王者奪還に「明るい兆し」/関東学生春季大会

2015.03.31
 六大学大会、八大学大会、日立明対抗大会が併催される関東学生春季大会が行われた。明大は学生賞典馬場、新人馬場、中障害C飛越、新人障害、複合の5種目に出場。中村幸喜(農1=福岡第一)が全種目で入賞し存在感を見せつけた。六大学団体でも優勝を遂げ王者奪還を予感させる結果となった。

 あと少しのところで優勝を逃した。1日目の複合馬場で1位の走行を見せると2日目の複合障害、新人馬場でもトップに立った中村。最終日は関東学生三大大会と難易度も近い中障害C飛越に出場した。中村はルーナと出場しバーを一度も落とさず減点0。同じく減点0の大澤(早大)〈稲嵐〉とのジャンプオフ(減点0が2人以上の場合、障害を変えもう一度試技する)に駒を進めた。まず大澤が走行すると大柄な稲嵐が安定した飛越を見せ再び減点0。タイムは49秒73。中村が優勝するには減点0かつ大澤のタイムを上回ることが条件となった。中村は1回目よりもペースを上げ障害を越えるも第4障害でルーナの後ろ足がバーに当たり落下。タイムは43秒30と大澤をはるかに上回ったが減点1で一騎打ちを制することはできなかった。「仕事をさせてあげられなかった」と悔しさで顔をゆがませた中村。1回目の走行からジャンプオフへルーナの気持ちを再び持っていくことができなかった。それでも佐藤五志監督は今大会を関東学生三大大会への通過点と捉えているため「へこむことはない」と励ます。明大を支え続けたダブルエースが抜けた穴を中村が埋め始めた。

 関東学生三大大会に向け明るい兆しが見えた。学生賞典馬場では早稲田和歌子主将(政経2=あずさ一)が2位で団体の優勝に大きく貢献した。納得のいく走行ではなかったが関東学生三大大会に向け自信はある。主将として今年のチームを「努力をすれば日大にも勝てる」と下級生の成長を評価。一丸となり2ヶ月後の関東学生三大大会に備える。昨年もかなわなかった悲願が今年はすぐ手の届くところまできた。

[田中莉佳]

試合後のコメント
佐藤監督

「コンディションが良くないのが何頭かいて、急なエントリー変更があった。それに伴って出場者も少なくなって、どうかと思ったが、そこそこやってくれた。現3年生までの部員で、最大限の力を注いだわけではないが、よかった。関東(学生三大大会)に向かってやる。次の1年生も乗れる子が何人かいるので、明るい兆し。もともとこの試合に全力を注いでいたわけではない。馬のコンディションもあるから。(難易度)中障害は、関東(学生三大大会)とも匹敵するレベル。中村は良かった。(最後のジャンプオフ)あんまり問題ない。へこむこともない。(今年の明大)行けそう。頑張るよ。とにかく馬のコンディション調整。馬が持っているポテンシャルで十分勝てる。具合の悪いのが何頭かいて、それだと成績出せないから。最大限の力を発揮できるように関東に絞ってやる。それが1番大事」

早稲田
「もっと上に行けた。全然納得してない。馬の能力を生かしてあげられなかった。いい動きを出してあげたい。いつも踏んでいる科目だったから、普通にできた。明千とは去年から乗っていて、相性がいい。めちゃくちゃかわいい。(主将として)まだ全然らしくない。主将らしくなろうと努力中。(今年の明大)障害も馬場も努力すれば日大にも勝てる。伸び代がすごくある。日大は強いけど負けたくない。勝ちます」

中村
「今日が良ければ、終わりよければ全て良しって納得できた。でも1対1で勝ち切れなかったので、悔しい。馬のせいではないけど、最初の走行で馬が終わった気になってしまって、もう一度やるんだよって立て直してあげることができなかった。馬も気分が乗ってなくて、そこを十分に分からせてあげることができなかった。仕事をさせてあげられなかった。それが敗因。落としたところは去年の関東学生でも落とした障害と同じ色で、それを分かっていたのに馬場に入ったときに馬に慣らしてあげられなかった。馬も急にさっきまで跳んでない障害が現れてびっくりしたんだと思う。(馬場)新人戦は結果としては出た。結果だけ見たらいいけど、関東に向けて見たらまだまだ。残りの2ヶ月で修正しないといけないところがたくさんある。しっかりと修正しないと日大には勝てない。六大学に日大は入ってないけど、結局は個人だと早稲田に負けているので、団体ももちろん取るけど個人でも取る。そこをしっかり修正して6月の関東に向けて準備したい。今回はその準備も足りなかった。学校始まるけど、濃密な練習をしていきます」