男女フルーレ共に結果は残せず/全日本選手権
実力の差が出た。予選を64人中56位とぎりぎりで通過し、迎えた決勝トーナメント1回戦。予選での反省から「攻撃面を中途半端にやらないというのを心がけた」(山岡)ことで序盤は4―1とリードを奪った。その後5連続ポイントを許し逆転されても6―6と追いつく強さも見せた。しかし「相手に誘われていて自分がまんまとはまった」(山岡)と一挙8失点。辛くも1点返したが7―15と大差での敗戦となった。「フィジカルとテクニックの両方、メンタルが足りない」(長尾康司助監督)とトータルでの実力差が出た。予選から中高生にしか勝てておらず「負けてはいけない相手に負けなかったということだけ」(長尾助監督)と辛口の評価も。予選2勝4敗という結果での取りこぼしが、トーナメントにも影響を及ぼした。
来年度が大学での選手生活ラストイヤーとなる。「悔いが残らないように思い切り、楽しみつつ全力でフェンシングをしたい」(山岡)と強い思いで来年度を迎える。女子フルーレ、エペとリーグ戦2部全勝優勝を飾った今年度。もう一度明大旋風を巻き起こせるか、女子の躍進に期待が懸かる。
[男子フルーレ]
練習では確実に相手の体を突いていた剣が、試合では届かない――。全日本選手権という、大舞台ならではの緊張感の中で実力を発揮できなかった。アタックでは相手との間合いを詰め切る前に打ってしまう場面も。道脇は「練習と同じくらい間合いを詰めたいと思うが、安全に行きたいという気持ちが出てしまう」と自己分析をする。「下半身が若干おろそかになっている」(長尾助監督)というフィジカル面と併せて、どのように改善していくか。「潜在能力が高い」(長尾助監督)だけに今後の成長から目が離せない。
[谷澤優佳・柴田遼太郎]
試合後のコメント
長尾康司助監督
「山岡は今日勝った相手は高校生と中学生だけ。ランクの高い高校生、トップレベルの中学生であるが、冷静に見れば大学生に勝たなければ駄目。逆に高校生に負けたらもっと大変。負けてはいけない相手に負けなかったということだけ。トーナメントにも上がれたが、ぎりぎり上がれたので上位の選手と当てられる。河村というインターハイのチャンピオン相手に、途中までは頑張っていたが最後突き放された。フィジカルとテクニックの両方が足りない。プラスメンタルかな。河村か、と当たりが決まった時に思ったのだと思う。思いっ切りやろうということで序盤は互角だったが、相手がエンジンを掛けてきたから実力の差が出た。今日の時点での実力差ということ。道脇は全然駄目。日頃からフェンシングに懸ける思いというものは強いものがあったので期待していたのに。授業の合間に他大に出稽古に行っているという話も聞いていた。期待があった分だけ裏切られたという感じ。フィジカル面が非常に弱い。体力面。腰を落としたまま早いステップで間合いを詰める、相手が来たら腰を落としたまま滑るように間合いを切る。それがフェンシングの基本。その後に、剣さばきといったテクニカルなところが付いてくる。どちらかと言うと、テクニカルな剣さばきに走りがちな練習を普段やっているのではないか。だから見栄えのいいことをやろうとして、下半身が若干おろそかになっている。半年間見ていてそういう感じは受けた。年明けはフィジカル中心で。それができればテクニカルなところは付いてくる」
山岡珠子(政経3=鳥羽)
「予選の時から思い切りできてないなと自分でも思っていて、アタック面でもディフェンス面でもすごい迷ってやっているので、相手にとっては逃げやすいというか止めやすい剣だったのが反省点。それを2試合目からずっと続けてやってしまったので、自分のやりにくさが全然出なかったなというのが反省点で、それをトーナメントの時に切り替えて、突かれても止められてもいいから攻撃面を中途半端にやらないというのを心がけた。それで6点目までは結構いい感じにいったなと思ったけれど、最後は全然駄目だなと思った。自分のやっていることもばれつつあって、最初は結構タイミングがずれてしまったりとか相手の空いているところを狙っていけたけれど、途中からはばれているなというのもあって自分が単調になってしまった部分もあった。最初はすごい警戒心持って下がったりしていたけど、途中からその下がりも遅れたりしてしまって6点一気に取られた。自分がこうやられたからこうやろうと思ったけれど、相手に誘われていて自分がまんまとはまったなというところがあった。特別左利きが嫌いという訳ではないけれど自分が詰めていて肩口に狙うのが置きにいってしまった。自分の方が相手より小さいので、肩口に狙うならもうちょっと慎重にしっかり突きにいくように意識して、上からじゃなくて真っすぐいく練習をしなくてはいけないと思った。今年一年間は前期の方は結構リーグ戦で女子フルーレもエペも入れ替え戦いって結果よくて終わった。でも後半があまり自分にとっても明治の女子にとっても冴えないというか結果がいまいちなシーズンだったなと思う。せっかく2部から1部にエペが上がったから来年はこの流れが少し落ちつつあるけれどそこをしっかり切り替えてもう一回波に乗って、あとラスト1年なので悔いが残らないように思い切り、楽しみつつ全力でフェンシングをしたい」
道脇啓太(営1=熊本県立翔陽)
「予選は上がれていたはず。惜しい試合が多かった。プール的にトーナメントに上がるくらいはできると思っていた。(逆転負けが多かった印象だが)あと少しを取れないのは自分のせい。吉口選手との試合はあと1点というところで調子に乗ってしまった。1点を取れないフェンシングをしているのかなと。気持ち的に怖がって練習と同じことができない。強い人とも駆け引きができるようになった。三宅選手との試合でも挑戦する気持ちでいった。本番と練習用をつくってしまうではないが、練習でできることが本番でできない。試合では相手の剣が怖くてちょっと前で打ってしまって届かなかったりする。練習と同じくらい間合いを詰めたいと思うが、安全に行きたいという気持ちが出てしまう。練習と同じ技をしても届かないというところが全て」
関連記事
RELATED ENTRIES