」(長尾康司助監督)と第1セットはシーソーゲームで互角な試合運びを見せていたが、第2セットに入ると一転。連続失点を許し9―15で敗戦となった。「あそこまでできると思ってなかった」と想像以上の結果に本人も驚きを隠さないが「課題は最後の5本」と前も見据える。さらなる成長の糸口をつかみ、リーグ戦での活躍に期待が懸かる。
 ルーキーの岸貴範(営1=埼玉栄)がエースを叩いた。1回戦でインターハイ優勝経験も持つ日体大のエース・鈴木と対戦し白星を挙げた。1―5とスタートは出遅れたが徐々に巻き返し5連続ポイントで逆転。インターバル後も集中力を切らさずに15―10で試合を決めた。「粘り強く剣を捉えて、思い切ってアタックした」と体格差を考えた試合運びがはまり「鈴木を倒したのは大きい」(長尾助監督)とリーグ戦に向け弾みをつける。思い切りのよいアタックが持ち味のルーキーが「1部昇格の原動力となれるように」リーグ戦でも実力を発揮する。
 池畑亮太朗(理工2=三重県私立海星)は予選を突破できずに終わった。予選プールであと1勝を挙げれば通過となったが、52位で敗退。大石(法大)、鈴木(日体大)ら強豪の集まったプール10を勝ち抜くことができなかった。

[男子エペ]

 坂守洸主将(法4=清風)野が世界ジュニア選手権日本代表経験を持つ津江(早大)から勝利を挙げた。予選を12位で通過しシードとして登場した2回戦で津江と対戦。「お互いに本気でぶつかり合ったのは面白かった」と互いにリードを譲らない白熱した試合となった。第2セットで同時突きが多くなっていたところを「佐伯と古俣(潮里・政経2=新潟)が作戦を言ってくれた」と同じくエペ専門の選手のアドバイスを受け入れると、インターバル明けに単独での一本を取り13―11とリードを広げる。勢いそのままに相手の追い上げを許さず15―12で勝利をもぎ取った。「100%ではなかった」中でも強さを見せ明大男子最高位の10位に入った。リーグ戦では厳しい戦いが予想される男子エペ。主将として部をまとめる坂野が成績でもチームを引っ張っていく。
 佐伯恒星(政経3=鶯谷)はトーナメント1回戦で敗れ38位に終わった。実力はあるだけに成績が伴わないのが悔やまれるところだ。リーグ戦では専門選手が2人しかいないため、さらなる強さが求められる。リーグ戦1部残留に向け奮起に期待したい。

[男子サーブル]
 厳しい結果となった。杉田賢人(営4=埼玉栄)、島田義人(営3=鳥羽)は共に2回戦敗退。ルーキーの鈴木武(政経1=羽島北)は予選を通過することができなかった。それでも「自分の動きと相手の動きが噛み合わなくて相手の動きにはまってしまった。そこで切り替えることができたらリーグ戦とかでも勝っていける」(島田)と敗戦の中にも手応えは得た様子。すでに次戦に向けて切り替えていた。

[柴田遼太郎・谷澤優佳]

試合後のコメント
坂野主将

「4年になって就職活動も始まって練習抜けることがあったりして100%ではなかったんですけど、その分頭使って佐伯とか古俣とかエペ人でまとまってやってたのがよかったのかなと思う。全体的には予選プールも負けたのが1本勝負で負けたりとかしてたのでもったいないところが多かったかなと思うんですけど、自分が負けた西本や2回戦でやった津江とかもああいう日本のトップレベルの人とやった時に、自分が普通に全力でやっても技で取られることが多いのに、自分が凡ミスして点取られるのがすごくもったいないなと思ったので西本の時にそれがすごく多かったのでもっともっとそういうところをシビアにやっていけたらよかったかなと思う。(2回戦での津江との対戦は)多分他の人の下馬評的には絶対無理だろと思ってたので、自分でも正直厳しいかなと思ってたけれど、せっかく朝早く起きて試合するんだったらあれぐらいの強い選手とやって純粋にフェンシングを楽しんで強い人とやると高いレベルにいったような気がするので、そういう楽しさを味わいたいと思っていたので結構当たると聞いて、避けたくはあったけれどやるとなったら別に、楽しんでやろうかなと思っていた。昔から試合も練習も結構当たったりしているので、手の内を知っているわけではないんですけどお互いがお互いに本気でぶつかり合ったのは面白かった。(勝因は)1か2ラウンド目が終わった時の休憩でちょっと自分が作戦が手詰まりになってきて、同時突きがすごく多かったので何をしようかなと考えていた時に、佐伯と古俣(潮里・政経2=新潟)がベンチに入ってくれていたんですけどその2人がこんなのどうですかと作戦言ってくれた。それが自分に考えがなかったところだったのでそれも使えるなと思って素直に受け止めてすぐに使ってシングルが取れたので、そういう意味ではあいつらが外で見てくれていたっていうのが大きかった。ラインを変えるじゃないですけど向こうも絶対シングル欲しいはずなのでそれをかわして突くとか。ちょっと自分が読まれ出し
た時にその先を外野にいる2人が読んでくれたので、結果として自分がもう一個上の作戦に、返し技を失点することなくできたのはあの2人が言ってくれたのが大きかった。(3回戦は)西本も1個下で専修大学にも結構練習に行っていて仲良く練習させてもらってはいるんですけど、戦い方のプランが自分の頭の中にはあったけれどそれを先に読まれてたのか向こうが意識していたのかは分からないけれど全然違う戦い方をされて、その時に自分のやられたくないような戦い方をされて自分のスタイルが崩れていったというのが一番大きい敗因だと思う。そうなると無駄打ちだったりちょっとしたミスがすごく大きい失点になってしまうので、そういうところでも集中力を欠いて正直相手の方が一枚上手だったかな。(リーグ戦について)男子が自分と佐伯しかいないので結構厳しい状況にはなっているし他の大学も狙ってくるとは思うんですけど、言っても団体戦なので。自分1人では何もできないですし向こうも3人いたからこっちが2人だから負けるというものでもないと思うので、まだ3番目誰を使うのか悩んでいるんですけど結構チーム一丸となって明治大学として戦っていければ勝てない試合ではないんじゃないかなと思う。それを1年間目標としてきたので勝ちたい。あんまり上見すぎてもよくないからとりあえず下からちっちゃい目標から、残留から去年の順位を超える、行けたら王座行けた方がいいとは思うんですけど小さいところから最低ラインは守るようにはしたい。(今年主将としてどのようにしていきたいか)まとめるということはみんなの意見聞いて平等な部活にしたいと思うんですけどその中で結構明治の部員は個性が強いので、その個性を殺さないような部活にしたいと思っている。それで勝ってきた人も多いのでできるだけ共存できるようにしたいですし、最低限の報告・連絡・相談だけはしてもらって、あとはもう自由に他大学行きたいと言われても全然OKですし、強くなるために何かするのであればそれは全然寛容的にしていこうかなと思っている。いい意味で自由な部活、のびのびとフェンシングできるようなフェンシング部にしたい」

沖本
「予選上がれたからよかったというのが正直なところ。久々だから負けても仕方ないと思っていたけれど、実際負けてみると結構悔しい。頑張ろうと思った。最上級生だからみんなを引っ張って、2部に落ちちゃってるからまずは1部に昇格を目指して頑張る。悪くはなかったんだけど、自分の中で試したいことがあったからそれを試せたことはよかった。そこから出て来た課題を学べたから良かったんだけどちょっと雑だった。戦い方は悪くはなかったと思う。自分の体の動きで、絶対に下がらないで前にしかいかないというベースでやった。練習の時より緊張もあって動きが雑になってたから、久々の試合だったから緊張しちゃったのもあったけれどもうちょっと細かくきれいに動けたらよかった。あっちではやってなかった。1年半ブランク。11月、インカレ終わってからほとんどやってなかった。たまにやってたけどアメリカではやってなかった。こっち戻ってきて合宿いきなりやって足が小鹿みたいになってた。集合の時に立てないって感じだった。悪くはなかった。あのプール激熱だった、落ちたらどうしようと思っていた。一応今日の目標はクリア。1年半ブランクあったから一つ一つの試合を謙虚に臨んでいきたい」

島田
「冷静だったが負けた試合では、自分の動きと相手の動きが噛み合わなくて相手の動きにはまってしまった。そこで切り替えることができたらリーグ戦とかでも勝っていける。去年のインカレから試合をしていなかったが、久しぶりの試合にしてはいい動きができたのではないか。今年は期待してもいいかな」

奥村
「試合中に考えるのは良くないと思うので、試合に入る前、リーグに入る前にどうテンションを上げていくかを考えていきたい。技術面では相手の剣を見過ぎた。あとは我慢をすることができなかった。相手に2セット目から対応されてそこで自分が変えられなかったことが敗因のひとつ。王座を獲ると全ての場所で言っているので実現したいと思っている。だが気持ちが強過ぎて本番に硬くならないよう、女子5人で盛り上げて、今まで練習してきたことを全て出し切れるように頑張っていきたい。」

道脇
「意外といい試合ができた。(1回戦は最後追い上げたが)あそこまでいって相手のすることが、ヤマ勘なんですけどちょうどその考えたドンピシャで合ったのでトントントンっていけた。自分の読みが当たった。最後の最後でちょうどはまってくれた。(2回戦は)自分もあそこまでできると思ってなかったので、いい試合はしたと思ったけれど結局最後の5本が強いから負ける。自分もあの5本の考え方を、取れるように工夫したいなと思う。シーソーゲームで試合をしてきている時に最後の点差終わるまでトトトっていけるような、あれをやっぱ試合中でつくって最後の5本に取っておきたい。(リーグ戦は)今日は意外とみんな、負けたんですけど強い人といい試合とか勝ったりしているのでいい感じかなと、結構自信ある感じ。チームの雰囲気はいい。1部昇格は多分大丈夫」


「予選がよくなかったので、自分が自信持った得点だったと思ったけど相手に取られちゃったり、でもそこは自信持ったりしてトーナメントにもつなげられるようにした。(1回戦は)背が高くてリーチがあるので遠い間合いで勝負されると思ってたのでそこは粘り強く剣を捉えにいって、思い切ってアタックとか行った。うまく試合展開つなげて勝てたと思ってるのでよかったんですけど、2回戦で負けてしまったので。2回戦とかは後半から点を取られてしまって、前半はいい勝負をしていたんですけど後半一気に持っていかれちゃった感じだった。そこから後半にも下がる時とか崩されるのではなくて、体幹とかを鍛えないといけないかなと思った。(課題は)体幹とか崩されるのとか、あとはどうしても最初予選を弱気でいってしまうので強気というか、最初からいつも通りのプレーができるようにしたい。(フェンシングの持ち味は)段々試合が進むごとに思い切りのいいアタックを踏めるように、よくなってる感じがする。アタックとか自分が打つときは段々試合を重ねていくごとによくなって、多分自分が得意なのは思い切りのいいアタックなんだと思う。(今年1年間は)1年生なんですけどプレーでは思いっきりやりたいと思っているし、いろんな試合に出て経験とか積んでいきたい。リーグは目標としている1部昇格できるように、その原動力となれるように頑張りたい」

古俣
「これは予選会なので、変な話2位に入った時点で目的は達成していた。あとはどこまで自分をアピールできるかだと思っていた。相手もA代表だったので、決勝に上がった時は楽しくやろうと思っていた。優勝した瞬間はやり切ったなという感じ。正直、この錚々たるメンバーの中ではどこで負けても仕方ない。もちろん負けないぞという気持ちはあったが、負けても不思議じゃない人たちが集まっているので、ある意味気楽にやれた。今日ポイントになったのは、2回戦の鈴木穂波さんとの試合からの3試合。誰が1番つらかったというより、みんなつらかった。どれもリードされてから巻き返したという感じ。その3試合は今度こそ負けたなと思った。それを3つとも勝てたのは大きかった。ターニングポイントと言ったら2回戦だが、他の2つもつらかった。鈴木穂波さんに対しては、今回こそはと思って空回ってきた。そのことは考えないようにした。ただ、うまいこと4点取れていけるかもと思った。だが、4点くらいシングルで取られた。そこで、やっぱりこの人強いんだなと思えたことが今までとは違った。どこかで2回負けた人にこのまま勝てるわけないと思っていて、それが4点を取られたことによって逆に落ち着いた。不思議な感じでした。父にも言われたことだが、自分の中でやってはいけないアタック、これをやられたらずるずる入っちゃうやつがある。それは今回全く無かったわけではないが、いつもだとリードされて、攻めて攻めてまたやられる感じだった。今回はダメなアタックはすぐに止めて、ゆっくり時間を使えた。これはできるようになったことかな。練習してきたことというよりは常に言われてきたこと」