山本、中野景が表彰台へ/全日本ジュニア選手権
62㎏級には永原と中野景が出場。どちらもスナッチは103㎏を挙げたが、ジャークで明暗が分かれた。
永原は3本全て失敗に終わり記録なしに終わった。腰と広背筋のケガの治療に専念していたため試合に出るのは8カ月ぶり。前日も緊張のあまりよく寝られず「感覚や試合前の動きもおかしかった」。本番でも雰囲気にのまれ、気持ちの面の弱さを痛感した。昨年夏までは順調に記録を伸ばしていたが、その後はケガに悩まされ調子も急降下。「ケガに甘えて全然練習していなかった」と険しい表情を見せた。今後は上半身を重点的に鍛える。
一方中野はジャークで124㎏を挙げ切りトータル227㎏の2位入賞を果たした。スナッチ、ジャークともに1本目を失敗しており「成功していれば3本目で新記録に挑戦できていた」と悔いも残ったが、今年度初の大会で表彰台に上る好スタートを切った。弱点であるという足の強化が功を奏した。コーチにスクワットのやり方や、練習のセットの組み方などを教わり「伸びてきている」と今大会でその成果を実感することができた。また栄養面や生活習慣の改善にも取り組んでいるという。これからの記録の伸びに期待ができそうだ。今回の記録で5月の全日本学生個人選手権への出場権を手にした中野。「今回勝った相手も僅差なので負けないことと、3、4年生にも食らいつきたい」と意気込みは十分だ。
初日最後の69㎏級に出場したのは齋藤。スナッチ108㎏、ジャーク137㎏のトータル245㎏で6位に終わった。クリーン&ジャークの3本目で142㎏に挑戦した。4月の選抜大会出場の規定記録到達が懸かっていたが、ジャークで立つことができず失敗。苦々しい表情で会場を後にし、試技後は「もったいなかった」と肩を落とした。大会まで調子が上がり切っていなかった齋藤。しかし目標のトータル270㎏も「練習次第で取れる」と強気だ。上半身や補強、スクワットに取り組み記録の更新を狙う。
85㎏級には松本が出場。スナッチ115㎏、ジャーク140㎏を成功させ、トータル255㎏で8位となった。肩のケガにより練習が全然できていなかったというが、上がり調子の中結果を残した。肩の痛みが出たというジャークでは2本失敗となったものの、高校時代から強かった選手たちに食いついた。3本目では150㎏に挑戦し「六大学では確実に取れる」と手応えも得た。課題はスナッチで「強豪選手に全く付いていけていない」と悔しさを浮かべる。新体制となり「リラックスして練習ができている」中でどれだけ記録を伸ばせるか期待が懸かる。
94㎏級には山本が出場し、スナッチ115㎏、ジャーク151㎏のトータル266㎏で見事3位に。「練習から80%以上の重量は触るようにしていた」とうまく調整し、調子の良い中での好成績となった。ジャークの3本目は成功させれば2位というところだったが失敗。プラット上に倒れ込んだ。それでも3位と表彰台に上がり「記録なしはしないようにと思っていた」と昨年度記録なしの大会が多かった悔しさは晴らした。今後の課題は足のパワーだ。結果は残すも今大会ではベストが取れなかったことを残念に思っており、今季は「ケガなく記録を伸ばす」ことを目標に意気込んだ。
最終日には+105㎏級で上野が出場。上位が大会新記録、ジュニア新記録を更新する中、スナッチ133㎏、ジャーク163㎏、トータル296㎏で4位と奮闘した。スナッチは3本全て成功し、試技後には笑みがこぼれた。しかしクリーン&ジャークでは「スナッチを3本取れて満足してしまった」と2本目、3本目に挑んだ168㎏を挙げることができず、1本のみの成功にとどまった。今後は「成功率を高められるように」と、今まで取り組んでいたスクワットやデットリフトに継続的に取り組み、最重量級選手として「しっかりと試合を締められるようになりたい」と意気込む。
選手によって結果に差が出る内容となった今大会。しかしそれぞれが明確な課題を見つけ、今年1年間の目標を設定した。新入生も入り、新たな体制でスタートしたウエイトリフティング部。今年度の活躍にも期待が懸かる。
[板橋洋子・谷澤優佳]
関連記事
RELATED ENTRIES