
順大に逆転勝利! 王者奪還へ開幕白星スタート/関東大学1部リーグ戦
持っている男だ。昨シーズンはケガに苦しみ満足のいくプレーができなかった和泉。「昨年の悔しさを晴らすため、試合の中で主将の仕事がしたい」(和泉)とラストシーズンへ懸ける思いは特別だ。開幕戦での逆転決勝弾。エースで主将の背番号10がまず一つ大仕事をやってのけた。
決めるべき選手が決めた。1点を追う前半33分、ゴール前のこぼれ球に誰よりも早く反応したのは藤本だった。右サイド室屋からのパスを受けた道渕諒平(農3=ベガルタ仙台ユース)がドリブルで抜け出し、シュート。GKがはじき大混戦となったゴール前をモンスター藤本が制した。「チームのため」にゴール量産を誓うストライカーが、今シーズンのチーム初ゴールを挙げた。
2年目の若武者が気を吐いた。後半16分にピッチに入った木戸がチームに勢いをもたらす。後半18分、差波の右からのCKを柴戸海(政経2=市立船橋)がスルー。抜群のタイミングでゴール前から抜け出してきた木戸が「練習通りだった」と思い切り右足を振り抜き、豪快にゴールに突き刺した。この日のファーストタッチで価千金の同点ゴール。今年を「勝負の年」とする木戸が、開幕ゴールでレギュラー定着に大きくアピールした。
スタートダッシュを決めてみせる。今節は「内容よりも結果を求めた」と栗田大輔監督。2失点を喫するなど少なからず課題も残る試合だったが、勝ち点3が何よりの財産だ。開幕戦の勝利は2010年シーズン以来実に5年ぶりだが、満足はしない。「このチームは勝つことで良くなる」(山越)。開幕戦勝利を追い風に連勝、そして4連覇中の専大からの王者奪還を目指す。
[鈴木拓也]
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試合後のコメント
栗田監督
「(今日の試合を振り返って)まずは勝てて良かった。内容よりも結果を求めた。ここのところずっと(開幕戦では)勝てていなかったので。マイボールの時にロングボールが多くなって間延びしてしまったので、相手FWを捕まえることができずそれで最初ペースがつかめなかった。25分くらいから柴戸が中盤で相手をつぶしてうまくリズムを生み出してくれた。(後半の試合運びは)2点目の相手のスーパーゴールはしょうがないので、そこで選手たちがぶれずにもう一度自分たちのサッカーをやってくれた。木戸を代えた直後に点を取ってくれて、あのあたりで勢いに乗れたと思う。(開幕スタメンを選んだ理由は)一番状態の選手と一番やりたいことにフィットできる、はまっている選手を11人選んだ」
和泉
「入りは蹴ってしまって悪かった。間延びして相手のFWにボールが入ってゲームを支配されてしまった。でも、そこから落ち着いてできたというのは良かった。そういう意味では勝てたのが1番の収穫。(得点について)木戸も佳希も決めて、これは俺も決めないとなと思っていた。1点だけど、決勝点になったのでとりあえず(FWが)1点ずつ取れたのは次につながると思う。(得点シーンを振り返って)成がヘディングして、その時には声を掛けていたので山越が上手くそらしてくれたので、流し込むだけだった。体制は悪かったけど、逆にキーパーのタイミングを外せて、ふかさないようにころがせた。コースに転がせば入ると思っていたので」
差波
「開幕戦ということもあって難しい試合になることは分かっていた。その中で勝てたということが一番大きいかなと思う。(裏に抜ける動きが多く感じたが)攻撃参加したかったし少し流れを変えたかったので、僕らのところから飛び出して行くというのは意識していた。(柴戸との連動は)まだまだ連携不足ではあるが、これから良くなると思うし、2人でもっと話していけたらいいかなと思う。(セットプレーでの意識は)いいボールを蹴ろうとだけ思っていたので、結果的に木戸が決めてくれたというのはキッカーからしたらうれしかったし、これを継続していかないといけないなと思う」
藤本
「開幕戦や久しぶりの公式戦でうまくいかないことはみんな予想できていたので、そこからどう自分たちの流れに持っていくかが大事だった。(得点シーンは)どんな点でも1点は1点なので。結構でかいゴールを取れたなと思う。(得点王について)結局15点くらい取らなければ得点王にはなれないので、1試合1ゴールのペースでいきたい。1点取ったら満足じゃなくて、1点取ったら2点、2点取ったら3点というメンタルを持ち続けたい。それがチームの勝利につながると思うので、そこは意識していきたい」
山越
「最初に先制点取られて、いつもならそこで負けていたけど、みんなで一回集まって『切り替えていこう』って話し合えて気持ち落とさずに試合を続けることができて、最終的に逆転勝利できたので良かったと思う。失点のところは、それまでちょっとロングボールが多かったのでもう少し距離を近くした方がいいのかなと思った。開幕は入学してから勝てていないし、開幕勝てないと勢いに乗れない。このチームは勝つことで良くなるチームだと思っているので、そういう意味でこの試合勝てたのはすごく大きい」
道渕
「開幕戦ということもあって最初はみんな固くてボールを蹴っちゃうことが多かったけど、25分くらいから緊張がほぐれてきて、そこからは失点もあったけれどもつなぐっていうしっかり自分たちのサッカーをして勝てた、いい試合だったと思う。得点シーンはまず成(室屋)からいいボールが来て、ボールもった瞬間にシュート打つつもりでドリブルしていたが、キーパーが弾いたのにうまく合わせてくれたので良かった」
八谷惇希(商3=清水エスパルスユース)
「開幕戦で初スタメンということもあって緊張したが、失点くらって逆に緊張が解けてプレーできた部分があったので、今日の試合を経験できて良かった。完全に崩されたっていうのが練習試合含めて初めてで、逆にそれ以降そういう崩され方をしなかったので良かったかなと。キーパーだからこそ無失点にこだわらなきゃいけないので。ここ数年開幕戦で勝てていなくて、チーム全員がなんとしても開幕戦勝ちたいって思って準備してきたので、そこの気持ちの部分でも相手を上回れたと思う」
柴戸
「(開幕戦スタメンで固さなどはあったか)最初ちょっと緊張気味で浮き足立っていた部分もあったが、徐々にいつも通りプレーできるようになったのでそこは良かったかなと思う。(開幕スタメン取ったが)メンバー的にもやっぱりスタメンで出られるというのは自信にもなるので、良い準備ができてスタメンで今回出られたというのは自信にしていっていいのかなと思う。(監督から話は)開幕スタメンということで『緊張するな、いつも通りやれ』ってことで、まあ緊張してしまったが、そういう話をされてきた」
木戸
「(途中出場だったが)この前の練習試合とかでも途中からだったので、そこはいい準備をして臨もうと思っていた。得点は取れたが試合に出たからこその課題も見つかった。2-1で負けていたので絶対に流れを変えようと思って、得点という形で流れを変えられたことは良かったと思う。(得点シーンは)本当に練習通りで。さしくん(差波)がいいボールを蹴ってくれたので。(次節に向けて)今日だけじゃなくて連勝して明治は乗ってくると思うので、満足せずにやっていけば次も絶対に勝てると思う」
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