アルペン部門は不本意な結果に終わる/全日本学生選手権
〈大回転〉
想定外の雪質に対応し切れなかった。明大は宮崎優也(政経2=飯山)の40位がチームトップの成績と振るわず。
大会前日までは積雪も少なく雪質も柔らかだったが、当日は朝方の寒気の影響から前日以上にバーンが固くなっていた。そのため想定していたよりもスピードが上がり「恐れてしまった」と宮崎。長崎誠(商3=新井)も「板のエッジが丸くて対応し切れなかった」と万全な準備を行うことができなかった。加えてセットの難易度もあまり高くなかったため、一層スピードが出た。様々な事態に悩まされ納得の滑りができなかった。積雪の影響を直接受けやすいアルペン競技。その自然をも相手に戦う競技の難しさを改めて思い知る結果となった。
※大回転‥アルペンの中でも高いターン技術とスピード感覚の両者が必要とされる競技。高速系のスーパー大回転、技術系の回転の中間種目である。
〈回転〉
意地のラストランだった。明大勢唯一の完走を果たしたアルペン部門のチーフ・沖野省吾(文4=日大山形)。
この日の回転が自身の競技生活最後の大会だった。ここ数日の気温の上昇と昨日の降雪により雪質が柔らかく、コースには前を走る選手の滑走後の掘れ跡が大きく残っていた。2走合計の完走者は出場全84選手中わずか45人。その中でも「粘ってゴールをすることができてよかった」と沖野省。ラストレースを執念で滑り切った。結果以上に価値ある完走となった。試合後には自身の競技生活を振り返り「終わってみればあっという間だったが、楽しい時間だった」と感慨深げに一言。4年生唯一のアルペン部員はその競技生活も最後まで滑り切ってみせた。
※回転‥短い間隔で置かれたポールを滑る、素早く正確なターン技術が必要とされる競技。技術系種目と称される。
長年遠ざかるアルペン部門でのポイント獲得。沖野省は「まずはそこを目指して欲しい」と後輩たちに悲願を託した。来年度は新入生のアルペン部員が増えるため、部内競争も高まり個々人のレベルアップが望まれる。20年以上前には優勝を果たしたこともあるこの種目。古豪復活への期待もより高まっている。
[小田切健太郎]
試合後のコメント
沖野
「今日は雪もあまり良くなくて、最初はゴールできるかなと思っていた。コースアウトする人が多かった中で、何とか粘ってゴールをして、成績を残すことができたのがよかったと思っている。競技生活のラストレースを滑り切ることができてよかった。ずっと気温が高くて雪が柔らかかった中で昨日からの降雪があり、うまく固まっていなかった。ぼこぼこだった斜度はあまりなかったが、少し長かった。(この4年間を振り返ると)良い先輩にも恵まれて、強い後輩も居て、いい環境の中で過ごさせてもらったと思っている。この4年間は自分の中でも大きな経験だった。後輩たちには楽しく、思い切ってスキーをしてもらいたい。インカレでの具体的な目標としてはまずポイント獲得を目指して欲しい。来年は新入生も多く入ってくるので、お互いを高め合ってくれたらと思う。(競技生活を振り返って)小学校から今まで10何年やっていて、時間で言えば長いけれど、終わってみればあっという間だった。すごい楽しい時間を過ごさせてもらった事に感謝したい」
五十嵐玄(文3=山形中央)
「1本目はコースがきれいな中でしたが、自分の中で攻めきれずタイムを残せなかった。2本目は1本目よりコースが柔らかくなっていて、荒れた状態の中だった。自分のすべりができなかった。今年はスタートからゴールまで動き続けられる体作りをした。下半身強化のための走り込みやウエイトで鍛えた。シーズンではまだ足りないと実感している。1月の国体県予選と2月の安比大会では理想のすべりができた。28日はチャレンジャーの気持ちで入賞に向けて滑っていく」
長崎誠(商3=新井)
「自分は二種目あるうちの回転の方がもともと得意で、正直回転に賭けている。だから大回転の方の調子はそこまで良くはなかった。練習不足といったところだった。昨日はバーンが春みたいに柔らかかったので今日もそうなると思っていた。でも今日は固まっていたので内側転倒しないようにした。1本目に雪の状況を考えきれていなくて、板のエッジが丸くて全然滑れなかった。板の手入れをしっかりして挑めば良かったと思った。回転では去年よりスタート順もいい。1本目から積極的に攻めていって2本目はいい位置に着いて10番以内に入りたい」
宮崎
「結果はだめだめだなって感じ。目標はなかったが自分なりの力を出せればそこそこいくかなって思っていた。それができなかった。それが一番悔しい。メインはスーパーG。それも入賞できていなかったので今日にかける気持ちはそういう意味でも強かった。今日良くなかった点は、想定していたよりも固くてスピードの出る雪だった。そこにビビってしまったのが一番の敗因。コースは1本目が固くて2本目が柔らかいほうだった。セットは難しくは無かった。そういう意味でガンガンいけるセットだった。そういうセットだと自分も得意な分、早い選手たちともっとタイム差がついてしまうというのが出てしまった。(よかったのは)1本目に比べて2本目の方が自分なりに滑れた。タイムはでなかったがそこはできた。(1、2本目の間の心境の変化は)色々な人のタイムを聞いて、遅かったと。入賞とか狙える圏内ではなかったのでそれなら思い切りいこうと思っていた。インカレまでの調整はアメリカに専大の人と合同練習していた。明治にポイントを取ってこられずに、特に一番得意としていたスーパーGがとれなかったのは悔しい。来年こそはと思っている。(今年一年のすべりのテーマは)技術的にはハイラインをできるようにしている。板が通る道を高くしている。回転は得意な方なので1本目でしっかり納得の滑りをしたい」
関連記事
RELATED ENTRIES