守屋主将、最後の大会は2回戦敗退 男子サーブル個人/全日本選手権

2014.12.20
 全日本の大舞台で満足のいく結果は残せなかった。男子サーブルでは守屋一教主将(法4=愛工大名電)が23位、杉田賢人(営3=埼玉栄)が33位と今ひとつの結果に。女子エペでは奥村美咲(理工2=北陸)が44位、古俣潮里(政経1=新潟)は惜しくも11位となった。また20日にかけて行われる男子エペには坂野守洸(法3=清風)が出場し、同点タイムアップで一本勝負までもつれる接戦となったが決勝トーナメント1回戦で姿を消した。

[男子サーブル]

 悔しい敗退となった。予選、1回戦を危なげなく勝ち上がった守屋主将は、2回戦で吉岡(岐阜クラブ)と対戦。序盤はリードを許す苦しい展開も4連続ポイントを挙げるなど11―9とリードして終盤へ。しかし「ここ一番での決め技が僕には欠けていた」とポイントを連取され同点に追いつかれると、勢いに乗る相手に流れを奪われた。そこからさらに4連続失点。結局6連続でポイントを失い11―15でゲームセット。大学での競技人生はあっけなく幕を閉じた。
 「勝てる試合だった」(長尾康司助監督)という言葉通り、勝機はあった。終盤までは互角に試合を展開。しかし「決めなければいけないところで決められなかった」(守屋主将)。ラッキーな形で得点する場面もあったが、大事な局面で相手のミスにつけ込めず。逆に、連続ポイントを許し突き放された。試合後には「やはり気持ち」(守屋主将)と自らの精神的な弱さを敗因に挙げた。
 ラストイヤーに表立った成績を残すことはできなかった。2年次のインカレでは4位入賞を果たした実力者だが、今年度のインカレは16位。「自信のなさがプレーにも出てしまった」(守屋主将)と振り返るように、メンタル面での課題が常に口を突いた。最後の大会となった全日本選手権でも2回戦敗退に終わり、精神面のもろさは克服できたとは言えず。長尾助監督は「チーム力を維持してくれた」と1年間の労をねぎらったが、守屋主将自身は「1、2、3年生の時は自分のフェンシングに対して貪欲だった。それが4年生ではフェンシングとそれ以外を、何かと秤にかけていたように思う。そこが心残り」と悔しさをにじませた。
 また杉田は、守屋主将の24位を上回る18位で予選を通過したものの、1回戦で片岩(中大)に12―15で惜敗。1回戦敗退に終わった。

[女子エペ]

 スタートが悔やまれる結果となった。目標としていたベスト8を懸けた3回戦の相手は日本代表2番手の実力者、大橋(岐阜クラブ)。「2回戦最後の雑さが3回戦の立ち上がりが悪かったのにつながった」(古俣)と余裕を持って勝利を挙げた2回戦の戦い方が影響し、第1セットで2―7と大差をつけられた。インターバル後の第2セットは「見て見て行けっていうことを言われて時間を使えるような頭になった」(古俣)と周りのアドバイスもあり同時突きを含む5連取で2点差まで詰め寄った。しかし3セット目は相手に点差を守られ⒓―15で敗戦。「2セット目、3セット目の試合内容は自分でも納得できるもの」(古俣)だっただけに立ち上がりが悔やまれた。「最低でもあと一つずつ勝ってほしかった」(長尾康司助監督)と誰もが認める実力がある中11位に終わり「ここで満足できるという結果ではない」(古俣)と上を見据える。見つけた課題を克服し、来年の試合につなげる。
 奥村も予想以上の結果は残せなかった。決勝トーナメント1回戦敗退となり「トーナメント勝って今日の試合につなげてほしかった」と長尾助監督はまだ上を目指すよう促した。来年は3年生としてチームを引っ張る側に回る。奥村のさらなる成長に期待だ。

[男子エペ]
 金星を逃した。男子エペ陣として明大から唯一の出場となった坂野は、日本トップクラスの実力を誇る伊藤(NEXUS)に一本勝負の末に10―9で惜敗。1回戦敗退に終わった。
 最後は力尽きた。序盤は先行を許すも、4―7とリードされた場面から4連続ポイント挙げ逆転に成功。しかし意地を見せる伊藤(NEXUS)に追い付かれると、その後はどちらも決め手を欠き9―9でタイムアップ。勝敗は一本勝負に委ねられた。一度はドゥーブル(同時突き)で仕切り直しとなるも、最後は「自分は思った通りの動きをしたが、相手のパワーが強かった」(坂野)と得点を奪われゲームセット。惜しくも勝利には届かなかった。

[柴田遼太郎・谷澤優佳]

試合後のコメント
長尾康司助監督

「もう少し残ってほしかった。最低でもあと一つずつ勝ってほしかったかな。結局古俣が16で守屋が32。もう一つずつはいってほしかった。昨日1回戦で負けた奥村もトーナメント勝って今日の試合につなげてほしかった。(守屋の試合について)家てる試合だった気がする。11ー9になった時に、ベンチで見ててもいけるかなという流れだったけれど。だからあのときはどうしたら次の一本を取るかを考えてたと思う。勝負というか特にサーブルなんて触ればつくから、試合の展開も早いし気も許せないけれど、いい流れできていたからいってほしかった。11ー9のまま、あと4本。(守屋の存在)1年間キャプテンシーを見せてくれて、チーム力としては維持してくれた。結果としてはフルーレは2部に落ちてしまったけれど、全体的な大きなレベルダウンではないと思う。1部の5位6位のチームにいるくらいのレベルでずっときていたから、スーパースターがいた時は突出して取ったりしたときはあったりしたけれど、大きなレベルダウンではなかったし後輩たちをしっかり指導してフェンシングだけでなく学生として体育会の部としてもキャプテンシーを出してくれた。ご苦労さんでしたという気持ち」

守屋一教主将(法4=愛工大名電)
「相手も強かったのですが、倒して勢いに乗りたかった。勝てませんでした。大学2年生の時に一度当たっている選手で、その時には負けていたので勝ちたかった。相手は勝負強かった。相手も強かったが、自分も決めなければいけないところで決められなかった。中途半端だった。ラッキートッシュが何本もあった上でやられてしまった。最悪な試合だったと思う。自分が攻撃権を持っている時に、その攻撃権をモノにできずに相手に渡してしまったり、持ったまま大事にし過ぎてスキを突かれたり。そういうのは僕の中で痛かった。敗因はやはり気持ち。途中まではいい勝負だったので。ここ一番での決め技が僕には欠けていた。最後の6連続失点は不甲斐なかった。今日の試合でポジティブな内容は全く無かった。最後だったのでいい思い出をつくりたかったが、入賞を目指していたが全然駄目だった。失った自信を1年間通して取り戻せなかった。自信のなさがプレーにも出てしまった。1、2、3年生の時は自分のフェンシングに対して貪欲だった。それが4年生ではフェンシングとそれ以外を何かと秤にかけていたように思う。そこが心残り」

坂野守洸(法3=清風)
「負けたけど楽しかった。就活などが始まって、あまり練習できていなかったので。予選が悪かったということもあるし、頑張っても強い選手と当たるので楽しんでやろうと思っていた。吹っ切って楽しんでやった結果。結果どうこうではなく、久しぶりにフェンシングを楽しんでやることができた。同時突きは突かれてから突いた感じだったので危ない危ないって思った。やばいみたいな感じではなくて、楽しんでこれやろうかなとかあれやろうかなとか考えながら動いて、結構色々なことができた。同時突き自体が取りたかった、危なかったみたいには思っていない。予選では腰が痛い中で普段通りやったが、ディフェンスはできたがやはり攻められなかった。予選では楽しんでやることができなかった。逆にトーナメントはすごく楽しんでできた。心先輩は日本のトップ選手なだけあって、速くて見えないやつもあった。最後も自分は思った通りの動きをしたが、相手のパワーが強かった。参りましたという感じ。本当に強かった。一番差を感じたこと足突き。前情報として、心先輩は足突きが結構来るから、足突きを誘って上を残せば勝てると言われていたので警戒をしていた。警戒していても自分の反応速度を超えるスピードだった。突かれてから突かれたことに分かった。自分は高校の時から足がないと言われてきた。その分がっしり構えていたが、今は腰が痛くて動けないので自分なりに足を使ってみたり、あまり自分のスタイルに似合わないような戦い方をしてみたら意外にうまいこといった。今後に生かしていけるのかなと思う」

古俣潮里(政経1=新潟)
「昨日の1回戦は試合の内容がよくなくて、今日一日は切り替えていこうと思っていた。2回戦は見れたかなという感じだったけど、やっぱり最後の方は雑な試合というか勝ってて、もう勝てたらいいやみたいな感じになってドゥーブルを狙って雑にばんばんといっちゃった。それで勝てたのはよかったけれど、その雑さが3回戦の立ち上がりが悪かったのにつながっちゃったかなという感じ。3回戦は相手もナショナルチームの2番手ですごい強かった。それでちょっと固くなってたのもあるけれど、やっぱり時間を置いて相手を見るということができなくて6―1くらいになってしまった。2セット目から切り替えて自分でも納得できるフェンシングができたけれど、勝つためには最初にやっちゃった得点差がつらくて、守られて負けちゃった感じ。今回の試合で一番悔いが残るとしたら3回戦の時の1セット目。(作戦はあったか)時間を使ってしっかり相手を見ていくということで、真ん中にポイントを置いてそれに相手がどうしてくるかを見た上で戦うということができたからそれはよかったかなと思う。(2セット目切り替えた要因は)後ろのベンチに、本当は自分で気づけたらよかったんだけど、そういうふうにしろっていうか、見て見て行けっていうことを言われた。それで時間を使えるような頭になった。(全日本の舞台で戦って)去年よりは上にいけたのでよかったけれど、ここで満足できるという結果ではないなという感じ。2セット目、3セット目の試合内容は自分でも納得できるもので、だからこそ1セット目の立ち上がりが惜しいなという感じなので、そこをもう直していくというように課題が見つかった」