エース・高梨、ラストインカレは無念の準V/全日本学生選手権

2015.02.26
 有終の美を飾ることはできなかった。ジャンプのエース・高梨寛大(営4=北照)が優勝候補筆頭に挙げられながら無念の準優勝。1本目終了時点では自身も納得のベストジャンプにより単独トップに躍り出る。しかし、2本目は飛距離を伸ばすことができず総合順位は悔しい2位に終わった。また、明大ジャンプ陣は高梨の他に2名が入賞を果たし、この種目で大量ポイントを獲得した。

 会心のジャンプだった。1月のユニバーシアード団体で2位入賞と今シーズン絶好調の高梨。1本目では最高のパフォーマンスを発揮した。穏やかな風の中迎えたフライトはこの日の最長不倒となる95mの大ジャンプ。テレマークもしっかり決め、着地直後には指を高々と上に突き上げ全身で喜びをあらわした。「自分で自分を褒めたい」(高梨)と自身も絶賛のジャンプは飛型点でも他の選手を圧倒し、2位と6.5ポイント差をつける文句なしのフライトだった。
 しかし、優勝をかけて臨んだ2本目は予想外の結果となった。「ジャンプの内容はそこまで悪くなかった」(高梨)と振り返るも、踏み切りのタイミングのわずかなズレにより88mと飛距離が伸びず。2本目のみの順位はまさかの4位。この結果、1本目で2位だった選手に逆転を許し総合順位は2位に沈んだ。試合後には最後のインカレを振り返り「素直に悔しい」と一言。優勝を目の前で逃し、無念をにじませた。

 下級生の活躍も光った。西方慎護(政経2=札幌日大)が6位、奈良拓実(商1=余市紅志)が9位とそれぞれ入賞。しかし昨年の4位から順位を落とした西方は「この悔しさをばねに来年に向けて頑張っていこうと思う」と結果には満足しておらず、新エースとしての期待も高まる。ルーキーの奈良も「次こそは優勝を狙う」と意気込み、こちらも上位進出に貪欲な様子。来シーズン以降もジャンプ陣から目が離せない。

 大会も明日の中日をはさみ中盤に突入。28日にはコンバインド、アルペンの回転競技が行われる。明大の総合Vへ向け、雪中の戦いは続く。

[小田切健太郎]

試合後のコメント
高梨

「素直に悔しい。目標というよりかは自分のコンデイション的にも優勝できるレベルまで持っていけていたので、優勝できるだろうと思っていた。でも、やっぱりやってやろうという気持ちが強くて、力が入ってしまった。1本目のジャンプには満足している。本当に自分で自分を褒めたいぐらいだと思う。2本目は結果としては距離がでなかったけれどもジャンプの内容的にはそこまで悪くなかった。空中や踏切のちょっとした失敗が響いてしまった感じ。今日は風もなく、全員が自分の実力通りに戦える状況だった。ジャンプ台は飛びやすかった。1本目と2本目の間の心境は穏やかで落ち着いていたが、結果は結果。まだシーズンは終わらないので気を引き締めていきたい」

西方
「(試合前のコメント)今季の調子は全然よくない。出だしの11月の名寄の大会でつまずいてしまって、そのままここまできてしまっている感じ。昨年、一昨年と出場できていた世界ジュニアにも出られなくて、ユニバーシアードもだめで。何かが特に悪いというよりは、気持ちの問題だと思う。気持ちと体の動きがうまくコントロールできていない感じ。前へ前へという気持ちを我慢して抑えられればいつも通りのジャンプができるかなと思う。この野沢のジャンプ台は飛び出しが高くて、空中での位置が高い台で自分としては得意な台。今季のここまでの悔しさを優勝して晴らしたい。やれることはやってきたので、あとは力まず、ベストを尽くしていい結果を残せるように頑張る。(試合後のコメント)力不足を痛感した。昨日の公式練習で何本かいい感じのジャンプはできていたが、試合になるとやはり力みが出てしまったかなと思う。気持ちは平常心で臨めた。目標では2本とも90mを越えていきたかった。1本目は89mでまずまずだったけれど、2本目が86mで、うまくいかなかった。1本目で90m越えていたらもう少し余裕を持って2本目にいけたと思う。来年からは技術面、体力面、メンタル面で一から作り直して、夏はしっかりトレーニングをしていい成績を残せるようにしていきたい。学生では一番大きい大会でこういう結果になってしまったので、この悔しさをばねに来年に向けて頑張っていこうと思う」

奈良
「(試合前のコメント)今シーズン出だしはすごく良くて、開幕は順調だった。だけど途中に転倒が何度かあって、そこから調子は少し落ちた。でも、このインカレに合わせて地元で飛ぶ練習を何度かやって調整してきた。これまでも試合はかなりあって、そこでは突発的な成績は出なかった。今年はインカレに標準を合わせていこうとなっていた。転倒からケガなどはなく、ただ感覚的なものだった。初めてのインカレだが、インカレは順当にはいかないらしい。だから逆にチャンスだと思っている。自分がダークホースになるつもりで、表彰台を狙う。(試合後のコメント)雪質は悪いと言われていたけれど、コンディションは良かった。風もなかったし、みんな平等にできた。1本目は攻めすぎて板が開いて煽ってしまった。力んで思ったようにはできなかった。その反省を活かして、2本目はこっちに来て一番良いジャンプだった。10位以内のポイントゲットに、最後2人抜かして入れたので良かった。表彰台を狙っていたので目標達成とはならなかったが、ポイントが取れたので貢献はできたと思う。次からはまた新しく、2年生としてシーズンが始まっていくので次こそは優勝を狙う」

横川猶也(政経1=白馬)
「納得行くジャンプはできなかった。空中での姿勢がだめだった。練習不足。今シーズンは調子はよくない。今年は技術的にはどんな風にも対応できるように練習をしてきた。大学生になって今までの少年から成年へと変わって、レベルの違いを感じている。高梨さんや西方さんのように、どんな状況でもしっかり飛べるようになりたい。自分も来年は先輩のように入賞圏に入りたい」