(16)集大成 66年ぶり悲願へ

2015.01.01
(16)集大成 66年ぶり悲願へ
[号砲まで、あと1日!]

全16回にわたってお届けしてきた「襷-箱根駅伝91st-」も今回がラスト。集大成に向けて、一丸となって優勝をつかみ取る。

集大成
「今年は何がなんでも勝ちたい」。これまで「優勝」を明言してこなかった西監督も今年ははっきりとその2文字を口にする。入学当時から「4年後は優勝を狙える」と自信を持ってきた最強世代が最終学年になり「集大成」と位置づける箱根路に挑む。 
 前哨戦となった11月の全日本では1区17位から2位まで巻き返し、底力を証明した。3区有村優樹主将(商4=鹿児島実)、5区横手健(政経3=作新学院)、8区大六野の3人が区間賞を獲得。主力がしっかりと「強さ」を発揮し、チームを押し上げた。
 有村主将が「4年生が強いというのがチームの売り」と胸を張る最強世代は健在。エースに成長した大六野、主将の有村、1区スペシャリストの文元がチームを引っ張る。前回3区2位の八木沢と9区を走った前野貴行(農4=須磨学園)は故障によりエントリーから外れたが、西駅伝監督には「他の選手がその分まで走るんだという気持ちをみんなが持っている」と不安はない。
 前回の箱根も走っている横手、木村の3年生コンビもさらに成長し、主軸として最強世代を支える存在に。「最後は4年生を勝たせてあげたい」と口を揃える。エース鎧坂哲哉選手(平24営卒・現旭化成)が故障で2区を回避しながらも49年ぶりの総合3位に入った3年前と同じ空気ができ上がった。

悲願へ
 前回も充実の層で優勝を狙ったが6位。リベンジに向けチーム改革に着手した。これまで年に一度だったチームミーティングを月一回に増やし、箱根を逆算した月間目標も設定。「みんなが勝負にこだわる意識を持てている」(大六野)と全員が同じ方向を向きこの箱根を目指してきた。
 打倒駒大に燃える。全日本では約3分の差をつけられ完敗。だが有村主将は「勝てないとは思っていない」と言う。鹿児島実高時代に全国高校駅伝優勝の経験を持つ有村。当時、優勝候補筆頭で大エース西池(現法大)率いる須磨学園高に勝利したチームを重ね、「今のチームもみんなが優勝できるという思いを持っているのは似ている」と主将は手応えを感じている。
 今年は西駅伝監督にとっても、監督就任10周年のメモリアルイヤー。さらに、19年間競走部の部長を務めてきた松本部長も定年を迎え最強世代と共に集大成を迎える。優勝すれば1949年以来となる8度目の栄冠で中大の32年を超える、最長ブランク優勝。「総合優勝のイメージはできている」(大六野)。66年ぶりに、箱根路に紫紺旋風を巻き起こす。

[奥村佑史]


 


 

「襷―箱根駅伝91st―」をご覧になっていただき、誠にありがとうございました。運命の号砲は明日、1月2日(金)午前8時です。ぜひ沿道に足を運んで、明大の襷を胸に走る選手に声援を送ってください!

襷―箱根駅伝91st―(2014年12月17日~2015年1月1日)
[取材・文 奥村佑史、髙田悠太郎、本永雅敬、髙山舞、田中莉佳、辻成美、渡邊由理佳]