
(1)副将対談/関東大学前期リーグ戦事前取材
第1回はチームを支える副将のお2人の対談です。
――お二人が副将になった経緯は
小池 決め方としては新4年生で話して、これまで3年間やってきた中で誰が主将に向いているかっていうのと、誰が副将でその主将を支えていけるのかというのを基準にして意見を出し合って、まあ多数決というわけではないですけど…。推薦みたいな形で決まりました。
――和泉竜司(政経4=市立船橋)主将が不在の中、副将として意識していることは
小谷 チームが良い雰囲気でリーグ戦に向かって団結してやれるようには意識はしています。あとはチームがうまく回るようにというのを常に意識して、幹部の佑平とか主務の西原(天童・政経4=明大明治)とかと話し合いながら、4年生全体でもミーティングしながらやっています。
小池 特に竜司が抜けたからといって変わることもなく、逆に竜司が入ってきたからといって変わることもなく同じこのスタンスを続けていければ、というふうに動いているので。プレーの面では竜司がいるのといないのは大きいですけど、それ以外のところでは俺と光毅も積極的に自分たちから動いているので、特にそんなには意識的に変えるというところはないですね。
小谷 誰が抜けたからといってあまり変わることはない。
小池 4年生になったからというのもあるんですけど4年生全員でミーティングの回数を多くしています。一番はチームの温度差というのがシーズン始まったときからずっと大きな問題としてあったので、そこにどう取り組んでいくかというのが結構大事にしていたところかなと思います。
小谷 それは始動したときというか去年とかからもずっと言っていることなので、まずはそこから入っていくという感じで。
小池 1年生が入ってきて新しい環境になって慣れない中で、どれだけ積極的に参加させてあげられる環境をつくるかというのが上級生の役目であると思っていますし、そこに対してはグラウンドの外でも、練習中でも積極的に声をかけてあげるとかというところは意識的に、僕らだけじゃなくて4年生3年生が意識的に取り組んでいるところかなとは思います。
小谷 この前の静岡の合宿でも全学年それぞればらばらになってそういった話し合いの場を設けたりして、1年生とかがうまくチームになじんでいけるような形を取れるように。
小池 昨日もやったしな。
小谷 そういうのはやっぱり4年生が中心になって考えてやっていることですね。
――「原点」というスローガンの理由、決まった経緯は
小谷 まずそれぞれが自分で考えたスローガンというのを持ってきて、それについて話し合って、その中からだんだん意見を交わしながら絞っていって「原点」ということになりました。やっぱりチームが良い時も悪い時も振り返る場所っていうのがあればいいということで「原点」ということに。サッカー面ではずっとチームが言っている三原則であったりとか、勝利への執念というところと決まって、生活面ではそれもチームがずっと言っていることですけど、礼節を重んじるであったりとか、思いやりと謙虚さを持つ、フォア・ザ・チームということをスローガンに決めて、常にそういったことを意識して取り組めるように「原点」となりました。
小池 4年生が中心となって考えてきて今年のスローガンはこれだというふうに伝えて、多分もうどの部員に聞いても答えられる…。
小谷 答えてもらわないと困るけどな(笑)。
――栗田監督が正式に就任して変わったことはありますか
小谷 今年特に言われているのは勝つということかな。勝つためから考える。
小池 全日本選抜組が抜けることが多いじゃないですか。やっぱりチームがバラバラで、もちろん全日本も主力というところもありますし、チームがシーズン前に集まれなくていざリーグ戦開幕の時にぱっと集まった時に、去年まではずっとそういうふうに2か月間準備してきたものを出すという準備ができたんですけど、今年はそのチーム全員がそろって練習ができるとか試合ができるという期間が非常に短くて、その時に何が大事なのかとなったら結局はもう内容はどうしても準備していない分難しくなるということを想定して、結果を求めるというところを栗田さんが言っているのもそうですし、そう間違いないことだと思いますから選手のみんなも意識して、どういう内容になれども結果というところ。
小谷 勝ちながら合わせていくという感じですかね。あとは常にポジティブな捉え方をしようというふうにはチーム全体が言ってますね。チーム全員で練習する時間が短いからどうしてもやっぱりうまくいかないことが多いので、それに関してマイナスなことばかり考えていてももう仕方ないので、常にポジティブなことを考えてこううまくいくようにというのをチーム全体でずっと言ってきていますね。
――コンセプトの浸透は
小谷 三浦さんが編集してくれたビデオを選抜組にも見れるように回しているので。そういう意味では浸透していると思いますけど。あとは常にポジティブに考えるということであったり、明治でやっているということを選抜組もその人たちの立場でやってくれているのでその辺は問題ないと思います。神川さんが全日本選抜の監督ということもあって、やっていることは変わらないので。
小池 三原則は選手自身も大事にしていますし、明治の伝統として続けていかないといけない部分だとみんな認識しているので、ぶれることはないと思いますね。
小谷 まずそこをベースにしながらプラスアルファ、上積みをしていく感じだと思います。
小谷 個が強い。
小池 あと4年生が多いですね。
小谷 去年、去年は…。
小池 いや、違わないですね特には(笑)。継続してきた上に積み重ねるという。
小谷 ただ今年の色として個が強いというのはあります。
――現在のチームの雰囲気は
小谷 雰囲気はいいよね。
小池 モチベーションも高いですし、みんなポジティブにそれぞれが与えられた立場でやれることをやっていると感じています。まだもっとできると思いますけど悪くはないと思います。
小谷 でも2年生もさ、1年生が入ってきて責任感が出てきているよね。昨年に比べたら間違いない。
――(小谷は)寮長を務めるが生活面などで呼びかけていることは
小谷 まずはきれいに。
小池 お前が一番遊んでるやろ。
小谷 まず寮の中で気を遣えないとサッカーとかでも気を遣えないと思うので、寮内をきれいにして。あとは寮内のルール、規律を守ることで、まずは当たり前のことを、きれいに掃除したりとかスリッパを並べたりだとか。別に寮長だからといって特別やることはないですけど。
小池 ずっと仕切っているだけです(笑)。
小谷 リーグ戦が始まる前は寮だったり、グラウンドの周りはきれいにしています。そういうところからやらないと強いチームにならないと思います。
――静岡合宿は全員がそろう貴重な機会だったが
小池 戦術の確認と、栗田さんも言っていたんですけど「一体感」。みんなが集まれるということで、同じ宿舎に泊まって、顔を合わせてご飯を食べる。選手たちでグループディスカッションみたいな場も設けたり、ビデオミーティングをしたり。そういう意味では一体感としては充実感のある合宿だったと思います。
小谷 あとあれもやったじゃん。富士市立高校と練習試合をしたんですけど、向こうの高校生を僕らが指導する。トップとセカンドに分かれて、6個のグループに分かれて。向こうの監督からボールを奪うことと基礎技術の向上をテーマにやってくれと言われたので、それに沿ってどういうメニューをするかをみんなで考えて、それを実践して、ということでやったんですけど。それをやったことで一体感っていうのも育まれたんじゃないかなと思いますね。新しく気付いたこともありましたし。
――お互いへの期待
小池 やっぱり(小谷は)人よりも気が利くタイプだと思うので、お互いに。まあ竜司が上に立って俺ら2人が全体を見て、トップチームだけじゃなくて、セカンドチームのモチベーションもそうですし、試合に絡めない人の応援であったり。そういう人たちがいて成り立っているということをトップチームの人たちに伝える。特に僕はそれをやらなきゃいけないと思いますし、お互いがそういうところに気を遣ってチームとして成長できるように。2人で竜司を支えられればいいかなと思います。
小谷 佑平はピッチ外でもピッチ内でも発言力があるので。すごい助かりますし、でも佑平が言ったみたいに2人で竜司を支えたい。やっぱり竜司はプレーで引っ張ってくれているから、まあ他の部分であったりというか他って言い方もおかしいですけど、生活面だったりチームをまとめる上で気付ける2人だと思うので。俺と佑平は。4年生全体で話し合いながら、チームをうまくいい方向に持って行って結果が出ればいいなと思いますね。
――チームをまとめる上での苦労は
小池 今のところはないですね。みんな僕の言うこと聞いてくれますし(笑)。個は強いんですけど、発言もしてくれますし、何も言わないより全然いいですね。自分が間違っていれば、他の意見を聞いて直すことができますし。エゴっていうよりみんなしっかりと考えを持っていて、俺が俺がっていう感じではないですね。
小谷 ディスカッションのテーマ決めるときもさ、2時間くらい話したよね。
小池 主将、副将だけじゃなくて4年生全員が頼りになりますし、だから4年生全体で下級生をまとめるという考えの方が自分たちの中で大きいと思いますね。
――テーマとは
小谷 明大サッカー部で何が得られるか。1年生は仕事がありますし、それをまず何のためにやっているのかっていうのを。やっぱり理由無しに理不尽なことをやらされていてもやる気は出ませんし、3年4年になった時にどういうところで生きてくるかというのを教えてあげることで、少しでもモチベーションの向上につながればという気持ちで話し合いましたね。毎年新人研修を合宿でやっていて、4年生の幹部が1年生と話し合いを持つ場を設けていたんですけど、それは寮でできるということになって、4年生で。せっかく合宿に行っているんだから、みんなで話し合った方がいいだろうと。
――お2人はその仕事がどこで生きたと感じましたか
小池 忍耐力ですね。
小谷 上に立った時に気付くことが多いですかね。
小池 気付くことができる。我慢できる。あとは先を読むことができる。何か起こってから対処するんではなくて、例えば一回何かが起こってしまった時に次は起きないようにどうするのか。
小谷 でそれも、どうするのかっていう対策を考えて、次にアクシデントが起こった時までを考えて対策を考える。チームの雰囲気っていうのも気付けないと上の立場になって。サッカーでもうまくいかないときは必ずあるのでそこで思い切ったりだとか。考える力っていうのは明治で養われる一番の物だと思いますね。
小池 タイトルを取ることですね。何のためにやっているかっていうと、やっぱりそこが無いとサッカー選手じゃないと思いますし、それでこそ評価されると思っていますから。
小谷 やっぱり勝たないと評価されないし。
小池 まずはそこに尽きますね。他のことは全て過程で、結果。結果、結果、結果ですね。むしろ過程もいいくらいな。
小谷 でもやっぱりリーグ戦で優勝したいね。
小池 本当に強いチームってなるからね。
小谷 しかも今まで2位、3位、2位。
小池 もう専修には優勝されたくないので。
小谷 あとは天皇杯でJに勝つということですかね。
小池 まあでもインカレもあるし。
小谷 そうだね。
小池 全部勝ちたいですね。
小谷 取れるとこは全部取らなあかん。まずそこを目指してっていうのはありますね。
――リーグ戦への思いは
小谷 最後の年だし、1年通して終わった時に悔いが残らないように。チーム全体でまずやりたいですね。でもリーグ戦やからという感じではないかな。
小池 でも楽しみやな。
小谷 いよいよ始まるかっていう感じ。
小池 やっとかっていう感じですね。そのために準備してきているので。
――ラストイヤーへの思いは
小池 自分はチームがどういう風に結果を残せるか。チームのために4年生ですし、自分が副主将ということだからチームにどれだけ貢献できるか。それは試合に出る、出ないに関わらず。ピッチの外でもピッチの中でもどれだけ貢献できるかというところに1年間やろうという風に決めているので。結果ですね。
小谷 俺もそうですね。被るんですけど、チームの結果が出ることが一番なのでチームのためにどう働けるか。ピッチ内外問わず、どう貢献できるかっていうのを常に考えて、しっかりしないと。4年が中心となっていいチームにできるように、結果が残せるように常にそれだけを考えてやっていきたいです。この立場になって自分のこと気にしていられないと思うので、やっぱりチームのために何ができるのか、どう貢献できるのかに尽きますね。
――ありがとうございました。
次回は昨年度リーグ戦ベストイレブン対談です。更新は明日4月1日です。お楽しみに!
◆小池佑平 こいけゆうへい 営4 セレッソ大阪U18出身 173cm・68kg
◆小谷光毅 こたにひろき 政経4 ガンバ大阪ユース出身 170cm・65kg
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