年間王者に一歩及ばず 小林惜しくも総合2位/明治神宮外苑クリテリウム

2015.03.10
 逆転優勝はかなわなかった。4月の初戦から合わせて15戦が行われた学生ロードレースカップシリーズ。第14戦で、小林和希(政経2=裕誠)は総合1位をひた走る相本(法大)とのポイント差を12まで縮めていた。最終戦では曽我圭佑(法2=九州学院)と眞砂英作(政経1=高松工芸)がアシストするも逆転優勝とはならなかった。最終戦のレースで10位となると小林は総合252ポイントを獲得し、総合2位で今シーズンを締めくくった。
 クラス3Aでは、板倉玄京(営1=千葉経大附)が2位と健闘。今大会は上位5パーセントが昇格対象となり、クラス2への昇格を果たした。
 年間王者へはあと一歩及ばなかった。最後はスプリント勝負となるも小林は本来の実力を発揮できなかった。スプリントに自信を持つ小林だが、前半でのペース配分が原因で苦い思いをすることとなった。レースが大きく動いたのは残り3周。荒井(法大)、黒瀬(中大)の2人が逃げるところに小林(日体大)が追いつき3人の逃げを形成。そこに橋本(鹿屋体大)も加わり4人が逃げ集団をつくった。メーン集団をリードしていた橋本が抜けると、すかさず眞砂はその位置につけ集団を引き始めた。逃げ集団とメーン集団の差が10秒以上開き、逃げ集団が逃げ切る可能性があったが眞砂の活躍もあり3秒差まで縮んだ。小林は最後のスプリントで相本(法大)を抜こうとするが、最終コーナーを曲がったのは9番手で出遅れる展開となった。直線距離が短いうえ、前半の疲労により実力通りのスプリントができず、相本に先行を許した。「終始攻めの走りをしようと臨んだが思うように走れず悔しい」(小林)と顔を曇らせた。レース順位10位、年間総合2位でシーズンを締めくくった。

 クラス3で板倉の活躍が光った。終始集団での走りが続きラスト半周、板倉と柴崎(鹿屋体大)の2人が飛び出し優勝争いを演じた。どちらが1位か分からない程、競ってゴールしたが判定の結果2位となった。板倉はこの日が19歳の誕生日。バースデーレースでの準優勝に「もちろん1位が良かったが2位もうれしい」と笑みをこぼした。板倉は短距離班の選手だが、機会を見てはクリテリウムに出場しており昨年夏に行われた湾岸クリテリウムに続き2回目のレース出場となった。湾岸クリテリウムでは距離とスピードに対応できず、惜しくも途中棄権となったが、今大会でリベンジを果たした。

 メルボルン大や鹿屋体大という強豪校ばかりの選手が出場。その中で小林は本来の実力を発揮できず、相本に年間王者を許してしまった。明大から3年連続年間王者輩出という偉業は成し遂げられなかった。しかし、今回の悔しさを糧に来シーズンのRCSで年間王者への返り咲きを誓う。

[辻成美]

試合後のコメント
小林

「集団のペースが上がらず後半からは脚をためにいってしまって、前に追い付かず最後のスプリントの脚がなかった。場所取りも悪くてスプリントで相本さんに差を付けてやろうと思ったが、全然自分より相本さんの方が脚があって最後捲られてしまったので全然だめだったので悔しい。序盤から最後まで攻めていくつもりだったが、後半思った以上に集団のペースが上がって付いていくのが精一杯な部分もあり、思うように脚が回復しなかった。後半になって眞砂が出て来てくれた。(そのサポートで脚は)スプリントになって脚をためようと思ったが残り一周みんながんがん上げるので思ったより回復できず後ろに下がってしまった。(スプリントを掛けようと思ったのは)直線が短いのでコーナー曲がってすぐと思っていたが、脚的にきついと思って少し遅めに掛けた。普段のスプリントが全然できなくて後悔している。スプリント力は上がってきていると思うが30km走った後もがくとなるとしんどかったので長く走っても最後スプリントを全力でもがけるくらいの脚はつくらないといけない。明後日から春合宿が始まるので200km乗り込むのでその中でももがきを入れて、もがいた後はしっかり脚を回復させてという練習をやっていきたい。やっぱり自分はスプリントが持ち味なのでそれを生かせるような脚をつくっていきたい」

曽我
「(今回の落車について)自分の前の集団が落車してしまい、それを避けた形を取ると、集団から離れてしまった。落車はしなかったが、避け方が悪かった。行こうとは思ったが、なかなか前に行けず後方にいて、位置取りの悪さとレース勘の無さと実力が伴わなかったので、こういう結果(途中棄権)になったのかと思う。せっかくメンバーとして走ったのに、5周しか走れなくてふがいない。(クラス2とクラス1の違いは感じたか)ペース的には、あまり変わらないと感じたが、後ろになればなるほどスピードが必要なので、自分のレースの経験の無さが表れたと感じた。(今日のレースプランは)小林の前に行ってアシストしようと考えてはいたが、まず前にも出られなくて自分の中のプランは一つも実行できなかった。(同期として小林さんについて)総合優勝が懸かっている試合だからアシストしたい気持ちで臨んだのに役に立てなかった。眞砂だけのアシストになってしまい、本当に申し訳ないという気持ちしかない」

板倉
「(レースプランは)クリテリウム2回目だったので先輩方にアドバイスを聞いて、前方にいることを意識したり、路面を気にかけていた。あとはコーナーで脚を使い過ぎないように意識した。一回目のお台場は全く走れなかったので、今回の2位は嬉しい。できれば誕生日だったので優勝したかった。(スプリントを掛けたタイミングは)とりあえず着いていくことに必死でスプリントのことは考えていなかった。みんなで固まっての勝負だと思っていたから、まさか2人で出るとは思わなかった。路面が悪いので、できれば早く掛けたかったが、自分と同じタイミングで踏み始めたので、最後刺し切る距離が足りなくて思い通りにもがけなかった。もともと種目は短距離だから、今回も完走できればいいくらいに思っていた。弱点は状況判断。どのタイミングでもがくとか、誰に付くかなどを正確に見極めたい。(全日本での目標は)チームスプリントで、優勝もしくは3位以内に入れるよう努力したい」

眞砂
「小林さんの絶対に勝ちたいという気持ちが走りからあふれてくるのを感じていた。(レース展開は)クリテリウムは位置取りとか細かいテクニカルなものが要求されるが、小林さんの総合1位が懸かっている重要なレースでどうやってうまくアシストしようかなと思った。どうやって勝たせるかということで、昨日レースの勉強をした。レースの映像とか走り方の本を読んだりしたら、今日劇的に走りが良くなった。レース最初の方も脚を使うことなく集団に付いていけた。それまでに結構練習していたのもあるが、やはり勉強していたことで、今後に生かせる得るものが大きかったレースになった。(最後の3周は)自分の脚はちぎれてもどうなってもいいから、小林さんに勝ってもらいたいという気持ちで終始走っていた。結果的に言うと前の集団が濃すぎて、差を縮めず開けずという現状維持に終わってしまった。(来季に向けて)今回の走りでクリテリウムにも自信ができて、練習と走り方の勉強をしたら劇的に走りが変わると分かった。いつも父に言われているが、とにかく自分が駄目だと思うな、自分が一番だと思え、自分だったら勝てるという気持ちで、今年1年密度の濃い一年にしていきたいと思う」